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INTERVIEW
エグゼクティブ転職のプロが指南! 自己認識力をトップレベルへと高める方法
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エグゼクティブ層(課長職・部長職以上)の転職は、事実、これまでクローズドな人間関係の中で決まるケースが多かった。しかしその状況が、徐々に変わりつつあります。能力と意欲さえあれば、エグゼクティブ層に挑戦するキャリアパスを誰にでも描けるのです。

このような機会の時代に、エグゼクティブに求められる能力、またそれはどのように育むことができるのかーー。これまでエグゼクティブ1000名以上の転職をサポートしてきた、インテリジェンスの右田悠哉ハイキャリア ゼネラルマネジャーに聞きます。

株式会社インテリジェンス キャリアディビジョン 人材紹介事業部、同EMC部兼ハイキャリア ゼネラルマネジャー 右田悠哉

PROFILE

株式会社インテリジェンス キャリアディビジョン 人材紹介事業部、同EMC部兼ハイキャリア ゼネラルマネジャー 右田悠哉
右田悠哉
株式会社インテリジェンス キャリアディビジョン 人材紹介事業部、同EMC部兼ハイキャリア ゼネラルマネジャー
大手証券会社で富裕層、中小企業を顧客とするリテール営業に従事した後、2005年8月インテリジェンスへ入社。キャリアアドバイザーとして製造業の機械系設計技術者の転職サポートに従事。2006年、同部署内に建設系の技術者をサポートするグループを立ち上げる。2008年10月以降、EMC部キャリアアドバイザー・マネジャー職を務めた後、現職

開かれつつあるエグゼクティブの転職

—エグゼクティブたちはどのように転職しているのでしょうか。

昔からこのクラスの人材は、転職を重ねる人が多いのが特徴です。役職では、事業部長などの部長格以上。一部上場企業を見ても、生え抜き以外の社長は多いですよね。

何十年も前の世界だと、引き抜きだとかコネだとか、たまたませまい人間関係の中で知り合ったような場合に転職するケースがほとんどでした。エグゼクティブの転職のためのオープンなマーケットがなかったからです。

時代が変わったのは、2000年代に入ってから。社長公募をした広島の自動車部品会社ユージン、玉塚氏が社長に就任したファーストリテイリング(玉塚氏は現在ローソン会長)、産業再生機構傘下のカネボウなど、エグゼクティブ転職のマーケットがオープン化することを印象づける動きが出てきました。

—社長クラスの人材以外ではどうでしょうか。

年収700万円を境に分けられるのが、「ミドル・エグゼクティブ」層です。部長課長以上のミドルエグゼクティブ以上に絞ってお話ししますと、今、このクラスの転職マーケットは年率130%以上で伸びています。

きっかけとなったのは、エグゼクティブに特化した会員制転職サイトの登場でした。それまで大手企業では、ミドル以上の人材を外から採るのは秘密裏に行われていました。そんなクローズドだったマーケットがどんどん開かれつつあるのです。

—企業がエグゼクティブ人材を積極的に求めるのはどうしてでしょう。

社内の人材だけでは手がまわらない場面が増えているのだと思います。特にリーマンショックや東日本大震災以降、企業が産業構造やビジネスモデルをドラスティックに変えることを迫られ、自社にはその専門家がいないので外から呼ぶとか、社風を変えたいから外から人をもってくるという動きが盛んになりつつあります。

また、ビジネス環境の激しい変化によって、短期間で結果を出せる人が求められていることも背景の一つ。人材の流動化を促したいという国の後押しもありますね。経産省の中小企業庁自身も大手にいる人の活用を考えているように、多くの人にチャンスが訪れている状況です。

理想の人材像は「松井秀喜」型から「大谷翔平」型へ

—企業が望むエグゼクティブの人材に変化は見られるでしょうか。

一言で言えば、「松井秀喜」型から「大谷翔平」型へと変化しています。どういうことかというと、以前は、「私はこれなら負けません」という、何か一つ、圧倒的な能力をもち、突破力のある人が求められていた。松井選手なら、長打力ですね。

それが今は、大谷選手のように、ピッチャーにもバッターにもなれる。ある特定の能力だけ見れば他の人に劣るかもしれないけれど、その「どちらもがプロのレベルでできるのは彼しかいない」、そのような人材が時代の激しい変化を背景に求められているのです。

