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強みとニーズの「掛け合わせ」 陳腐化しないキャリアを築く思考法
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これからの「はたらく」を考える上で、リスクをともなう考え方を1つ挙げるなら、それは「1つの会社にとどまり、1つの専門スキルを磨く」ということかもしれません。

市場や企業の動向を予測することはますます難しくなり、それにともない、ビジネスパーソンが1社にとどまり出世を目指すという直線的なキャリアモデルが、一部をのぞいて機能しづらくなってきているからです。

「掛け合わせ」による転職の成功事例

では、どうすべきかーー。この記事では、特に専門スキルをこれまでに磨き、今後のキャリア設計について思案しているミドルキャリアのひとに、自分の強みと市場のニーズの「掛け合わせ」という考え方をご紹介します。

弊誌を運営するDODAで、企業のエグゼクティブ層たちのキャリア形成を支援してきたキャリアコンサルタントによれば、このような転職のケースがありました。

大手家電メーカーでテレビの設計に携わっていた40代のエンジニアが、動画を配信するネットサービスを提供する企業に転職。エンジニアのひとのスキルと、パソコンやスマートフォンだけでなくテレビでもサービスを展開したいという企業側のニーズがマッチしたのです。

この転職を支援したコンサルタントの中野聡いわく、エンジニアのひとの発想がよかったとのこと。年齢は40代で、一般的に大手メーカーを離れるという選択は躊躇してしまいそうですが、テクノロジーに明るく、また映像を視聴するスタイルの変化が市場のニーズを生み出すことを敏感に感じとっていたのです。

同じく中野が支援した中では、商社やメーカーでビジネスのバリューチェーンの設計に携わっていた人材が、ネット企業に転職したケース。コンシューマ向けの製品開発に携わっていた人材が、エンタープライズ向けの製品を開発する企業に転職したケースなどもありました。

また、最近は大手企業も参入している野菜工場ビジネスを手がけるベンチャー企業に、メーカー勤務時代に長年培った工場での生産管理のスキルを買われて採用されたというひとも。

このような転職が実現しているということはつまり、企業側にも、異業種ではたらくひとが持つ強みを自社が属する市場のニーズに掛けあわせることで事業を拡大させたいというニーズがあるとも言えます。

自分の強みと市場のニーズに気づくための思考法

先述の事例のように、キャリアにいい意味での振れ幅を与え、キャリアパスを発展させる掛け合わせを見つけるためには、まずは自分の強みと市場のニーズを「客観視」することが必要です。

この客観視は、会社の中にとどまっていてはなかなか難しい。言わずもがな会社で培った強みがあらゆる市場でどのように活かされるかを評価するのは閉じた環境では難しく、しかしそこで思いとどまっているひとは少なくありません。

そのようなひとの多くには「自分を他人と相対比較する機会が少ない」という共通点があげられますが、オススメは転職「活動」をしてみること。たとえば、社会人大学や異業種交流会に参加してみることも、この転職活動にふくまれます。

単なる社外交流ではなく、キャリアのコラボレーションの観点を持って、自分とはバックグラウンドや年代、所属する企業の規模が異なるひとと情報交換や価値観をぶつけ合うことで、自分の強みを必要としている意外な市場のニーズに気がつくこともあるでしょう。

自分の強みと市場ニーズを掛け合わせる思考法

誤解されやすいのですが、転職活動は実際に「転職」することとは異なります。転職は意思決定をして企業を移ること。転職「活動」は自分を相対的に見つめるプロセスのことです。その結果、今の会社に残ると決断しても、その後の仕事への臨み方は良い方に変わるでしょう。

前出の中野は、このように自分の強みを客観視し、市場のニーズと掛け合わせる考え方は、転職を考えていないときにこそ持っておくべきと言います。自分でも予期しないタイミングに、キャリアの転機がめぐってくることもあるからです。

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授として第一線でキャリアに関する研究を行うキャリア・人事のプロフェッショナルである高橋俊介氏も、自分のキャリアに振り幅を与え、複数の強みを培うことを過去のインタビュー記事などですすめています。

そうすれば、何歳になっても、陳腐化しないどころか、むしろますます市場価値が高まるキャリアを築くことができるでしょう。

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[取材・文] 岡徳之

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