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厳選! 5分で理解する注目の学習キーワード24選
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“未来を変えるプロジェクト”では、記事の制作段階でさまざまな方と議論し、フィードバックをいただきながら、コンテンツを制作しています。その中で、「学習/学び方」について、“未来を変える”プロジェクト賛同者たちが注目した24のキーワードを抽出。一つひとつ、概要をまとめてみました。

「学習/学び方」に関心が高いビジネスパーソンの注目キーワードから、学習の重要な要素が隠されているかもしれません。(キーワードの掲載順は、順不同です)

1:レジリエンス

ダホス会議などで注目されているキーワード。国家や組織が、不測の事態や危機に直面したとき、その衝撃を受け止め、吸収し、そしてそこから更に成長を遂げるといった力を指す(参考記事:)。 また、個人の資質としても使われるキーワードであり、「レジリエンスの高い人物」とは、環境の変化、逆境といったものに直面したとき、それを受け止め、さらに成長につなげることができることを指す。
>>(注目記事)「レジリエンス」〜ビジネスパーソンが押さえておくべきキーワード〜

2:21世紀の資本

フランス人経済学者のトマ・ピケティ氏の著作で、米国・日本などで世界的なベストセラーとなっている書籍。この書籍の主張の1つである「1%の資本家が、多くの資産と収入を得ており、残り99%が不平等にさらされつつある」という点は、数年前のウォール・ストリートで発生した「99%デモ」の引き金ともなった。経済的低成長の時代を迎える21世紀では、資本家が多くの収入を獲得し、その不平等は学習環境の差などにも波及し、世界的な格差を拡大するとされている。

3:学力低下

世界各国の小学生・中学生の学力を比較した調査では、年々日本のランキングが下落しており、他の先進国での教育や、台頭する中国・インドなどの追い上げなど、日本の初等教育・中等教育への危機感が高まっている。これは、平均的な水準の下落という観点で語られる場合もあれば、トップ層同士の比較において、世界のエリートに日本のトップ層が引き離されているという場合もある。

4:教育経済学

国内では、慶応義塾大学の中室准教授などが中心となっている分野。学習効果を向上させるさまざまな取り組み(例 30人学級の導入)について、統計的・定量的な評価を行い、その結果をベースに各種の施策を検討するというもの。米国を中心に積極的に導入・発展をしている分野である一方、国内では、学校側の協力が得にくいなど、導入に向けてさまざまな課題がある。

5:アンラーニング(学習棄却)

主に30代以降の人が新たな技能や考え方などを獲得する際に、それまで学習してきた内容、蓄積してきた経験をまずは捨て去る「アンラーニング(学習棄却)」してからでないと、新しい学習を効果的に行うことが難しいというスタンスに立った学習アプローチ。特に、高齢化が進む先進諸国で注目・研究されているアプローチ。

6:学習する組織

MITのピーター・センゲ氏が提唱するコンセプト。これからの組織の在り方は、過去に蓄積した経験などを伝承したり、外部から学んだ固定的内容などを吸収したりするのではなく、自らの組織が取り組み、そこで得てきた「気付き」や「内省」による内容を受け止め、そこから新たな知見を生み出すとともに、組織そのものの成長へとつなげるべきであるというコンセプト。従来の「客観主義」に対して、「社会構成主義」という考え方が根底にある。

7:社会構成主義

物事の進め方、人びとが学ぶべき内容といったものは、客観的に何が正しい、何をすべきかと決まるのではなく(非「客観主義」)、多くの人が関係しあい、お互いに様々な事象を解釈しあい、そこから様々なものに意味が生まれてくるという考え方。具体的には、一方的な解釈や専門家による解説よりも、関係する人びとの間での会話や検討を重視し、そこからの学びを大切にするアプローチ。

8:個人主義と集団主義

世界的な社会学者ホフステード氏が、全世界のIBM社員のデータを精緻に比較し、国別に6軸の価値観に関するおおきなばらつきがあることを指摘した「多分化世界」という内容に紹介される1つの軸。「個人主義」が高い国では、個人個人が自分にとって最適な行動をとり、その集合が集団にとっても最適であるという考え方をとり、「集団主義」の高い国では、各人は集団の利益を重視する考え方をとる。そのため、例えばセミナーの後の質問において「個人主義」の面々は自分の聞きたいことを聞くだけなので手軽に手を挙げるのに対し、「集団主義」の面々は、集団にとって役立つ質問を意識するため、中々挙手できないなど、学習に関する行動に大きな影響を与える。

