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INTERVIEW
大事な仲間たちに健康を広げていきたい~DeNA流 健康経営の取り組み
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健康は、仕事のパフォーマンスをあげる前提条件ーー。そんな考えがビジネスパーソンの間に広がってきています。そして、健康であることで、パフォーマンスがあがるという認知が広がってきたため、社内の健康を推進する部門を立ち上げる企業も増えてきています。

そこで今回は、2016年1月、社員の健康サポートのため『CHO(Chief Health Officer)室』を立ち上げた株式会社ディー・エヌ・エー(以下DeNA)のCHO室 室長代理の平井孝幸さんに、同社の健康×パフォーマンス向上への取り組みについて、お話を伺いました。初代CHOは同社創業者であり会長の南場智子さん。同社の肝入りのプロジェクトです。

株式会社ディー・エヌ・エー CHO室 室長代理 平井孝幸

PROFILE

株式会社ディー・エヌ・エー CHO室 室長代理 平井孝幸
平井孝幸
株式会社ディー・エヌ・エー CHO室 室長代理
2003年、慶應義塾大学在学中にDeNAでインターンを行い内定もらうものの他社に就職し半年で辞める。その後、人体や健康に関する書籍を半年で300冊以上読み、メンタル、食事、運動に関する研究結果をもとに自身のライフスタイルを一新させ体重を3カ月で15kg減らす。それ以外にも健康的なライフスタイルから多くのメリットや気付きを経験したこともあり、みんな健康なのが当たり前といった会社にできれば会社はもっと元気になるだろうという想いのもとCHO室を創設する。趣味ゴルフ(平均スコア75)。健康経営アドバイザー

平井さんについて書かれた南場さんのブログ記事

「身近な仲間たちにはいつも健康で、絶好調で笑っていてほしい」という南場の想い

―DeNAで、CHO室が立ち上がった経緯を教えてください。

健康への取り組みを一人で勝手にはじめたのは、2015年の8月になります。もともとは姿勢が悪い社員が多いことが気になっていた私が、特にひどかった社員に声をかけて、改善活動をはじめたのがキッカケです。トレーニングなどに使用するトレーニングチューブを使って、個々の体系に合わせて猫背になりづらい器具をつくり、試しに使ってもらっていました。

トレーニングチューブを背中側で八の字にすると肩が自然に開いて、肩甲骨が引き寄せられます。呼吸しやすくなりますし、歩き方もよくなります。効果として、肩こりが改善した、体がポカポカするようになったという声をもらいました。他にはトランポリンの購入を推奨し、現在までに社内で40名以上が購入しました。中にはトランポリンの効能の話を聞いてから3分で買った役員もいました。今は、南場の会長室にもあります(笑)

こうして、「健康的なほうが楽しいし、疲れにくくなることでパフォーマンスがあがる」という雰囲気を社内に作ってきました。ある程度結果が目に見えてくると、「これ、いいよ」と、誰かに話をしたくなりますよね。それが社員の口コミとなり、健康意識の高まりがわずかにですが連鎖していきました。中長期的な視点からみて継続的に活躍するためには、高いレベルでの健康管理が大事だと気づく人が多いんですよね。ザッカーバーグやイーロン・マスクもいかにも身体を鍛えてそうですし。

当時、そんな草の根活動を進めた内容を企画書にまとめ、人事責任者やヘルスケア事業責任者、南場に持っていたっところ、「必要だよね」と。それで、社内外に健康への取り組みの本気さを伝えるために南場にCHOになってもらい2016年1月にCHO室が正式に発足しました。

―CHO室のミッションは何ですか?

ミッションは、健康を通して社員の生産性をあげること。とそれっぽく言っていますが、実際のところは南場のメッセージにもある通り、一緒に働いている仲間には、全員が健康でいてほしいし、みんなが元気で笑顔でいてほしい、という想いが根底にあります。

大事にしている要素として、1.食事、2.運動、3.睡眠、4.メンタルの4つの軸を立てています。例えば、運動の目標は、「腰痛・肩こり」で業務効率が低下している人の負担を減らすこと。社内でライフスタイルアンケートを実施したところ、「腰痛・肩こり」で悩む人が多く、実に半数以上もいました。これは想定以上の数字で、それらの数字をKPIとして設定し、優先順位を設けています。ミッションは、この数字をゼロに近づけることですね。

―わかりやすい指標ですね。一般的な健康の取り組みを行う会社では、健康診断結果の改善を目標にするという話を耳にします。

この目標設定については、いろんな会社さんにヒアリングさせていただき、従業員の健康診断結果や受診率、BMI(肥満度を示す体格指数)や喫煙率などを目標にしているところが多いとわかりました。しかし、20~30代が多いDeNAでこの目標設定を行っても、社員は関心を示さないだろうなと思い、健康になるとパフォーマンスがあがる、わかりやすい目標の指標を置くことにしました。

進めるのは、我慢の健康ではなく、ワクワクする健康

―具体的にCHO室では、どのような活動をされているのですか。

前置きとして、この健康推進には、「DeNA流 健康取組五箇条」があり、社員に健康を無理強いしないということがあります。紹介はするけど、やる、やらないは、みなさんの自由です、というスタンスです。これは南場と話をしていて、社員の中には、健康に関心の高いひともいれば、関心の低いひともいる。だから全員に健康を押し付けるのは、DeNAの文化に合わないと考えているんです。一人ひとりが自分に正直な方法で健康管理ができるようサポートしていくことが、われわれの役割です。