—どのようなマルチな能力の持ち主が求められますか。

企業のエグゼクティブに求められる能力は、6つの要素で構成されます。「アイデア」「推進力」「判断力」「調整力」「人脈」「複数の専門性」です。調整力は、「右腕力」と言い換えてもいいでしょう。この6つを、レーダーチャートのように捉えてください。

エグゼクティブに求められる6つの能力

みなさんの持ち点はそれぞれいくらでしょうか。「人脈」は広くないが、「アイデア」では負けない企画が得意な方。「アイデア」は弱いが、こうと決まれば持ち前の「推進力」で人や組織を動かすのが得意な方・・・ この考え方を、エグゼクティブの転職に活かします。

もっとも転職が多いのは、大手から中堅へと転職するケースですが、一般的に中堅企業のエグゼクティブには「調整力」が必要です。オーナー社長が多く、その右腕になることが求められるからです。「オーナーと合わないのですぐに辞めます」というのは避けたいところ。

実は大手間でのエグゼクティブの転職はそう多くはありませんが、やはりどの企業でも「推進力」「判断力」「調整力」は求められるでしょう。

あとは、職種によって強弱が異なります。例えば、新規事業の部署だと「アイデア」と「人脈」。営業職だと「推進力」と「人脈」が重要。マーケティング職だと「アイデア」と、のちに事業部長になることを見据えると、PLを見れる「複数の専門性」も求められるでしょう。

中堅企業と大手企業の違い

—複数の専門性で、特に今求められる組み合わせというものはありますか。

例えば、「経営企画」と「経理」。まるで水と油のような関係ですが、だからこそあまり人がおらず、特に外資系では経営陣に助言できるファイナンシャルコントローラーとして重宝されるでしょう。「経営企画」と「IPO」、「経営企画」と「人事」などもそうですね。

ちなみに、縁故や紹介によるコネ入社は要注意です。求められるレベルの要求度が高いばかりか、オーナー社長や古参の幹部、血気盛んな若手との人間関係で悩まされるなどで、早期退職率が高い。もしダメになっても紹介してくれた人の顔をつぶすので辞めにくい。事前に飲み会をしたりして、お互いの本性を確認するなどしか対策はないでしょう。

自己認識力を高める努力を怠らない

—この「レーダーチャート」を転職活動に具体的に活かすにはどうすればよいでしょうか。

キャリアの棚卸しをしてレーダーチャートを描いてみることで、自分に「何ができるのか」を知ること。その上で、今後は「どの能力を伸ばしていきたいか」「何をしたいのか」を明確にすることが重要です。

そして、それが転職先でできるのか確認すること。自分がやりたいと思っていることを本当にできるのか。日本ならではの話ですが、受かるために面接で余計なことを聞かない人が多いです。それでいて、入ってから「話が違う」となってしまう。

キャリアの明確性が強くなくても、仕事はこなせます。だから「自分はこれがしたい」という強い思いがなくても転職はできてしまう。でも、自分は何が得意で、何が苦手で、どう成長して、自己実現したいのかを棚卸したほうがいいと薦めます。

自己認識が弱いと、社外の人と話していても盛り上がらないし、相互に得られるものがないでしょう。自分自身のことをわかっていて、常に内省できるのは、エグゼクティブに必要な能力です。「自信はあるが謙虚」というのがもっとも優れた姿勢だと思います。

—自己認識力を高めるため、どのようなことを心がければ良いですか。

すぐに転職するかは別にして、職務経歴書を書いてみるのがいいのではないでしょうか。これがよくまとまっている人は、自己認識や内省できているケースが多いです。自分の棚卸しがしっかりできているからですね。

異業界の人と実践的な座学を通じてディスカッションの機会を設けたり、外からの目線を強制的に浴びる機会を設けている人も、自己認識に長けています。

何か人に言われたとき「自分はそういう人物ではない」とすぐ反発してしまうような人は、あまり内省力が高くありません。「その視点は自分になかったので、すぐに取り入れます」といったように、客観的な視線を柔軟に受け入れられる人が、これからの組織に求められるのだと思います。

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[取材・文] 神吉弘邦、岡徳之

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