9:U理論

MITのオットー・シャーマー氏が提唱する、未来を見通すための話し合いと検討のアプローチ。PDCAを始めとした従来の検討アプローチは、過去から学び、その延長線上で未来を考えるという構造になっており、非連続な未来や、不確実性の高い未来に関しては、個人個人の内面を深掘りし、そこから統合され深化されていく話し合いのプロセスが必要とする手法。MITのテクノロジー・イノベーション文脈と、東洋的な思想背景などが取り入れられた手法であり、欧米の大企業や公共セクターなど、幅広い分野で活用されている。

10:学習効果測定の4段階と5段階

米国では、研修・トレーニングなどの評価方法が極めて体系化、科学化されており、そのベースとなっているのが、カーク・パトリック氏が提唱した4段階モデル(1=反応、2=学習、3=行動、4=成果)と、ジャック・フィリップ氏が進化させたROIモデル(前出の4段階モデル+5=ROI)。日本の研修・トレーニングなどで「今日の満足度は?」と聞くのは、上記でいう「反応」だけを測定しており、レベル2以上の評価については殆ど意識・検討がされていない点を、日米のトレーニング設計における決定的な思想・水準のGAPであると指摘されることが多い。

11:MOOCs

Massive(ly) Open Online Coursesの略。ハーバードやMIT、スタンフォードを始めとした、世界中の超一流大学の授業を、オンラインで無料で受講できる仕組みのことを指す。この方法により、実際にスタンフォードの授業に14歳のバングラディッシュ人少年が参加したりするなど、人気講座だと数千人〜数万人の参加者がいるケースもめずらしくない。世界の教育機会の格差を是正する方法としても注目されている。

12:脳科学

米国では、宇宙分野と並び、オバマ政権が脳科学に関する研究に新たな予算を割り当てるなど、人間の教育と脳科学的なアプローチについて、注目が高まっている。その中でも、EducationNeuroscienceという分野では、コロンビア大学・ハーバード大学、UCLAなどを中心として、脳内のさまざまな構造(海馬、扁桃体、前頭葉…)が受ける刺激とその処理の方法を考慮することで、学習プロセスを再設計し、これにより個人能力の高まりをより効率的・効果的にするという研究・取り組みが急増している。

13:幼児期学習

多くの学習理論では、幼少期~10歳頃までの期間に、人間の脳神経細胞の進化と成長が固定化し、それまでの教育が重要な位置を占めるという前提に立っている。例えば、北欧系の教育では、10歳までは競争などにさらさず、自分の絶対的な効能感を重視すべきという方針があったり、フロー理論的主張としては、外部からのTVなどの刺激を抑え、内省的に思考する時間を多く取ることで「集中」する才能が育まれるなど、多くの学習理論はこの時期を重視している。

14:ストレングス・ファインダー

世界最大級の人材に関するコンサルティング・研究機関である米国ギャラップ社が開発した、人の強みに関する分類フレームワーク。同社が過去実施した数十万人に対する定量調査と、数千人に対するインタビュー結果が統計的にまとめられており、人の生来の強みとして34の要素を提示している。個人はGallap社のサイトまた書籍購入により、自分の強み・弱みをこのフレームに沿って判定可能。国内外の多くの企業は、この診断結果を基に人材の配置を検討したり、育成プログラムの設計を行ったりするなど、最も知名度と活用幅の広いフレームの1つとして知られている。

15:自分を変える教室@スタンフォード大

国内外で大ベストセラーになった、スタンフォード大学マクゴニカル氏による、個人の学習と誘惑、惰性打破に関する科学的アプローチの解説書。本書の中には、ある目標を個人が設定したとき、それを他の人に喋ったり、標榜したりすると、それだけで満足が起きてしまい目標達成の可能性が下がるという指摘や、人は短期欲求に負けやすいため、何かの誘惑には10分だけ我慢してもう一度考えなおしてみるなど、日々実践可能なTipsが満載されている。

16:コミューン(身近な政治機構と自己効力感)

北欧の国々では、地方・地元の小規模な自治に関して、コミューンと呼ばれる意思決定組織が存在している。このコミューンは、所属者が数十人〜数百人と大変小規模であり、その活動には小学生・中学生といった幼少期から関与することができるため、こうした国々の国民は小さいころから「政治・自治は自分も関与し、影響力を与えられる」という感覚で成長していく。この仕組があることで、これらの国々の国民は、政治に対する「自己効力感(自分が影響を与えられるという感覚)」が高く、政治参加が活発という指摘がある。

