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INTERVIEW
8,000人以上の経営者と社員から見えてきた学びの本質とは――ティネクト代表 安達裕哉
INTERVIEW

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BOOK MARK

毎日2万人以上が訪れ、月間150万PVを超える「はたらく」をテーマにした人気ブログ「Books&Apps」。このブログを運営するのが、ティネクト代表 安達裕哉さんです。

世界4大会計事務所であるDeloitteに12年在籍。そのあいだ1,000社以上の会社を訪問し、8,000人以上の経営者や社員と対話してきた体験を基に生み出されるコンテンツは、「仕事の本質」を突く内容で多くのビジネスパーソンを惹きつけています。

そんな仕事とはたらくを探求する安達さんが挑むのが「家庭教師ビジネス」。その背景には、社会人の成長と学びに対する、安達さんのこだわりがありました――。

ティネクト株式会社 代表取締役

PROFILE

ティネクト代表 安達裕哉
安達裕哉
ティネクト代表
1975年、東京都生まれ。Deloitteにて12年間コンサルティングに従事。マネジメント、IT、人事コンサルタント。また、家庭教師マッチングWebサービス「クラウドティーチャーズ」の運営を行う。

家庭教師マッチングWebサービス「クラウドティーチャーズ」

誰もが、自分の先生を自由に見つけられるサービス

―安達さんが挑戦するサービスについて、教えてください。

「家庭教師になりたい人」と「家庭教師を探している人」を結ぶクラウドティーチャーズというサービスです。具体的には、家庭教師が小論文や英語、日本史など、教えるカリキュラムをサイトに出して、ユーザーは掲載されているカリキュラムを選び、応募するという仕組みです。家庭教師は、大学生。ユーザーは中学生、高校生がメインです。

 

―家庭教師のサービスをはじめた背景は?

いま、教育分野では映像コンテンツを利用して勉強することが主流になっています。ただ、我々の体験からいうと、誰かがやっているものをみて、影響をうけてやってみて、「おもしろい!」「わかった!」という経験の方が、学びは大きいと思うんですそれと、いま困っているところを解決すること。つまづいていたところが分かると、いっきに理解が進むことがあるじゃないですか。こういうことは人が介在する家庭教師ならではだと思っています。

勉強を教えられる人はたくさんいます。だったら、ユーザーが家庭教師を自由に選べたらいい。大学に入りたいのなら、希望大学の学生に教えてもらうのがいいし、大学の様子や学んでいることを聞けば、生徒のモチベーションにだってつながります。結果、原始的だけど、人から直接学べるサービスがあるといいんじゃないかと考え、家庭教師と生徒をマッチングさせるサービスをはじめました。

クラウドティーチャーズ
クラウドティーチャーズ

経営コンサルタントから起業――仕事を探求してみえてきたこと

―経営コンサルタントから起業し、いまに至った経緯を教えてください。

新卒は、Deloitteという会社に入社しました。実は最初、経営に興味がなかったんですが、上司のススメで、ISO9001の導入コンサルタントになりました。このISO9001のコンサルタントは、とても勉強になりました。

ISO9001は、会社としてどういうことを記録すべきか、どういうことをチェックすべきか、40項目ほど設けられていて、いわば会社の仕組みづくりの基になるものです。私の仕事は、営業、購買、人事、品質管理、製造など、すべての部門から話を聞き、会社で行われていることをすべて把握し、ISO9001の要求事項とのギャップを分析することでした。

そして、ISO9001の分析では、経営者に必ずインタビューをします。ですから、年間数百人という経営者と話をうかがう機会に恵まれました。

 

―「この会社はできる」と思うポイントは?

ひとつは、ノウハウが蓄積できている会社。会社は生産性をどう向上させるのかが鍵です。同じ仕事をもっと少ない労働力で実現させることができる会社は強い。あとは社長の才覚。社長の才覚によって、入社してくる人材のレベルが圧倒的に上がり、社員のレベルも決まるからです。

それと、仕組みができている会社ほど、社員が経営方針を語れます。ISO9001には、「経営方針を社員一人ひとりが語れるようになりなさい」というものがあるんです。仕組みができている会社は、社長が「全員わかっているから、社員に聞いて」って言うんです。実際に社員に聞くと本当に話せる。一方で仕組みができていない会社は、覚えてといっても、社員は覚えない。社長によって、社員も大きく変わるんです。

 

―ISOのコンサルタントの後は?

6年ほど、ISOのコンサルタントを担当した後、社内で研修事業を立ち上げました。コンサルティングと教育は切っても切れない関係です。なぜならば、私たちが伝えたことをお客さまに実行していただくために、実行する力を身につけていただくことが重要だからです。それで当時ISO9001でつくった顧客基盤が数千社あったので、そこから研修を販売していく事業を立ち上げました。

この研修事業は、立ち上げから極めて順調にいきました。しかし、事業が急拡大する中で競合が現れ、営業勝負に。受注することを優先させすぎた結果、お客さまのフォローが不十分になり、退会が問題になっていきました。それだけでなく、提供する研修を通じて、社員が成長したのか、とのお客さまの問いに答えることができず、自分自身の中にも疑問符が。

「いつから、こんな仕事の仕方をするようになったのか」

当時を振り返ると、ひとつの会社がすごい勢いで伸び、そして下がる姿をみたのはいい経験でした。そして、たくさんの会社と社員をみて思ったことは、どこの会社にも楽しそうに働いている人がいること。それと、どうしても元気にならないところもあるということでした。なんとか停滞する環境を打開していかないといけないな、と思っていました。社内にいるうちに徐々に独立を考えていき、2013年2月にマネジメントや教育について取り上げるブログ「Books&Apps」を立ち上げ、2013年10月にDeloitteを退職しました。

社会人でも、学生でも、学びの原理原則は変わらない

―仕事と学びを探求してきて、みえてきたことは何ですか?

社内でいちばんの人から学ぶのが、いちばんの成長になる――ということだと思います。実は、起業したときは、人が介在しないといけない、という課題意識はありませんでした。実際に前職の経験を活かして、Web上で仕事のノウハウを提供するサービスを当時は考えていて、それを教育業界に詳しい知人に相談したところ、そんなことで仕事ができるようになるわけがない、と全否定されました。「仕事ができるようになったのは、人から教えてもらったからでしょ」と。

人が教える、ということが教育の中心にならないと本当のレベルは上がらない――クラウドティーチャーズのこだわりもそこにあります。

 

―今後の展望を教えてください。

学生の先には、社会人の仕事があります。仕事のブログをずっと書いていて思うことは、「仕事が、いい人生をつくる」ということです。そして仕事から学んでいくのなら、楽しそうに働いている人から学ぶ方がいまの世の中にマッチしている気がしています。それは、ちゃんとはたらくこと以上に楽しくはたらくことは難易度が高く、楽しくするためには仕事を工夫しなければならないからです。

クラウドティーチャーズとBooks&Appsを通して、多くの学生に新しいことへの受容が生まれ、多様なはたらき方を楽しめる下地をもった方がたくさんでてくるといいですね。

 

――本日は貴重なお話をありがとうございました。Books&Appsは、毎日コンテンツが配信されています。安達さんに共感された方は、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

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[取材・文] 三石原士

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