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スマートニュース藤村厚夫氏が語る、時代のリスクに立ち向かうための力とは
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ビジネスマンであれば、目の前の仕事に一所懸命取り組んでいるうちに「思いがけない周囲のサポートを得られた」「顧客から感謝された」「自分が少しでも役に立てた」と思えた経験があるでしょう。

そのような瞬間は、なぜ得られたのでしょうか。それは自分の仕事を追求する中で、自身の存在や仕事の結果が、社会に認められてきたためです。いいかえれば、自分の仕事の社会的意義が自分にも周囲にもはっきり見えてきたからです。

これは個人の仕事だけでなく、企業の事業に置き換えても同じです。

会社がサステインするために利益を生んで次の取り組みを行えるようにしなければいけないのは当然ですが、それ以上にまだ影響力が大きくないいまの段階から社会性を身に付けていきたい。社会性とは単に社会規範に則っているということではなく、本当に意義があるものを社会に提供する存在である、ということです。なぜいまから社会性が必要かといえば、スマートニュースの影響力が大きくなると信じているからです(想像しえない大きな変化に、スマートニュースなら乗れるかもしれない | プレジデントオンライン より引用)

そう過去のインタビューでも語ったのが、スマートニュース株式会社の執行役員でシニア・ヴァイス・プレジデントの藤村厚夫さん。ここでいう「社会性」とはどういう意味なのか、そしてご自身が経てきた仕事や事業における意義についてお話を伺いました。

スマートニュース株式会社 執行役員/シニア・ヴァイス・プレジデント 藤村厚夫

PROFILE

スマートニュース株式会社 執行役員/シニア・ヴァイス・プレジデント 藤村厚夫
藤村厚夫
スマートニュース株式会社 執行役員/シニア・ヴァイス・プレジデント
株式会社アスキー(現株式会社KADOKAWA アスキー・メディアワークス)で月刊誌編集長、ロータス株式会社(現日本アイ・ビー・エム株式会社)でマーケティング責任者として活躍。2000年に株式会社アットマーク・アイティを創業。合併を経て、アイティメディア株式会社の代表取締役会長に就任し、同社をマザーズ上場に導く。2013年よりスマートニュース株式会社 執行役員/シニア・ヴァイス・プレジデントとして、ニュースアプリ「SmartNews」のメディア事業開発を担当。

リーマン・ショックが個人としての事業開発スタイルの転換点に

藤村厚夫さんが執行役員を務めるスマートニュースの創業は2012年。同年12月、ニュースアプリ「SmartNews」を日本国内でリリースし2015年8月現在、世界150カ国で展開しています。

今この瞬間話題になっているニュースを配信してくれるのが特徴。世界中で1300万ダウンロードを超え、月間アクティブユーザー数は約500万人と、その数は国内のニュースアプリの中でも最大級です。

その成長に貢献したのが、藤村さんです。

藤村さんはこれまで紙媒体とWebメディア業界の先頭を走り続けてきました。技術系出版社で紙媒体の編集長、外資IT企業でのマーケティング責任者などを経て、2000年にITエンジニア向けの情報サイトを運営する株式会社アットマーク・アイティを創業し、ソフトバンク・アイティメディア株式会社との合併を経て、新しく誕生した「アイティメディア株式会社」の代表取締役会長に就任。2007年に同社をマザーズ上場に導く実績を収めました

しかしその翌年、リーマン・ショックのあおりを受けて事業は低迷期に。この出来事で、Webという新たなプラットフォームにおいて自らが築いてきたビジネスモデルは、従来の紙媒体が担ってきた20世紀のメディア事業構造を脱するような、21世紀型の新たな価値観を提示するには至っていないということを痛感したそうです。

藤村さんがSmartNewsで体現する社会性

仕事や事業における「社会性」とは何か。

一企業としては、収益を上げ、税金を納め、その税金で国が潤い、社会福祉やインフラ整備などにその資金が還流していくことがひとつの社会性の表れなんでしょうね。それも尊重しますが、仕事や事業を通じて社会の課題を解決し、社会をより良くする土台となる存在になることも、重要な社会性だと思っています

藤村さんはSmartNewsを通じてどのような社会の課題に取り組んでいるのでしょうか。

まず、非常に大きな観点からとらえると「メディア基盤の変化」という課題があると言います。

「『多くの人に情報を届ける』という観点でも、メディア基盤の構造は大きく変化しています。かつてマスに向けて情報を発信するには、テレビ局や新聞社のように多数の人材や設備を有するメディアでなければ不可能でした。ところが現在は、1人のブロガーでもマスに影響力を与える力を持っています。そんなブロガーや新しいメディアが続々と立ち上がっている現在、改めて『メディア基盤の民主化』が起こっていると感じています」と語ります。

こうした中、問われているのは「大量の情報の中から、高品質で価値があるという情報をどのように見つけるか」ということ。『メディア基盤の民主化』により発信される情報量は激増しているが、かつて情報の品質や価値の評価基準は、その情報が掲載されたメディアのブランド力に多く依存していました。しかし今日では「大量人材・高設備の大メディアだから、良い情報だ」とは言えなくなっています。情報の品質や価値を誰が評価・担保し、どう届けるかが、これからのメディアにおける大きな課題なのです。

藤村さんは「SmartNewsが持つべき社会性は、まさにこの情報の評価/提供に重なり、メディア基盤の民主化時代にあって、民主主義のプラットフォームたりえること」と説明します。人間の主観に寄らず「多くの人に影響を与えている」記事を選択・評価する高度なアルゴリズムが良質な記事と読者が出会うための手助けをする。さらに「その良質な情報を作ったコンテンツホルダーを支援し、情報の再創出と収益化を後押しするメディア基盤となることで、社会により良い情報が生成される土台になるのです」と、藤村さんは続けます。そのためスマートニュースでは、優れたエンジニアを国内外で常に募集し、より高い精度を発揮するアルゴリズムの開発に注力しているそうです。

社会性が事業やキャリアの今後の鍵に

藤村さんは、紙からWebと変遷していくメディア業界をけん引し、メディア事業の持つべき「社会性」を追求してきました。それは初めから持っていたビジョンではなく、時代の変化の中で「どのような社会的意義を提供できるか」を考え続け、見出したものです。

そんな藤村さんはいま、SmartNewsというサービスを通じて、Webや新聞、テレビ、ラジオ、雑誌、個人ブログなどさまざまなメディアの運営者と関係を広げ、それらの企業が作る良質なコンテンツを必要な人に届けると同時に、そうした優良コンテンツによるメディア運営者の収益化を支援しています。

このように藤村さん、そしてスマートニュースは、21世紀型の新しいビジネスモデルで収益を上げるだけでなく、ユーザーにとっても、媒体社にとってもメリットのある存在として、社会における情報のインフラになろうとしています。

そしてその役割に注目するのは、デジタル、プリント問わず、長年メディア業界で活躍してきた藤村さんだからこそ。スマートニュースという企業としてだけでなく、これまでのキャリアで培ってきた社会性についての思いをエネルギーに、前進しています。

事業やキャリアの社会性が企業やビジネスパーソンが世の中に必要とされることで、持続的に成長を続けることを助けてくれるのかもしれません。

社会性を高められれば、共感してくれるひとからの支援を受けることができ、変化の激しい時代のリスクに立ち向かうための力となるでしょう。

「将来、新たな価値追求のために、初めての分野や未知の領域に踏み出すことはありますか」と尋ねると、藤村さんは「そのようにあり続けたいですね」と笑顔で答えました。

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[取材・文] 赤江龍介

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