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INTERVIEW
ワーキングマザーとの一体感!チーム全員が気持ちよくはたらくためのマネジメント術
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読者のみなさんのなかには、ご自身がワーキングマザーであったり、もしくは身近にワーキングマザーの人がいらっしゃるという方もいるかもしれません。チームのメンバーのはたらき方が変わったばかりの頃は、業務分担などなにかと不慣れなことも起こるでしょう。

そこで今回は、ワーキングマザーをふくむチーム全員が気持ちよくはたらけるよう、上司が果たすべき役割やそのための具体的なアクションについて深掘りします。男性管理職向けの研修などを手がけるコンサルタントの藤井佐和子さんにお話を伺いました。

株式会社キャリエーラ ダイバーシティコンサルタント 藤井佐和子

PROFILE

株式会社キャリエーラ ダイバーシティコンサルタント 藤井佐和子
藤井佐和子
株式会社キャリエーラ ダイバーシティコンサルタント
カメラメーカー、人材エージェントの経験を経て、現在は女性を対象としたキャリアカウンセリング(のべ13,000人以上)、ダイバーシティに関する企業コンサルティング、研修や講演(年間200)を実施。主な著書に『女性社員に支持される出来る上司の働き方』(講談社)、『あなたにはずっといてほしい、と会社で言われるために、いますぐはじめる45のこと』(ディスカバー21)など多数

「一枚岩」だからこそ生じる難しさ

ー時短勤務の人がいるチームで業務分担がうまくいっていないケースは多いのでしょうか?

そうですね。例えば、時短勤務者が時間内にこなせなかった仕事がそのままドンと降ってきてしまうとか、時短勤務者の退社後に起こったトラブルへの対応など、次の日には持ち越せない仕事がしわ寄せになっているケースが多いようですね。

海外だと、相手の領域、いわゆるジョブディスクリプションに踏み込むのは、相手にも失礼。だから、自分が与えられた仕事以外は触れないという職場文化をもつ国も多いです。しかし、日本人はチームが「一枚岩」になってはたらくことを重んじる傾向にあります。

もちろん、一枚岩で取り組むことにはメリットもありますが、誰かがやりきれなかった業務を引き受けてもそれが自分の評価にかならずしも反映されないケースがほとんど。どうしても「自分の仕事ではないことをやらされている」と思ってしまうのではないでしょうか。

 

ーチームを大切にするからこそ、不公平感や非効率さを感じていても、それを口にすることを “タブー” に感じている人もいそうです。

そうかもしれませんね。ただ、私自身のことを振り返ると、時短勤務のワーキングマザーであっても仕事をやればやるほどやりがいや責任感も出てきます。すると、多少プライベートなことはなんとかやりくりしてでも頑張りたいと思うものです。そういう人にはコミットしてもらい、チャレンジングな仕事をまかせるのもありだと思いますね。

時短勤務者であろうと戦略的なチームの一員に据え、その人が参加しやすい時間に合わせてミーティングを行うようにしている企業もあります。今後はワーキングマザーにかぎらず、病気や介護を理由に時短勤務を希望するひとが増えてくるでしょう。誰もが時短勤務しやすい職場づくりを推進して、企業全体が変わるきっかけにしてほしいですね。

全員が気持ちよくはたらくために管理職がすべき2つの仕事

ーこういった問題を解消するために、チームの上司は何をすべきでしょうか?

繰り返しになりますが、一枚岩になるのが多くの日本企業の働き方の特徴です。それをいきなり外資系企業のように、ジョブディスクリプション重視に切り替えようとするともちろん破綻してしまいます。ですから、まずは「チーム全員がお互いの仕事を把握して、配分を見なおすこと」から始めたほうがいいですね。

 

ー仕事の見直しとは具体的にどうすればいいのでしょうか?

