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歴史に学ぶがキーワード、人工知能時代のはたらき方を見通すための5冊
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日本の労働人口の49%が人工知能やロボットなどで代替可能に。

昨年(2015年)12月に野村総合研究所が発表したこの試算は、多くのビジネスパーソンに衝撃をもって受け止められました。もしこの試算の通り、既存の仕事の多くが本当に機械に置き換えられてしまうとするならば、私たちは次にどのような役割を果たし、その未来に備えていまからどのような学習をする必要があるのでしょうか。

”未来を変えるプロジェクト” では、「消えゆく仕事、伸びゆく仕事」をテーマに、約50名の読者とともに議論するイベントを開催しました。印象的だったのは、そこに集まった多くの参加者が人工知能時代に起こるであろう「はたらく」の変化をおそれず、むしろ前向きにとらえ、仕事に対する姿勢について真剣に向き合っているということでした。

そんな約50名の参加者に、こうした少し先の未来のはたらき方について知識を深め、その上でいまのはたらき方に変化を起こす助けとなる書籍を推薦してもらいました。本記事ではその中から「5冊」を厳選してご紹介します。

『ワーク・シフト ─ 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>』リンダ・グラットン 著

『ワーク・シフト ─ 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>』リンダ・グラットン 著(プレジデント社)
『ワーク・シフト ─ 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>』リンダ・グラットン 著(プレジデント社)

まずは、テクノロジーによって変化するはたらき方の未来予測に関する王道的一冊から。イベント参加者のうち複数の方が推薦していました。

ロンドンビジネススクール教授である著者が、自分の息子たちにキャリア選択のヒントを与えたいと思ったことがきっかけに出版された書籍。2025年の世界各地のはたらき方に関する予測を、事例を交えながら解説しています。

本著によれば、現代はテクノロジーの発達やグローバル化、人口構成の変化、長寿化などさまざまな要因によって、あらゆる職種のビジネスパーソンがジェネラリストではいられなくなるそうです。そのような世の中では、生活水準を向上させるためだけにはたらく価値観を捨て、自分が勤勉に打ち込める分野に仕事をシフトさせることが鍵と説きます。

過去を知れば、将来は想像できるーー。その助けとなる一冊です(ベンチャー・30代・男性)

『ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる』P. F. ドラッカー 著

『ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる』P. F. ドラッカー 著(ダイヤモンド社)
『ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる』P. F. ドラッカー 著(ダイヤモンド社)

2冊目は「マネジメントの父」と称される経営学者ドラッカーのベストセラー。これから訪れるはたらき方の変化を、業界・市場を絞ったより具体的な事例とともにインプットすることで、より自分の状況に置き換えて考える一助となる一冊です。

若年人口の減少、労働力人口の多様化、製造業の地位の変化をキーワードに、これからの時代をビジネスパーソンとして生き抜く上で必須となる資質、観点について考えさせられる、特に若手のひとたちにお薦めの一冊です。日本についての言及も多く、世界から俯瞰した視点で日本の将来を鋭く考察しています。

印刷革命がひとと社会にどのような変化を及ぼしたかが書かれています。今回の人工知能の議論と似ているところがあると思います(ベンチャー・20代・女性)

『フラット化する世界』トーマス・フリードマン 著

『フラット化する世界』トーマス・フリードマン 著(日本経済新聞社)
『フラット化する世界』トーマス・フリードマン 著(日本経済新聞社)

ジャーナリストである著者が、ITの世界的かつ飛躍的な発達により、インドや中国に代表される新興国と先進国で暮らす人びと、一人ひとりに与えられる機会が均一化していることを説いた一冊です。

ITによって知識やアイデアが容易に共有され、あらゆる場所で競争とイノベーションが起こりうる時代に生き抜く術を、グーグルやウォルマート、デルなどエクセレントカンパニーの成功事例を交えて紹介しています。

人工知能が台頭し、今後仕事の安定性が揺らぐことが騒がれていますが、世界が「フラット化」する過程で私たちはそのような事象をすでに体験しているのかもしれません。類似した過去の問題を掘り起こすことで、人工知能時代を臆することなく捉えることができるでしょう。

あらためて読み直すことでアウトソーシングの歴史を知り、「外国」を「ロボット」に置き換えて考えてみたい(貿易・30代・男性)

『タレントの時代 世界で勝ち続ける企業の人材戦略論』酒井崇男 著

次は、これからも伸びゆく人材の資質に対する一つの解を紹介する一冊です。

組織コンサルタントとして活躍する著者によれば、与えられた仕事をそつなくこなすことができるにとどまるのではなく、質的に異なる新しい何かを生み出すことを志向できる「タレント」でいられることが重要。その思考の具体的な要素を、グーグルやアップル、トヨタなどの組織戦略をも交えながら提案します。

定型か非定型か、知識型か非知識型かーー。今後生き残る仕事、そうでない仕事という観点で書かれています(人材業界・20代・男性)

『創造的脱力 〜かたい社会に変化をつくる、ゆるいコミュニケーション論〜』若新雄純 著

『創造的脱力 〜かたい社会に変化をつくる、ゆるいコミュニケーション論〜』若新雄純 著(光文社新書)
『創造的脱力 〜かたい社会に変化をつくる、ゆるいコミュニケーション論〜』若新雄純 著(光文社新書)

人工知能が浸透すれば、これまで人間、つまり自分がしていた仕事をよりアウトソースできるようになると言われています。いままで自分がしなければいけなかった仕事を可能な限りアウトソースし、生まれた時間で自分にしかできない仕事をして付加価値を高めていくことができるのです。

柔軟にはたらき方をシフトさせるための柔軟な発想を、「ゆるい就職」「NEET株式会社」「鯖江市役所JK課」など、過去に話題になった実験的なプロジェクトや、それらの活動に携わった当事者たちの様子を通じて養うことができるでしょう。それらのプロジェクトでは、多様なスタイルや解放的な文化をつくり出すための脱力的なアプローチがとられていたからです。

目的合理主義から脱し、肩の力を抜くことで、非合理・非連続な時代を生きるひとたちのためのヒントがあります(NPO・30代・男性)

そのほかに紹介されていた書籍

イベントの参加者からは、ほかにも以下のような書籍が紹介されました。

  • ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代
  • 言壺
  • 世界の技術を支配する ベル研究所の興亡
  • 明日を支配するもの ー21世紀のマネジメント革命
  • ポスト資本主義 ーー科学・人間・社会の未来
  • GO WILD 野生の体を取り戻せ! ー科学が教えるトレイルラン、低炭水化物食、マインドフルネス
  • PLUTO

いかがでしたか? 人工知能が浸透する未来を見通す上で、過去、歴史に学ぶことの有効性を示す書籍が多数紹介されたのは非常に興味深かったです。これらを参考に、今後続くテクノロジーの発達とどう共鳴しあえるか考えてみてはいかがでしょうか。

[文] 赤江龍介

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