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INTERVIEW
元P&G・ライフネット生命立ち上げメンバーの吉沢康弘さんと一年間の振り返りをしてみた
INTERVIEW

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BOOK MARK

今年もまもなく終わり。来年をさらなる飛躍の年にするべく、まずは「一年の振り返り」が欠かせません。

その振り返りの方法として、『”未来を変える” プロジェクト』編集部がお勧めしているのがFacebookで1.7万いいねと大反響をいただいた「4人1組での振り返り」です。

振り返り会の構造
  • 4人1組
  • 1人が60分ずつ自分の1年を振り返り、4人で合計4時間
  • 自分が振り返りの当事者であるときは、簡単に1年の概略を説明
  • 残りの3人はその内容に対して質問や投げかけを行う

編集部では、この「4人1組での振り返り」をビジネスの第一線で活躍されている方々を交えて実施。実施後に振り返りの効果、またそれを最大化するためのティップスをアンケート形式で伺いました。

今回は、元P&Gでライフネット生命立ち上げメンバーでもあった、インクルージョン・ジャパン株式会社取締役、ベンチャーキャピタリストの吉沢康弘さんです。

吉沢康弘さん

ー振り返り会に参加して、予想どおりだったこと・予想外だったことを教えてください。

もうかれこれ10年近く前になるかと思いますが、なにより予想外だったのは自分の一年の振り返り以上に、他の人の振り返りを聞き、そこから学べることの多さ、自分の人生に参考になることの多さ、そして「いやあ、人それぞれの人生って本当に試行錯誤にあふれていて、生きているってすばらしいなあ」という純粋な感動の連続が意外そのものでした。

振り返り会に参加していた友人の一人が、「引退した自分の父親が、新横浜でユースホステルを運営し始めた。で、どうも運営がそれまで中途半端だったのでサービスのプロだった父は徹底的にそのサービスの改善を続け、最高のモノにしたらそのうち予約が取れないほど大人気の施設になった。その親父の姿勢に自分自身が感銘を受けた」という話を聞いて、こちらまで涙ぐんでしまいました。

予想どおりだったことは、「4人で対等にそれぞれが自分の振り返りの番を迎える」という公平・対等な設計を守りさえすれば、どんなメンバー構成であっても非常にフラットにやりとりができるという点でした。最初は比較的年齢やバックグラウンドの近い面々で開催しましたが、そのときの「非常に安心でき、フラットな空気感」はこの構造に立脚したものなんだな、という確信があったのを覚えています。

その後、ひと回りも年の違う人たちと数十回、この振り返り会を実施していますが、どんなときもフラット、そしてまったく異なる視点を手に入れられるというのがたまりません。

ー一年の振り返りを実施したことで、どのような影響や変化がありましたか?

本職であるベンチャーキャピタリストとして、「支援先のベンチャーをどういうふうに支援するのがいいか?」ということを一年の具体的な紆余曲折とともに語ったときに、同じくベンチャー支援をしている株式会社54の山口豪士さんからもらったインプット。

「とにかく袋小路になった経営者には、そのときどきで会うべき相手、いいアドバイスをしてくれる相手というのがいるもの。そういう人を自分たちのネットワーク、もとい誰でも直感的に良さそうという人を探しだしてつないであげると、嘘みたいに効果を発揮することがあります。何を言ってもらうかよりも、誰に言ってもらうかが重要なときってあるんですよ」というアドバイスが、後々まで仕事の内容に死ぬほど役立ってくれたことですね。

もう1つは、ほぼ日(取締役 CFO)の篠田さんとの振り返り会のときに、篠田さんが「相手の窓から見える景色を意識し、その内容をちゃんと相手に伝える。そうして納得してもらったうえで、“私のほうの窓からは、こんな景色が見えるんです” というふうに言うと、グッと理解してもらいやすくなる」といういつものパターンを、篠田さんご自身の振り返りの中で教えていただいたこと。このアプローチ、いつも盗ませていただいています。

ー振り返り会の事前にできる、当日をより楽しむためのポイントがあれば教えてください。

お勧めなのは過去一年分の自分のカレンダーをひっくり返し、一日一日の時間の使い方をエクセルシートに分類し、それを月次の時間配分の推移としてまとめ直すという作業です。

エクセルシート1
エクセルシート2

一年分を処理するのにだいたい10時間ほどかかりますが、これをやっておくと客観的に「どの時期に、何に注力していたか」を検証することができます。この内容と、自分が書き出した一年の年表を比較すると、何が思い込みだったか、実際にはどんなパターンが潜んでいたか、ということを深掘りしやすくなります。

