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脳神経科学はビジネスパーソンの新たな武器、イチから学ぶための厳選5冊
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『超集中力』『反応しない練習』『自分を変える睡眠』『エリートの最高の休息法』・・・ こんなタイトルの書籍が、ビジネス書ランキングの上位を占めるようになってきました。皆さんも書店で見かけたことがあるかもしれません。

なぜ、こうした書籍が人気を博しているのか。キーワードは、「脳神経科学」です。これまでは専門的でとっつきにくく、仕事に応用しようとするものなら「あやしい」とすら思われてきた・・・。その見方が、今見直されつつあります。

背景には、脳の仕組み、脳は鍛えられることが分かってきたこと。また何と言っても、あの「Google」が脳神経科学を活かした人材開発で成果をあげ、それに追随する企業が現れたことで「ムーブメント」に昇華されたことが挙げられます。

そこで今回は、脳について学んだことがない人が、脳神経科学への興味を湧かせる「きっかけ」となる書籍を5冊ご紹介します。推薦してくれたのは、編集部が開催した「脳神経科学」に関する議論イベントに参加したビジネスパーソン50名です。

『サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法』 チャディー・メン・タン 著

『サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法』 チャディー・メン・タン 著、一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート 監修、柴田裕之 翻訳(英治出版)
『サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法』 チャディー・メン・タン 著、一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート 監修、柴田裕之 翻訳(英治出版)

冒頭で、「Googleが脳神経科学を活かしている」と言いましたが、皆さんご存知でしたか? Googleの107番目の社員、チャディー・メン・タンが独自の人材開発メソッドを考案し、それが社内で人気を博して他の企業も導入し、ついにそのノウハウが一冊にまとめられたのがこの書籍です。

例えば、「集中力」を高めるトレーニング。呼吸に意識を向けて、集中する。雑念が湧いてきたら、また呼吸に意識を向ける。他にも、自分の理想の状態を書き出す「ジャーナリング」という方法も。こうしたトレーニングで、仕事に必要な自己認識力や共感力を高めているのだそうです。

特に、「モヤモヤと過去を引きずったりして、『今、目の前の仕事』に集中できないときがある」という人ほど、効果大。「マインドフルネス」とも呼ばれるこうしたGoogle流の「脳」へのアプローチを通じて、脳神経科学の世界に触れてみませんか?

瞑想することで感情を客観視する練習ができるというあたり、「脳神経科学」というテーマ、イベントでの講演内容と関係があるように思いました(20代・女性・人材業界)

『進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線』 池谷裕二 著

「脳」について、一度体系立てて学んでみたい方には、「入門書」としてこちらがお勧めです。東京大学大学院准教授で脳研究者の著者が、「意識」や「記憶」のメカニズムなど興味深いものの難しそうな知識を、中高生も分かるようやさしく解説する一冊。例えば・・・

「下等な動物ほど記憶が正確でね、つまり融通が利かない。しかも一回覚えた記憶はなかなか消えない」「人間の脳では記憶はほかの動物に例を見ないほどあいまいでいい加減なんだけど、それこそが人間の臨機応変な適応力の源にもなっているわけだ」

「そのあいまい性を確保するために、脳はなにをしているかというと、ものごとをゆっくり学習するようにしているんだよね。学習の速度がある程度遅いというのが重要なの、特徴を抽出するために」

私たち(の脳)が学習するプロセスを、言い当てられているような気がしませんか?

「脳神経科学」というテーマ、イベントでの講演内容について、少し簡単に書いてあります(30代・男性・IT業界)

『腰痛は<怒り>である』 長谷川淳史 著

脳神経科学について知っても、それを自分に「活かす」となるとあまりイメージが湧かないかもしれません。しかし、実はイベントに参加したビジネスパーソンの中に、「そのおかげで『腰痛』が和らいだ」という方がいたのです。

私が思考の書き換えによって腰痛から復帰するきっかけとなった本(50代・男性・商社)

それが、この本です。

『腰痛は<怒り>である』 長谷川淳史 著(春秋社)
『腰痛は<怒り>である』 長谷川淳史 著(春秋社)

ニューヨーク大学医学部のジョン・サーノ教授が発見した、肩こり・腰痛などの筋骨格系疾患を心理的緊張を解くことによって治療する「TMS理論」を解説した一冊。ちなみに、TMSとは「Tension Myositis Syndrome(緊張性筋炎症候群)」の略称のこと。

