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ジェネレーションギャップを組織の強みに変える―ためになる厳選本「5冊」
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近年、ますます重要視されている「ダイバーシティ(多様性)」。女性の社会進出や外国人労働者の雇用など、さまざまな多様性に関する話題が多い中、日本国内で熟考されるべきものの一つは「ジェネレーションギャップ」ではないでしょうか。

“未来を変えるプロジェクト” は、このジェネレーションギャップをテーマに読者とともに議論するイベントを開催しました。そこに集まった約50名の参加者に、若い世代と経験豊富な先輩世代が相互作用してシナジー効果を生み出すために必要な考え方を学べる書籍を紹介してもらいました。

本記事ではその中から読んでおきたい厳選本「5冊」をご紹介します。

『アイデアのつくり方』 ジェームス・W・ヤング 著

『アイデアのつくり方』 ジェームス・W・ヤング 著、竹内均 解説、今井茂雄 翻訳(CCCメディアハウス)
『アイデアのつくり方』 ジェームス・W・ヤング 著、竹内均 解説、今井茂雄 翻訳(CCCメディアハウス)

はじめに、ジェネレーションギャップをふくむ「多様性」が重要であるというマインドを方向づけてくれる一冊から。

著者は、アメリカ最大の広告代理店、J・ウォルター・トンプソン社の常任最高顧問やアメリカに拠点をおくアド・カウンセル(広告協議会)の設立者で初代会長を歴任した人物。常にアイデアを求められる広告業界の第一線で活躍したジェームス・W・ヤング氏です。初版が刊行された1965年から半世紀が経ったいまでも、数あるアイデア発想術に関する名著と呼ばれています。

本書は、「アイデア」とは既存の要素の新しい組み合わせであり、既存の事柄に関連性を見出す才能がアイデアを生み出すと教えてくれます。そして、アイデアを発想するためには「材料収集」→「材料の消化」→「孵(ふ)化」→「誕生」→「検証と発展」というプロセスを経るのだと。

つまり、アイデアを発想するには既存の要素の「多様性」が欠かせないということ。今回のテーマである「ジェネレーションギャップ」もそうした多様性の一つと言えるでしょう。ジェネレーションギャップを多様性と捉えなおし、それを活かすことが、クリエイティブな仕事をするための一助となるのかもしれません。

アイデアとは既存の要素の組み合わせである。今日からビジネスを生み出しましょう(30代・男性・ベンチャー)

『パラダイムの魔力』ジョエル パーカー 著

『パラダイムの魔力』ジョエル パーカー著、内田和成 序文、仁平和夫 翻訳(日経BP社)
『パラダイムの魔力』ジョエル パーカー著、内田和成 序文、仁平和夫 翻訳(日経BP社)

世界的ベストセラー『7つの習慣』でも取り上げられている「パラダイム」(物の見方や捉え方)について、米ミネソタ科学博物館の未来学研究部長を務めるかたわら、数多くの企業のコンサルタントとして経営者および社員の意識改革に携わったバーカー・ジョエル氏が豊富な事例とともに解説する一冊です。

経験的仮説の上に成り立つパラダイムを活用することには、物事をスムーズに進行できるメリットがある反面、そのパラダイムの環境が変わると逆に足かせになってしまうデメリットもあります。パラダイムは変革される必要があり、そのための「パラダイムシフター」に適任なのは現行のパラダイムについて無知なひと。企業でいえば研修を終えたばかりの新人や異分野から転職してきた経験豊富なひとなのだそうです。

逆に管理職のひとほど業界内の新しい可能性に気づきにくい傾向にあるそう。著者は、企業はコンサルタントを雇うだけでなく、彼らの声に真剣に耳を傾ける重要性を訴えています。現状に満足することなく持続的に変革をもたらしたいと思っている管理職の方に、新しい価値の創出を新しい人材に託す勇気を与えてくれます。

GEがジェネレーションギャップを生かした事例をふんだんに使いつつ、異分子の重要性を語っています(20代・男性・ベンチャー)

『優しい会社』神田昌典 監修、安達元一 原案

『優しい会社』神田昌典 監修、安達元一 原案(アスコム)
『優しい会社』神田昌典 監修、安達元一 原案(アスコム)

米国の副大統領を歴任したアル・ゴア氏が絶賛した「70年サイクル説」を物語化したビジネス小説です。主人公である秋山が軽蔑する上司たちが若かった時代にタイムスリップし、若い頃の上司たちの働きぶりを目の当たりにするという設定。そのストーリーを追う過程で、世代ごとの役割の違いや各世代が経験した時代背景の違いを理解することが重要と説かれています。

本著は、非常に読みやすい内容で構成されています。代表的な世代を「モーレツ世代」「バブル世代」「失われた世代」「戦後世代」に4分割し、それぞれの時代に生まれたひとが仕事で果たすべき役割が描かれています。若手を育てる立場にある上司の方にも、上司との関係構築に悩んでいる若手の方にも読んでいただきたい一冊です。

主人公が上司の生まれ育った時代にタイムスリップ。上司のバックグラウンドを知り、思いやりを持ってつながっていくビジネス小説です(30代・男性・IT業界)

