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世界の人工知能開発をリードするイノベーターたちが見ている未来とは?
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10〜20年後に、日本の労働人口の約49%が人工知能やロボットなどで代替可能。

人工知能の産業活用が加速していることをすでにご存知の方々も、この予測結果ばかりは衝撃をともなって受け止められたのではないでしょうか。

これは、国内601種類の職業について人工知能やロボットなどで代替される確率を野村総合研究所と英オックスフォード大学が共同で試算し、2015年年末に発表したもの。

『”未来を変える” プロジェクト』では以前、予測に携わった野村総合研究所の寺田知太さんを取材しましたリンク。やはり、機械による人間の代替は避けられないようです。

機械による人間の代替は、自然現象ではありません。そこには当然、「仕掛けている人たち」がいるのです。

”彼ら” は何を考え、人工知能の開発を推し進めているのでしょうか。今回は、世界を代表するイノベーターである彼らと、それを取り囲むリーダーたちの声をご紹介します。

マーク・ザッカーバーグ(フェイスブック創業者)

My personal challenge for 2016 is to build a simple AI to run my home and help me with my work.(...)Every challenge has a theme, and this year's theme is invention.(...)But it's a different kind of rewarding to build things yourself,(...)
2016年の私のチャレンジは、家で使用し、仕事を手伝ってくれるシンプルな人工知能を作ることです。どのチャレンジにもテーマがありますが、今年のテーマは発明です。自分自身でものづくりをすることにはまた違ったやり甲斐を感じます。

マーク・ザッカーバーグ氏は年初、自身のFacebookのタイムラインにこう投稿しました。2016年は、人工知能の進化が一気に加速する年になる。見た人はそう確信したでしょう。
グーグルを傘下にもつアルファベットの会長も、人工知能のさらなる発達に期待している一人です。

エリック・シュミット(アルファベット会長)

Artificial intelligence will let scientists solve some of the world’s "hard problems," like population growth, climate change, human development, and education. Rapid development in the field of AI means the technology can help scientists understand the links between cause and effect by sifting through vast quantities of information.(...)The field of AI feels like the early days of the PC and mobile phone industries.(...)There is a small set of people that understand collectively that when we put all this stuff together we can build platforms that can change the world.
人工知能は、科学者に世界中で起こっている難題、例えば、人口増加や気候変動、人類の発展、教育の課題などを解決させるでしょう。人工知能分野の急速な発達は、科学者たちが莫大な量の情報から必要な情報を取り出し、因果関係を理解することを助けるからです。この分野の今の状況は、黎明期のパソコン、モバイル分野のそれと似ています。一部の人びとが、さまざまな情報やモノをまとめ、世界を変えるような一つのプラットフォームを作ってしまうようになるでしょう。

現に同社は、グーグルの自動走行車などのプロジェクトを通じて、人工知能の発達と実用化に貢献しています。しかしこの流れに、あのイノベーターが異を唱えています。

イーロン・マスク(テスラモーターズ創業者)

I just think we should cautious about the advent of AI and a lot of the people that I know that are developing AI are too convinced that the only outcome is good.(...)We need to consider potentially less good outcomes, and to be careful and really to monitor what's happening and make sure the public is aware of what's happening.
私たち人間は、人工知能の出現に注意を払うべきです。私が知る多くの人は人工知能開発の結果は良いものだと過信しすぎている。もしかすると良い結果だけではないことを考えておかなければならないのです。また、何が起きているかを注意深く監視しておく必要があります。そして、一般市民が今起こっていることに気がついているか確かめる必要もあるでしょう。

電気自動車、太陽光発電システム、火星移住のための民間ロケット・・・ 人類を進化させるために、とてつもなくスケールの大きなことに挑み続けるイーロン・マスク氏がこう警鐘を鳴らすのですから、私たちも人工知能開発の行方についてより慎重に注視する必要があるのかもしれません。これは、昨年パリで開催された「COP21」での発言です。

同氏に賛同する大物もいます。それが・・・

ビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)

I am in the camp that is concerned about super intelligence. First the machines will do a lot of jobs for us and not be super intelligent. That should be positive if we manage it well. A few decades after that though the intelligence is strong enough to be a concern. I agree with Elon Musk and some others on this and don’t understand why some people are not concerned.
私もスーパーインテリジェンス(人工知能)について危惧している一人です。機械はさまざまな仕事を私たちに代わってしてくれるでしょうが、それはスーパーインテリジェンスな存在ではありません。もしも私たちがきちんと管理できるのであれば、きっとポジティブなことと言えるでしょう。しかし、数十年後には懸念するに値するくらい強力なものになっているはずです。私は、イーロン・マスク氏と、その他の同意見の人たちに賛同します。一部の人はなぜ危惧していないのか、理解できません。

人工知能の発達に向き合うとき、これまでにも増して冷静さが求められるのかもしれません。

私たちのはたらき方はどのように変わっていくのでしょうか。グーグルの創業者である二人は、次のような見方をしています。

ラリー・ペイジ(グーグル創業者)