ジョン教授によれば、人間の体にはストレスや不快な感情を抑制しようとする「防衛機制」というはたらきがあり、この防衛機制が意識をストレスから他に向けさせるため、腰痛など痛みを作り出すそう。つまり、普段の「心の保ち方」次第で、体調やコンディションが変わってくるのです。

脳神経とパフォーマンスの関係を、ご自身の体で感じるきっかけとしてぜひ。

『脳科学からみる子どもの心の育ち:認知発達のルーツをさぐる』 乾敏郎 著

子育て中のビジネスパーソンで、「『子どもの発育』と結びつけると、脳神経科学が身近に思える」という方がイベントにはたくさんいました。きっといろんなことを学習する子どもを見ていると、脳の発達を手に取るように感じられるからでしょう。

本著は、京都大学名誉教授で、脳科学者の著者が、「見る・動く・話す・考える」などさまざまな認知機能が、胎児から新生児、乳児、幼児の時期を経て、いつ、どのように発達していくのかを、発達障害と言われる子たちとの対比を交えて解説した本です。

子育てを題材に脳が発達するプロセスを知り、自分が何か新しいことを学ぶ際にどのタイミングで、どのような刺激を用意すればよいのか、工夫を加えて見てもよいかもしれません。

マーケティングに関する示唆も得られると思います(30代・男性・行政書士)

という推薦コメントの通り、普段の実務とのつながりも感じられる一冊です。

『エスケープ・ベロシティ〜キャズムを埋める成長戦略』 ジェフリー・ムーア 著

『エスケープ・ベロシティ〜キャズムを埋める成長戦略』 ジェフリー・ムーア 著、栗原潔 翻訳(翔泳社)
『エスケープ・ベロシティ〜キャズムを埋める成長戦略』 ジェフリー・ムーア 著、栗原潔 翻訳(翔泳社)

新しいことを学ぶのも脳ですが、新しいことに抵抗を感じ、それを遠ざけようとするのも、また同じく脳です。そこで最後に、「ムーアの法則」、著書『キャズム』で知られるジェフェリー・ムーア氏の名著はいかがでしょうか。

「グローバル化」がもたらす不連続な変化に対応するための戦略立案手法がテーマの本著。そんな戦略を立案し、さらに実行に移す際には、抵抗勢力に打ち克ち、過去のやり方から脱却するため、脳も恐怖など抵抗を感じているはずです。

この本を戦略本ではなく、脳神経科学本として読み直すことで、「どうすればわれわれは恐怖を克服できるのか」、その示唆を得られるかもしれません。

変わることに対して脳が感じる恐怖が引き起こす変化に対する抵抗。これをぜひ脳神経の観点で考えた(30代・男性・コンサルティング業界)

他にも読み応えのある推薦書籍が・・・

*カッコ内は推薦者のコメントです。

  • 「病は気から」を科学する
  • ヒーローを待っていても世界はかわらない
  • ユーザーイリュージョン―意識という幻想
  • 記憶のしくみ(私が初めて脳神経科学を学んだ本。とても分かりやすい内容です)
  • 共視論(親子関係の発達について解説する本。まさに脳神経科学で説明できると確信しました)
  • 奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき(著者、ジル・ボルト・テイラー氏のTEDの動画も面白かったです)
  • 犬として育てられた少年 子どもの脳とトラウマ(イベントで幼少期の脳の発育が話題に挙がり、この本を思い出しました)
  • データの見えざる手:ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則(神経科学的な解釈も交えながら読み解いてみたい)
  • ありがとうの神様(言葉にも記憶が宿るとすれば、「言葉をコントロールすることで感情をコントロールできるのでは?」と考えさせてくれる本)
  • インコのしつけ教室―応用行動分析学でインコと仲良く暮らす(オペラント条件付けをイベントで紹介されたモデルで読み解けたらとても面白いと思いました)

Googleの人材開発から、腰痛の克服、子育てから戦略立案まで・・・ いろんな切り口から脳神経科学の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか?

【 本記事の読者にはこちらもお薦めです 】
脳神経科学が解き明かす感情と行動と成果の秘訣
脳神経科学をキャリアに活かす実践的なアプローチをご紹介します。
https://mirai.doda.jp/theme/neuroscience/emotion/

[文] 岡徳之

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