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インド式イノベーションの力を日本人はどう盗むべきか? マイクロアド・インディア代表に聞く
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工業社会においては、日本は世界的企業を数多く生み出してきました。一方で、情報化社会に移行してからは、アメリカをはじめ欧米企業が世界を席巻し、日本の存在感が薄くなりつつあることは否めません。

そんな時代においてGoogle CEOのスンダー・ピチャイ氏、ソフトバンク代表取締役副社長のニケシュ・アローラ氏、マイクロソフトCEOのサティア・ナデラ氏など、世界の名だたるIT企業の経営者を次々と輩出しているのが「インド」です。

前編では、マイクロアド・インディア代表の佐々木誠さんに、インドが世界的なIT企業の経営者を次々と輩出できる社会的・文化的な背景について伺いました。後編では、同国で起こっているイノベーションの特徴の今後の展望、それをヒントに日本人ビジネスパーソンがグローバルで挑戦するために取るべきアクションについてお話を伺います。

Google、ヤフー、Amazon、インフォシスなど世界的なIT企業が集積する都市 バンガロール。「インドのシリコンバレー」とも呼ばれています
Google、ヤフー、Amazon、インフォシスなど世界的なIT企業が集積する都市 バンガロール。「インドのシリコンバレー」とも呼ばれています

PROFILE

マイクロアド・インディア 代表 佐々木誠
佐々木誠
マイクロアド・インディア 代表
インド・デリー在住。大学卒業後、商社に勤務。その後、2000年にサイバーエージェントに入社。ネット広告事業に営業担当として長年携わりながら、同社のブログサービス「Ameba」の立ち上げなど新規事業にも携わる。2012年にグループ会社 マイクロアドにインド事業の責任者として参画。マイクロアド・インディアの代表として、ディスプレイ広告の配信プラットフォーム「MicroAd BLADE」を主力サービスとしてインド市場を開拓中。

「インド式イノベーション」の2つの特徴

1950年代から工学・理系に強い人材の育成に力を入れてきたインド。なかでも優秀なひとは、インドの大学を卒業後に欧米でMBAを取得し、エンジニアリングとマネジメントの能力を兼ね備えています。

こうした優秀なインド人たちの理想のキャリアパスも時代とともに変化しています。以前は欧米社会でのキャリアアップを叶えることでした。しかし近年は、欧米でキャリアを積んだ後に母国に戻り、起業をする人びとが増えているそうです。

そうした人びとの活躍で、特に盛り上がっているのがEコマースビジネス。佐々木さんは、そこで起こっている「インド式イノベーション」の特徴を2点挙げます。

1つめは、欧米から持ち帰った技術を、自国の市場のニーズにフィットさせていること。例えば、ソフトバンクも出資しているタクシー配車アプリの「OLAキャブ」がEコマース市場に参入し、短時間で商品の配達を行うサービスを展開しています。先端的な技術と新しいニーズとを掛け合わせる柔軟さは、多様な文化のなかで育まれてきた彼らの国民性なのでしょう。
2つめは、世界中の人脈を使って、最初から世界で万人受けするビジネスを目指していること。先進国にも新興国にも詳しく、裕福さと貧しさを肌で感じた経験があるため、視点や思考がフラットで偏りがないという強みが、製品やサービスの開発にも生きています。国内市場向けのモノづくりからスタートする多くの日本人とは異なる感覚です。
「OLAキャブ」の創業者 Bhavish Aggarwal氏(引用元:YourStory)
「OLAキャブ」の創業者 Bhavish Aggarwal氏(引用元:YourStory)

始めから世界をねらう視点はどうすれば育まれる?

たしかに、始めから世界で万人受けするビジネスを目指すというのは、日本人には真新しいかもしれません。

佐々木さんは自分以外、全社員がインド人という環境で仕事をしてきました。その経験から、海外でも通用する事業を生み出すためには、日本に留まっていたのでは難しく、実際に海外の国々を訪れ、現地を肌で感じ、視野の広さを変えることが必要だと言います。

自分の視野を広げるためにできる、より身近なアクションは?

第一歩として、日本人が日本語で集める海外の国々に関する情報の多くは、実際とは異なることを理解し、それらを鵜呑みにしないこと。インドにしても、十数年も前のイメージをいまも多くの方が抱いているということがよくあります。特に新興国は、数カ月という短い期間でも状況はめまぐるしく変化しているのです。

そうした海外に関する正しい認識を得るためには、海外で活躍する日本人、いわゆる「和僑」のネットワークを活用することも有効だと佐々木さんは言います。

私もインドに進出したばかりの頃、まず始めに行ったのは現地の日本人コミュニティの開拓でした。現在インドに暮らす日本人は約8000人。韓国人は約2万人いますのでやや後れを取っていますが、日本人ネットワークを活用することで、過去の日系企業の成功事例や失敗事例に学ぶことができます。私もこれから日本人がインドで成功するためのサポートに尽力したいと考えています。

海外でビジネスを経験し、日本に戻ってきた和僑も皆さんの身のまわりには意外といるはず。そうした先人たちの中には、自分の後に続く仲間の挑戦を待っているひとも多くいます。海外でのビジネスの挑戦に備え、いまから彼らにアクセスするのもよいでしょう。

海外に目を向けているひと同士が連携し合うことの大切さもまた、印僑ネットワークを世界中に張り巡らすことで世界を席巻している状況を作り出しているインド人たちが証明しています。

前編:世界のIT市場を席巻するインド人経営者、彼らに見るグローバル時代のリーダー像とは?

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[取材・文] 早川すみれ、河野優人

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