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会社を最高の学習環境に:元ハーバード大客員研究員が明かす”職場革新術”
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なにかを学ぶための場として、職場は学校にも勝るポテンシャルを秘めた場ですーー。こう語るのは、同志社女子大学教授 上田信行さん。ハーバード大学教育大学院とMITメディアラボで、それぞれ客員研究員と客員教授を務めた、教育工学の専門家です。

皆さんは職場環境を「学びの場」として捉えたことがありますか。また場をデザインすることで、ひとの学習効果が劇的に伸びるというふうに考えたことがありますか?この記事では、環境がひとを変えると話す上田さんに、職場での学びの伸びしろと、伸ばすための方法についてお話を伺いました。

ひとは「アウトプット」するときにこそ学ぶ

MITメディアラボの中に、子どもの学習を研究する「ライフロング・キンダーガーテン」というグループがあります。子ども向けのプログラミング言語「スクラッチ」を開発したことで知られています。

このスクラッチの特徴は、自分が作ったプログラムに、だれかがリミックスを加えることで新しいなにかを作り出していくというプロセスを重視して作られたこと。上田さんはこのプロセスに、効果的な学習の本質を見いだしています。

それは、ひとはインプットではなく、アウトプットをするときにこそなにかを学ぶということ。頭で自分のアイデアをイマジン(想像)し、プログラム(構築)し、シェア(共有)する。それをティンカリング(いじくりまわす)することが大切だといいます。

イマジネーションの想像は一人でもできますが、クリエイティビティーの創造を行うためには、一人のアイデアにほかの誰かが触発されて、発想したり、協働したりする必要があります。創造的な学習というのは、社会的な行動なのです。

企業は「メンタルジム」にならないといけない

なにかをより深く学習するためには、メタ的な発想が必要だと上田さんは言います。

例えば、パソコンの販売戦略について出たアイデアを抽象化すると、もしかしたらアイスクリームの販売にも活かせるかもしれません。このように、自分が考えていることに意味付けを行い、自分のセオリーをつくってしまえば、応用の効く学習になるからです。

よく若手社員が「経営者の視点で物事を考えろ」と言われますが、これもメタ的な発想をする方法の一つ。ただ、やはり一人では気づけないことが多いため、学習する際には、上司や社長、社外など、自分とは立ち位置とモノの見方が異なるひとと話すのもよいそうです。

つまり、ひとのポテンシャルは、ほかの誰かと恊働することで鍛えることができるのです。そのために、「職場はメンタルジムにならないといけない」と上田さんは言います。社員に新しいものに触れさせ、今の仕事や新しい仕事へのモチベーションを引き出すのです。

オフィスにテクノロジーで魔法をかけよう

学校での学習環境と同じく、ひとが学びを深めていく4つの「S」があると、上田さんは言います。

職場をすぐれた学習環境にする4つの「S」

また、こうした環境は、既存の職場環境を大きく変えなくても少しの工夫で実現できるのだといいます。すぐにでも取り組めるのは、オフィスにある道具を変えることです。

例えば、ワークショップでは、大きなデスクに大きな模造紙を敷き、発色の良いペンを使ってみる。スターバックスやブルーボトルのような美味しいコーヒーを用意する。ジャズのBGMをかけてみるなど。特に祝祭空間の演出からは学べることが多いのだとか。

社員間のコミュニケーションにおいては、仕事の成果や個人の能力だけに目を向けるのではなく、そのプロセスやプロジェクトのタスクに焦点をあて、改善点を常に前向きに話し合う環境が大切です。そのためには、チャレンジしても許される、失敗してもいいというカルチャーを醸成することが大切とのこと。そうすることで、ビジネスパーソンの学習へのモチベーションと学習効果は飛躍的に高まっていくのです。

弊誌主催のワークショップでも大きなデスクと模造紙を使用し、活発な議論を促しています。
弊誌主催のワークショップでも大きなデスクと模造紙を使用し、活発な議論を促しています。

【 本記事の読者にはこちらもお薦めです 】
変化の時代の必須スキル 〜「5分で分かる学習好きの作り方」
変化の激しい時代に「学習」の目的やプロセスはどのように設計すればよいのでしょうか。
https://mirai.doda.jp/theme/learning/how-to-like-learning/

[取材・文] 岡徳之

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