ー当日、ご自分の振り返りを行う場面で、特に気をつけたほうがいいこと、ポイントだと感じた点を教えてください。

最近は、下記の3ポイントを特に意識しています。

  1. そのときの感情・即興感を重視して、その場で自分の頭に思い浮かんできた情景を中心に語る
  2. うまくいったこと、予想通りだったことより、うまくいかなかったこと、心残りなこと、予想外だったことを中心に語る
  3. 状況の客観説明よりも、「自分がその状況で、どんな感情を抱いたか」ということを中心に語る

これらを中心に行うことで、自分の当時の感情変動による行動のパターンが再現されやすく、未来・次にきっとまた自分がどのようにしそうなのか? ということを、聞き手の3名が理解してくれやすくなります。

同時に、これをとっかかりに持っておき、細かい事実内容などは他の人からの追加質問によって聞き出してもらえれば十分情報が引き出されるため、まずは心置きなく「自分の感情変化、失敗体験」をありのままに伝えるのがいいかと思います。

振り返り会をやり始めた最初のころは、どちらかというと自分の場合、客観情報を中心に、そしてうまくいったことを中心に話をする傾向があり、上記に挙げたような内容が最後まで引き出されなかったという経験があるだけに、最近はその真逆をやっているという感覚ですね。

ー他の方の振り返りを聞く側にまわった際に気をつけたことはありますか?

なによりもまず「なんでこの人は、この場面でこういう行動を取ったんだろう? なんで、こういう気持ちになったんだろう?」と、自分からすると内面が解らない部分を中心に質問すると、相手にとっても思いがけない隠れた心境だったり、実はいつも暗黙裡に繰り返されている、いいパターン、わるいパターンが露わになりやすいです。

それと同時にこうした「なんでこの場面で・・・」というのは、聞き手であるこちらと話し手である相手の方との心理的距離をグッと縮めてくれるので、その後の振り返り内容がお互いに1歩、2歩、深いモノになる気がします。

ー自他問わず、記憶に残っているグッときた質問を教えてください。

つい先日の振り返り会で、某事業部長をやっている友人からの「感情レベルで話すと、どうですか?」という投げかけ。彼は元々、いつも自分の部下に対してこの質問を面談などでやっているとのことですが、この質問を振り返り会でされると本当にドキッとします。

なんというかフラットであり、なおかつ深いところに突っ込んでくる質問なので、「参りました」という感じで、素直に当時の感情・感覚を吐き出すことができます。ビジネス色の強いメンバーと振り返り会をやるときは、これほど強力な質問はないんじゃないかと思います。

ー振り返り会が終わったあと、やっておくとよいことがあれば教えてください。

私の場合は下記のステップで記録を残しています。

1. 振り返りをやっているときにそれぞれの人のターンで思いついたこと、残しておきたいことを正方形のポストイットで書いておく

ポストイット

2. その日の振り返り会が終わったらそのまま2時間くらい喫茶店などにこもってそれぞれのメモを見返し、「要は、何が学びになったか?」という自分の観点でのまとめメモを人数分作る(例:○○さんの振り返りから参考になったこと1、2、3・・・)

3. それらをすべてPDFファイルにまとめ、他の参加者に送付する(人に送るというスタンスで読めるようにまとめると、その作業自体が反芻につながる)

PDF

4. これらのファイルを、Evernote(エバーノート)にしまっておき、折に触れて読み返す

ー次に振り返りを実施するとしたら、誰と実施してみたいですか?

自分が42歳ですので、30歳、18歳、54歳あたりの人との4人でぜひやってみたいですね。世代が違うとお互いにまったく自分がいつも意識していない、その世代ならではの視点が得られて、とても刺激にあふれるものになりそうだからです。

実際、数年前にふた回り年齢が上の方と一緒に振り返り会をして、そのときに「結婚生活というのは、マラソンみたいなものだからね」という一言で、ものすごい影響を受けたことがあります。

PROFILE

インクルージョン・ジャパン株式会社 取締役 吉沢康弘
吉沢康弘
インクルージョン・ジャパン株式会社 取締役
P&G、組織開発コンサルティングHumanValue社、および同社でのWebベンチャー創業プロジェクトを経て、ネットライフ企画(ライフネット生命保険の前身)に参画。ライフネット生命保険にてマーケティング・事業開発を担当後、ベンチャーの創業・成長を支援するインクルージョン・ジャパン株式会社を創業し、現在に至る。

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[編集・構成] “未来を変える”プロジェクト 編集部

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