まず、全員の業務を棚卸しして、チーム全体の仕事を “見える化” します。

具体的には、チーム一人ひとりと1対1で面談し、それぞれが持っている業務と1日の流れを洗い出します。誰が何をやっているのかだけでなく、どの作業に何分かかっているかと細かく計測し、重要性と緊急性で分類することも大切です。

チーム一人ひとりの業務を洗い出すことができたら、それらの工程に無駄がないか、担当者を変更したほうが効率的になるものはないか、複数の人が同じ仕事をしていないかを全員で話し合いましょう。

仕事の見直しをすると、チーム全体の業務効率が上がるので、時短勤務でない人からも「残業が減ったね」という声が挙がることも多いです。

なかには、「営業時間以降の残業はしない」ということをお客さまにも伝えているという会社もあります。もちろん、緊急対応を求められる場合は仕方ないですが、お客さまも巻き込むことでチームとしてより業務効率をはかることができます。

 

ーほかに、上司としてすべき仕事はありますか。

マネジメントの一環として、部下同士の情報の共有するための「コネクター」として動くことが求められると思います。

コネクターとして機能するためには、まずはメンバー全員と定期的に面談し、キャリアプランやできるかぎりプライベートの事情もヒアリングします。実は部下のことをよく知らないという管理職は少なくありません。できれば、1人あたり1時間くらい時間をかけて、今後のキャリアプランやそれぞれの価値観について把握しましょう。

 

ー個々のキャリアプランを引き出すためのコツを教えていただけますか。

3年後、5年後、10年後にどんな仕事をしていたいのかというスキル面と、人としてどんな存在でありたいのかというマインド面のビジョンを本人と確認します。

とはいえ、特に若手社員などはそこまでイメージできていないことも少なくないので、そのようなメンバーに対しては、今までどんな仕事で活躍できたのか、どのようなスキルを身につけることができたのかなど、“過去の棚卸し” をしてあげます。

そのうえで、今後このような活躍ができるのではないか、そのためにはどのようなスキルを補うべきか、自分は上司としてどのようなサポートができるかを一緒に考えるようにすることが大切です。

 

ーとはいえ、上司がメンバーとある程度の関係性を作っておかないと、なかなかここまで話せないような気もしますね。

そうですね。ですから、部下が遠慮せずにすぐ相談できる雰囲気を醸し出すことが大事です。トラブルになってから「どうして早く言わなかったんだ」となることって結構多いと思うんです。でも、相談し合える関係が構築できていたら、トラブルを回避できたはずですよね。

そのためには、上司は忙しくても忙しそうにしないことが大事。管理職はミーティングが多いため席を外す時間も長くなる傾向がありますが、かならず席にいる時間帯をあえて作るとか、わざとフロアの中をうろうろするなどして、とにかく話しかけやすい雰囲気を作る。なかには、どの時間にどこにいるのかを全員が把握している企業もありますね。そういう「姿勢」を見せると部下も気軽に相談しやすくなると思いますね。

株式会社キャリエーラ ダイバーシティコンサルタント 藤井佐和子

「一言足りない上司」になっていませんか?

ー逆に、うまく機能しなくなるチームの上司に共通点はありますか?

はい。まずは、一言足りない上司ですね。コネクターとして機能しようとする際、結論だけを伝えることで的確に指示したつもりでも、それがきちんと意図どおりに伝わっているとは限りませんし、部下はそれを理不尽だと感じている場合も少なくありません。そうなった背景や理由を上司が説明するだけで、部下は安心するものです。

また、部下の報連相に対して適切にフィードバックしない上司も部下からの信頼を得にくいですね。状況を全部把握したい上司ほど、報連相されたことに対して部下に適切な指示や評価をフィードバックしない傾向があるようです。部下からすれば、「ただ報告させられているだけ」と、上司に情報を共有するメリットがないと感じてしまいますよね。

ー日々の適切なコミュニケーションが部下との良好な関係を築き、チームメンバーが気持ちよくはたらけることにつながるのですね。

[取材・文] 大井あゆみ、岡徳之

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