The idea that everyone should slavishly work so they do something inefficiently so they keep their job – that just doesn’t make any sense to me. That can’t be the right answer.(...)You’re going to have some very amazing capabilities in the economy. When we have computers that can do more and more jobs, it’s going to change how we think about work. There’s no way around that. You can’t wish it away.
みんなが奴隷のようにはたらき、何か非効率な作業をするからこそ、自分たちの雇用を守ることができるという考え方が、私には理解できません。いや、きっとこれが正しい答えではないでしょう。あなたは、市場においてとても素晴らしい能力を身につけるようになるでしょう。自分たちよりも仕事やより多くのことができるコンピュータを持ったとき、はたらくとはどういうことなのか。私たちの考えは変わるでしょう。そしてそれは避けられないのです。

もう一人の創業者は、はたらくことの意味の変化を次のように予測します。

セルゲイ・ブリン(グーグル創業者)

I will quibble a little bit. I don’t think that in the near term, the need for labor is going away. It gets shifted from one place to another, but people always want more stuff or more entertainment or more creativity or more something.
これは少し屁理屈かもしれません。近い将来、はたらくことの必要性がなくなるとは思いません。どこかある場所から、また別のどこかにシフトするだけのことです。人びとは常にそうですが、今後さらに、モノやエンターテインメント、クリエイティビティーなどを欲しがるようになるのでしょう。

パソコン時代を制したあのイノベーターも、人工知能によって人間の仕事はさらに高度化すると考える一人です。

マイケル・デル(デル創業者)

Mr Dell does not believe, as some do, that the rapid growth in computational power, together with the rise of machine learning and artificial intelligence, will put people's jobs at risk. He said that ideally, companies will combine the creativity and intuition of humans with the analytical and computational power of machines to drive industries forward. (...)He envisions powerful computers working alongside humans to analyse and interpret patient data, and suggest possible diagnoses and cures.
デル氏もまた、機械学習や人工知能技術の発達とともにある、急速なコンピュータ市場の成長が、人びとから仕事を奪うとは考えていません。企業が機械の分析力と計算能力を活用して、クリエイティビティーと人間の直感力とを結合し、各産業を後押しすることが理想的だと言います。優秀なコンピュータが人間とともにはたらき、例えば医療の現場では、患者のデータ分析や翻訳をし、可能性のある病名の診断やそれに対する治療を提案することを思い描いています。

アジア勢も取り上げたいと思います。中国の検索大手の創業者は、人工知能が世界に与えるインパクトをこう表現します。

ロビン・リー(バイドゥ創業者)

What used to be impossible will become possible.(...)AI will replace most of people’s simple intelligent work ... AI will have a greater impact than the industrial revolution on humanity.(...)It has laser radar as its eyes and a computer as its brain. It is more of an intelligent machine than a car.
人工知能によって、これまで不可能だと思われていたことが可能になります。人工知能は人びとの仕事の大半を代わりに行うようになる。その技術は人類にとって、産業革命よりも大きなインパクトをもたらすでしょう。自動走行車には目としてのレーダーが、脳としてのコンピュータが搭載されています。クルマよりも賢いマシンなのです。

最後に、世界で戦う日本を代表するIT業界のイノベーターと言えばこの方。

孫正義(ソフトバンク創業者)

過去に登壇したイベントでは、次のように語っていました。

われわれをはるかに超える知能をもつ彼ら(人工知能)は、無駄な馬鹿げた、この地球を破滅にもっていくようなことを自ら制御するだろうと。つまり、この知的ロボットと共存できるというふうに私は信じたい。今までは言葉が違うとコミュニケーションがしにくいことがありましたが、言葉のバリアなんてものは無くなるでしょう。人々は未来を予測することも、今よりははるかにできるようになる。知的コンピューターを道具として使い、また彼らもわれわれ人類と共存しながら一緒によりよい社会を作っていくんだろうと思います。事故のないクルマ社会というのもできるでしょうし、人びとは30年後には無理ですけど、300年後には平均寿命は200歳くらいになっていると。(中略)しかも若々しく生きることができる時代が来ていると、私は思います。つまり、この情報革命というのは、人類の未来にとって「破滅」ではなく、「進化」であり、「調和」である。シンギュラリティ(技術的特異点)は悲しいことではなくて、前向きにとらえて、新しいチャンス。人類がこれまで解決することのできなかったウイルスをやっつける方法だとか、大きな災害からわれわれを守ってくれる知恵と力を提供してくれる。つまり、情報革命は人びとをより幸せにしてくれると、私は信じています。

冷静さは保ちながらも、人工知能はこれからも発達していくでしょう。そして、私たちの仕事、さらには、「はたらく」ことの意味自体も変えていくようです。

彼らの言葉からキーワードを抽出するとすれば、「人工知能との協業」でしょうか。そんな近未来に向けて、私たちが今からできる「備え」はなにか。『”未来を変える” プロジェクト』では、この分野の第一人者たちのインタビュー記事などを通じて、その「ヒント」をお届けしていきたいと思います。

【 本記事の読者にはこちらもお薦めです 】
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https://mirai.doda.jp/theme/ai-robot/calling/

[文] 岡徳之

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