DeNA流 健康取組五箇条
DeNA流 健康取組五箇条
概要
概要

※DeNA スマイル健康プロジェクトより転載:リンク

具体的な施策に関しては先程のKPIに基づき設計しているものの、現在のフェーズにおいてはともかく数を打つことを心がけています。正直なところ、課題感に合わせて施策を打っても刺さらないこともあり、ジャブを連発し様子をみている状況です。何か一つの施策が刺さればそこからヘルスリテラシー向上に向けての第一歩が始まると考えています。

食事では健康を気にしないという人はウォーキングを試したり。呼吸法には興味はないけど、食事から健康を考えてみたいという人は食事の改善を取り組んでみたり。そうした健康への気づきを与えられる企画や仕掛けをつくることをしています。健康スイッチ作りと呼んでいます。

例えば、社内でエクササイズセミナーを実施することで、いままで執務室で運動をすることを躊躇していた人が「やっていいんだ」と前向きになりました。社内でそうした健康に向けた取り組みを行う光景が自然に出てきていることがうれしいですね。元々自由な社風ですが、より伸び伸びとできる雰囲気が出てきたのかもしれません。他にも、瞑想を取り入れる人が出てきたり。今までは、社内で公にマインドフルネスや瞑想を行うことに抵抗があった人にも意識変容が出てきているのかもしれません。

会議の始まりに瞑想する様子
社内カフェの一角にはマインドフルネスなどを行うのにピッタリな場所も
会議の始まりに瞑想する様子
マインドフルネスや食事、運動セミナーなど、ランチタイムや夜に健康関連セミナーを開催中

行動変容という意味でいうと、いままで一番大きかったのは新卒で入社してきたAさん。食生活が乱れ体重が増加していたので、食事に関する本を薦めてみたら、それを読んで体重が数か月で15キロほど落ちました。そこまでだとクリエイティビティがないわけですが、彼はそこから「健康は素晴らしい」と気づいたんです。食事以外にもマインドの本など、いろいろ読み続け、京都に修行に出かけたり。その分野では、私の知識を凌駕するほどになりました。そういう良さを実感したことにはとことん突き詰めようとする人がいる会社なんです(笑)

方向性がちょっと傾き始めたところにパスを出すと、みんなやってくれるんですね。そして、健康によってパフォーマンスが向上すると、まわりに話をはじめて、インフルエンサーになってくれます。CHO室が社内で声をあげるというよりも、パフォーマンスへの関心が高い人を感化することができれば、健康の良さを自然に伝えてくれます。5月に開催したマインドフルネスの研修も30人くらい集まってくれて、知見を得た社員がその後も自発的にマインドフルネスを学んでいます。

―すごい自走ですね。

他にもいろんな取り組みを企画しています。企画が盛り上がる背景に「健康推進部」という部活があり、健康に関する話をしたり、健康取組に興味ある人が集まっています。DeNA社内の人に声をかけたら、最初の2日で20名が集まり、3カ月たった現在は85名になりました。理学療法士の資格をもった人や食事学について、かなり詳しい人同士がお昼や業務時間外に集まっているようです。そうした情報やアイデアは後日CHO室に寄せられています。

そこでの情報をもとに、スリランカにプチ修行経験のある社員がマインドフルネス研修を行ったり、先ほどの理学療法士資格を持つ社員は普段営業しているんですが、彼女によるウォーキングセミナーも計画したりとタレントが豊富で助かっています(笑)

大事にしたいのは、社員の自発的な活動をもとに健康取組を広めること。そうすることで、自然に足並みが揃うんじゃないかと考えています。大切なのは、「継続」です。社員の潜在ニーズを探って、ニーズに合わせて場所をつくれば、ずっと使ってくれる。みんながやりたいという声を大事に、場づくりをしていきたいですね。

株式会社ディー・エヌ・エー CHO室 室長代理 平井孝幸

DeNAの枠を飛び越えて、渋谷に健康経営を広げていきたい

―CHO室の今後の取り組みについて、教えてください。

渋谷区の企業と一緒にどんどん健康経営を推進したいと思っています。渋谷区はもちろん東急電鉄さんとも一緒に、健康コンソーシアムとして推進できたらよいですね。そういうときに過去と同じことをしてもつまらないので、渋谷ならではの健康経営の取り組みを広げたいです。例えば、区の公園の中に、健康への活動ができるウェルネスエリアをつくったり。DeNAで評判良かった企画を一緒にやりましょう、と。

今後のことで言うと、街の飲食店を巻き込むプロジェクトを考え、いくつかの企業さんにお声がけしています。健康志向のひとが渋谷に多くなれば、健康に良い飲食店が儲かるようになります。そうやって、本当に人の健康を考えているところが儲かれば、Win-Winの関係になります。海外にはオーガニックレストランタウンのような健康志向のお店が集まるエリアがLAやスペインにあると聞いています。そのようなエリアを、渋谷につくりたい。街に打って出ていき、地域の人のために拡張していく。みんながいつの間にか健康になる環境やシステムをつくりたいので、まずはDeNAの社員、次に地域、そして、国に広げていく。自分を焚きつけていくという上でも、できるかぎり目線は高くしたいと思っています。

[取材・文] “未来を変える”プロジェクト 編集部

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