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日本人との相性は? 国籍別ビジネスコミュニケーションの傾向と対策
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【海外就業の第一歩】アジア8エリアの就業や生活情報、キャリアパスをご紹介

企業の海外進出や外国人採用の促進を背景に、私たちビジネスパーソンが外国人と同僚として、もしくはパートナーとして働く機会は、今後ますます増えていくものと思われます。

しかし、これまで一緒に働いたことのない国籍の人と、上司と部下、クライアントと業務委託先という立場で働くことになった場合、戸惑ってしまう方がほとんどではないでしょうか。

そこで今回は、組織人類学が専門のオランダ人学者ヘルート・ホフステード氏らがIBMで行った研究結果に基づき、国籍別のビジネスコミュニケーションの傾向とティップスをご紹介します。

権力格差と集団・個人主義に違い

ホフステード氏らは、世界76ヶ国の人々を対象に国別の文化的価値観の違いを調査・分析し、それを世界で初めて数値化しました。

調査した項目は「権力格差の大きさ」「個人主義ー集団主義」「男性らしさ―女性らしさ」「不確実性回避の強さ」など。これによって、それぞれの国における、文化の差異やビジネスの価値観の違いが明らかになります。

これらの項目の中から、今回は日本とその他の国との違いが色濃く見られる、「権力格差の大きさ」「個人主義ー集団主義」に注目します。

例えばホフステード氏らは「権力格差が大きく」「集団主義的」な社会として、マレーシア、インドネシア、シンガポール、グアテマラ、エクアドルなどの国を挙げています。

権力格差の観点では、これらの国では、人々の間の不平等は予期されているそう。ビジネスのシーンに当てはめるならば、職場の部下は上司の指示を期待し、受け入れやすい。また、管理職の特権や地位を表すシンボルも、一般的に好まれる傾向があると同氏は分析します。

また、集団主義的な性格から、彼らは「集団に忠誠を尽くす代わりに保護され続ける」と考えるため「私たちは」という視点で物事を考えるのだそう。

こうした社会では、職務よりも人間関係が優先されます。雇用主と社員の関係は家族関係と同じく、道徳的な観点から評価されるという特徴があります。

ここに含まれるインドネシアなど東南アジアの国々に拠点を持つ、日系企業を取材したことがあります。この企業のある担当者は、現地採用の社員をマネジメントする秘訣は「メンバーと家族的に接すること」だと話します。

日本と比べて集団主義の傾向が強い国では、仕事よりも人間関係や家族を圧倒的に優先します。そのためこの担当者は、社内の飲み会やパーティーなどを活用して、アットホームな関係づくりに努めたそう。会社と個人の絆を家族的に深めることで、社員のモチベーションを高め、チームワークを築いているそうです。

こうした国では、上司が部下を誘っての“飲ミュニケーション”や“休日ゴルフ”が、ビジネスを円滑に進める上で有効かもしれません。

日本と相性が良いのはどの国?
参考文献:『多文化世界-違いを学び未来への道を探る』ヘルート・ホフステード、ヘルト・ヤン・ホフステード、マイケル・ミンコフ著

「郷に従う」「ぶれないポリシー」の両立が肝心

一方、飲ミュニケーションのような、家族的な交流が理解しがたいと感じられてしまうのは、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアなど欧米系の国出身の人々です。

ホフステード氏らの研究によると、これらの社会では「個人主義的」な特徴があり、人間関係よりも職務を優先するのだそう。雇用主と社員の関係は、あくまでも相互の利益に基づいて結ばれた契約関係で、集団意識は薄くプライバシーが重視されています。

筆者の知人で、英会話スクールに勤めるあるカナダ出身の講師もこう話していました。「カナダでは歓送迎会などの特別な機会でない限り、上司と飲み会やゴルフに行くことはあり得ない。仕事は仕事と割り切っているので、基本的には定時で直帰します。毎晩、残業や飲み会で帰宅が遅くなったら、それこそ離婚の原因になってしまう」と。

こうした国では、飲ミュニケーションなど、いわゆる日本の旧来的なコミュニケーションは控えたほうがよさそうです。

今回紹介したのはあくまでも傾向であり、もちろんすべてのひとに当てはまるものではありません。欧米出身でも飲み会やゴルフが好きな人、東南アジアでもビジネスとプライベートを区別したい人もいるでしょう。

一概に、国で個人の性格を判断することはできませんが、異文化に対する知識と理解は、これからのグローバル時代には欠かせません。また一方で、どんな状況でもぶらさない自分の軸も必要でしょう。

「郷に入れば、郷に従うこと」と「ぶれないポリシー」のバランス感覚が大切なのかもしれません。

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[文] 早川すみれ

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