17:カン・アカデミー

オンライン上で、理数系の科目を中心に無料で動画による講義と、学習プログラム(計算ドリルなどなど)が受講できるプログラム。世界でも屈指のレベルで内容が充実しており、途上国の子供達など、教師や環境に恵まれない場合であっても、インターネット上の接続があれば、高等教育が受けられる手段として、注目を集めている。

18:コンストラクティビズム

学習に関する理論の1つで、人はものを吸収するときよりも、何かを創り出す際に多くのことを学び、成長するという指摘。例えば、座学で一方的に知識を吸収しようとするよりも、自分で何か作品やレポートを創り、それを友人や周囲に発表するという一連のプロセスを通して、多くのものごとを獲得できる。特に、未知のテーマに対する取り組み姿勢として、過去の経験をベースにあれこれ考えるより、まずは実験や実施をし、その構築過程において大きな学習を狙おうというスタンスが、昨今注目されている。

19:「マルチ能力」理論

ハーバード大学の研究者であったハワード・ガードナーが提唱した理論で、人はそれぞれ「書く」「しゃべる」「描く」「踊る」「奏でる」という5つの表現能力を持っているが、その得意・不得意に大きなばらつきがあり、最も得意とする方法で表現をすることで、大きく成長し、才能を伸ばせるというもの。例えば、「描く」が圧倒的に得意で「書く」のは苦手という子に、無理やり作文などを通して学習を促しても、退屈で苦痛となり、才能を奪ってしまうといったことがあり、これらを加味した教育プログラムの設計を行うべきなど、実践的教育設計の指針としても絶大な支持を得ている。

20:フロー体験

米国の著名な心理学者、ミハエル・チクセントミハイの提唱する理論。人は、その瞬間の自分の集中力の100%を1つのテーマに費やしているとき「フロー状態」となり、時間の経過を忘れ、いわゆる「没頭状態」に突入し、そのときに、最大の成果と、最大の成長と、そして最高の幸福感を得られるという理論。Googleを始めとして、世界のトップ企業の間でこの理論をベースとした職場設計、仕事設計、人材育成などが行われている。

21:失敗学

元東京大学工学部教授の畑村洋太郎氏が提唱した学問領域で、過去の事例での失敗から体系的に物事を学び、そこから未来に対する改善案、学びを得ようというアプローチ。国内でこのアプローチは絶大な支持を得ており、同氏の著書「失敗学のすすめ」は、ベストセラーとなっている。東日本大震災における原子力発電所の一連の事故の調査は、畑村氏を中心に行われていることでも有名。

22:内向性と学習

米国TEDにて、スーザン・ケイン氏が紹介したこのコンセプト。”内向性が高い人”は、コミュニケーションに障害を持っているのではなく、大変敏感なセンサーを備えており、大きな外部刺激(大人数でのパーティや、活発な議論など)よりも、内省したり、集中して何かを創造したりする才能に恵まれる傾向にあるという指摘。この内向性を活かす仕事設計をすると、大きな成果が得られるといった指摘が、国内外で大きな支持を得ている。

23:振り返りの方法(ピーター・ドラッカー)

GEの元CEOジャック・ウェルチ氏を始めとし、多くの米国経営者のメンターでもあった、20世紀を代表する思想家・未来学者であるピーター・ドラッカー氏は、仕事人生において最も重要な学習方法として「自らの鏡を持つ」ことを指摘する。この具体的な方法としては、ある一定期間の時分の行動を記録し、その振り返りを体系的にフレームに沿って、自分の上司・同僚・部下・友人らを巻き込んで行う方法などが紹介されている。

24:ゆとり教育

知識重視型の教育方針を詰め込み教育であるとして学習時間と内容を減らし、経験重視型の教育方針をもって、ゆとりある学校をめざし、1980年度、1992年度、2002年度から施行された学習指導要領に沿った教育を指し、特に1995年〜2003年生まれの層を指す。円周率が3であるなど、一部センセーショナルな報道も相まって、この世代は「ゆとり世代」と呼ばれ、世間からの偏見を受けることも。一方で、余暇時間の使い方が個人の家庭環境により二極化し、学力格差などを招いたといった批判も多い。

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[編集・構成] “未来を変える”プロジェクト 編集部

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