『ALLIANCE アライアンスーー人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用』リード・ホフマン、ベン・カスノーカ、クリス・イェ 著

『ALLIANCE アライアンスーー人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用』リード・ホフマン、ベン・カスノーカ、クリス・イェ 著、倉田幸信 訳、篠田真貴子 監訳(ダイヤモンド社)
『ALLIANCE アライアンスーー人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用』リード・ホフマン、ベン・カスノーカ、クリス・イェ 著、倉田幸信 訳、篠田真貴子 監訳(ダイヤモンド社)※無断コピー禁止

ビジネスSNS「リンクトイン」の創業者で現会長のリード・ホフマン氏、同じくリンクトインで会長秘書を務めた起業家で作家のベン・カスノーカ氏、起業家で作家、そしてメンターでもあるクリス・イェン氏らによる共同著書。

変化が激しい時代に、従来の終身雇用ではその変化に対応できないのは明らか。そんな中、シリコンバレーの多くの優良企業たちの間で実践されているのが「アライアンス」という雇用形態。ひとは企業とではなく仕事と契約し、かつ企業とも信頼で結びつく新たな雇用モデルを提唱しています。

具体的には、企業と社員は話し合いを経て、その社員に適した職務を探ります。そして、社員は期間を決めてその職務に取り組みます。期間が修了したら、お互いに次の職務を探るため再度相談するという仕組みです。仕事がない場合には契約は終了しますが、それでも企業と元社員は「信頼」を軸に関係を継続していきます。

信頼関係に基づくアライアンスにおいては「世代」というものは無意味化してしまうでしょう。世代よりも、企業と個人のそれぞれのできることややりたいこと、そしてお互いの信頼関係が重要になるのです。世代の異なるひとと向き合うためには、縦ではなく横の人間関係を築くことが重要、というオルタナティブな視点や選択肢を与えてくれます。いまの働き方に違和感を持っているひとにお薦めの一冊です。

伝承関係の再構築。これからの雇用の在り方は世代を関係ないものにしていく(30代・男性・人材業界)

『ONE PIECE』尾田栄一郎 著

『ONE PIECE』尾田栄一郎 著(集英社)
『ONE PIECE』尾田栄一郎 著(集英社)

最後に、あの名コミックを推薦して終わろうと思います。理想のチームと構成するメンバーそれぞれの役割を教えてくれます。

大海賊時代を生きる海賊「ルフィ」が海賊王を目指す冒険を綴った漫画。伝説の海賊王ゴール・D・ロジャーが遺した「ひとつなぎの大秘宝」を探し、多くの大海賊が凌ぎを削ります。数多くの偉大な海賊が溢れる中、ルフィは次々と不可能と思われるような先輩世代の海賊に勝ち、海賊王への階段を駆け上っていきます。その原動力は人間力とマネジメント力でしょう。

「おれはカナヅチ(泳げない)だから、誰かに助けてもらわないと生きていけない」と堂々と言い切るルフィ。自分がピンチの際は仲間たちが助けてくれると絶大な信頼を置き、逆の場合は命がけで助けます。

そんな彼は理想の海賊団をきちんとイメージしており、海賊としての航海に必要な副船長、射撃士、航海士、船医など、次々と適任者を巻き込んでいきます。役割分担がはっきりしており、それぞれの特性を磨く環境があることが、クルーにとっても伸び伸びと自分のスキルを活かし、結果的に世界を脅かす存在となっています。

自分の信念があるひとと新しいことを始めたいひとに、多様な人材を活かす意義と方法を導いてくれる一冊です。

「ダイバーシティを活かす」を知るのによい作品だと思います(30代・女性・家庭用品メーカー)

他にも隠れた名著続々

イベント参加者からはこのほかにも、たくさんの参考書籍が推薦されました。

  • 中学生からの哲学「超」入門
  • ビジョナリー・カンパニー時代を超える生存の原則
  • The World of Regions
  • 戦略サファリ:戦略マネジメント・ガイドブック
  • 具体と抽象ー世界が変わって見える知性のしくみ
  • タレントの時代 世界で勝ち続ける企業の人材戦略論
  • ヒヤマケンタロウの妊娠
  • 断絶の時代ー来たるべき知識社会の構造
  • 全体主義の起源
  • 日本の未来を考えよう
  • 共生の作方ー会話としての正義

いかがでしたでしょうか。

「十人十色」という言葉がありますが、それをより強く意識することが重要な時代なのかもしれません。各世代がお互いに納得できない価値観もあるでしょう。ただ、それを尊重し、各世代がいまの時代背景で求められている役割分担を明確化し、それぞれの特性を最大限に引き出し、チームとして個人や企業の成長に取り組むことが、企業や個人の競争力につながるのではないでしょうか。

【 本記事の読者にはこちらもお薦めです 】
若手とベテランのギャップをイノベーションにつなげる3つのアプローチ
職場の年の差をテコにビジネスを加速させる実践的なノウハウをご紹介します。
https://mirai.doda.jp/theme/generation-gap/3-approaches-for-innovation/

[文] 赤江龍介

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