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キャリアの変革パートナー=メンターの力と見つけ方を知る推薦書籍5冊
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海外ではよく、リーダー人材や将来の経営幹部を育てるためには「メンター」の存在が欠かせないと言われます。しかしメンターという言葉を聞いたことがあっても、実際にメンターを付けたり、もしくは自分が誰かのメンターになったことがあるという人は、そう多くないのでは。

「メンター」と呼ばれる人たちは、自分のキャリアにおいてどのような役割を果たし、またどのようなインパクトをもたらしてくれるのか。そして、誰をメンターとして仰げばよいのでしょうかーー。

『“未来を変える” プロジェクト』では、この「メンター」をテーマに読者と議論するイベントを開催しました。本記事では、約50名の参加者が挙げた推薦書籍のうち、5冊を厳選してご紹介します。

自分にとってのメンターと出会うためのきっかけや、もしチームや部下をおもちの読者なら、誰かのメンターの役割を果たしていく際の参考にされてください。

『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』 アダム・グラント 著

『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』 アダム・グラント 著、楠木建 監訳(三笠書房)
『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』 アダム・グラント 著、楠木建 監訳(三笠書房)

まず、「メンター」とはどのような目的で、何をする人たちのことを指すのかを、この書籍で理解することができるでしょう。ビジネス・スクールの世界トップ校の一つ、ペンシルベニア大学ウォートン校の史上最年少終身教授であるアダム・グラント氏のデビュー作。

人びとを、「ギバー(人に惜しみなく与える人)」「テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)」「マッチャー(損得のバランスを考える人)」に分け、そのうちもっとも成功するのは誰か、それはなぜかを具体例を交えて解説しています。

真の「メンター」は、このなかの「ギバー」に分けられるでしょう。彼らは自らの利益を追求するのではなく、新しいきっかけを発見しやすい弱いつながりこそを大切にします。そして、メンティーへの助言を通じて、「コミュニティー」に貢献し、自らも利するWin-Winの関係を築く人たちのことなのです。

メンター、コーチの本質が描かれている(40代・男性・ベンチャーキャピタル)

『走りながら考える』 為末大 著

『走りながら考える』 為末大 著(ダイヤモンド社)
『走りながら考える』 為末大 著(ダイヤモンド社)

あえてメンターを「もたない」選択をした人の視点から考えてみましょう。

著者は、陸上アスリートとして常にトップレベルの競争社会に身を置いていたオリンピアンの為末大さん。コーチをつけずに世界陸上選手権で二度もメダルを獲得したハードリストである彼が、走りを極める過程で得た64の教訓が紹介されています。

例えば、このような一節。「守りたいのは、人に見せるための『顔』なのか? 負けを認めないこと、ごまかして見ないようにしていることによって、僕たちは何か大きなものを失っている(中略)そんなつまらないプライドを捨てないと、その向こう側の景色は決して見られないのだと思う」

為末さんはこうした数々のことに、コーチに頼ることなく自らを客観視して気づき、殻を破り続けてこられました。逆説的に、メンターとのパートナーシップが自分にもたらす気づきとはどのようなものか、知ることができるでしょう。

陸上選手でありながら、コーチを雇わないことを選択した経緯が書かれている(30代・男性・マンガ/コンテンツ業界)

『愛するということ』 エーリッヒ・フロム 著

『愛するということ』エーリッヒ・フロム 著、鈴木晶 翻訳(紀伊國屋書店)
『愛するということ』エーリッヒ・フロム 著、鈴木晶 翻訳(紀伊國屋書店)

では、どのような人がメンターになれるのでしょうか。言い換えれば、どのような人を自分のメンターに据えるべきでしょうか。ある参加者の方は、お互いの信頼関係が築かれており、相手を「愛する技術」を備えている人だと言います。

本著は、20世紀のドイツの社会心理学者、エーリッヒ・フロムがその「愛する技術」について解説した思想書。愛することは技術で、他の技術と同様に理論が存在し、それを理解して継続的に鍛錬を積めば身に付けられると説きます。

例えば、フロムは愛の基本要素は尊敬と知であると言います。尊敬とは、相手がかけがえのない存在であることを知る能力のこと。そのために相手を知らなければならない。その土台として、相手に依存しない、一人でもいられるための集中力が必要とのこと。

職場に、もしくは身のまわりにそのような人が思い浮かびますか。もしかしたらあなたにとってメンターとなり得る人かもしれません。

メンター、コーチと向き合う上では信頼関係が必要であることを学べる(20代・女性・ベンチャー)

『ゆっくり、いそげ〜カフェからはじめる人を手段化しない経済〜』 影山知明 著

『ゆっくり、いそげ〜カフェからはじめる人を手段化しない経済〜』 影山知明 著(大和書房、1,620円)
『ゆっくり、いそげ〜カフェからはじめる人を手段化しない経済〜』 影山知明 著(大和書房、1,620円)

チームや部下をおもちの読者なら、誰かのメンターにならなければならない場面もあるでしょう。メンターをする側としての成長とはどのようなものか、それを実話の物語で知ることができるのがこの本です。

東大法学部を卒業し、外資系コンサルティング会社に勤務するなど順風満帆なキャリアを歩んできた著者が、脱サラして、JR中央線・乗降客数最下位の西国分寺に全国一のカフェを作ろうとした挑戦の物語です。

著者はお客さまを「消費者」ではなく「受贈者」として捉えています。消費者とは少ないコストで多くのリターンを得ようとする相手。受贈者は贈り物を受け取る人のことで、そのように接することで徐々に相手と血の通った関係を築くことができるのだそうです。

ビジネス界の最前線にいた著者が、資本主義も認めつつ、カフェ店主に転じて新たな価値を追求している点が面白い。なかには、ペイ・フォワードの概念も含まれている(20代・男性・教育業界)

『はじめての構造主義』 橋爪大三郎 著

最後に、部下などメンバーを相手にメンタリングする際に活かせる、モノの見方を教えてくれるのがこの書籍です。

社会学者の著者が書いた、現代思想の礎となる構造主義の入門書。本著では、人びとの考えというものは、時代背景、その人自身の経験などによって形作られた特殊なもので、世界で唯一の真理というものはないものと捉えます。

自分に何かを相談してきた相手の悩みを、文字通り構造的に捉え、相手が気づいていないその本質を突き止め、対話を促すのを助けてくれるでしょう。

メンタリングする側として、話題を整理するのに良いと思います(40代・男性・医療業界)

その他、紹介されていた書籍

イベント参加者からはこのほかにも、以下のような書籍が推薦されました。

  • 歴史
  • 弓と禅
  • アルケミストー夢を旅した少年
  • ユーザーイリュージョンー意識という幻想
  • ソースーあなたの人生の源は、ワクワクすることにある

ぜひ、気になったものからお手に取ってみてください。

【 本記事の読者にはこちらもお薦めです 】
アスリートに学ぶ、ビジネスでメンターを選ぶための5つの観点
自分を支援するメンターを選ぶ方法をご紹介します。
https://mirai.doda.jp/theme/mentor-coach/5-points-to-choose-mentor/

[文] 岡徳之

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