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ハワード・ガードナー教授が提唱する8つの知能MI(マルチプル・インテリジェンス)
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人工知能化、グローバル化で人材の競争は激化

2015年3月、みずほ銀行に続き三井住友銀行が人間の言葉を理解する人工知能コンピュータ「Watson」をコールセンターに導入することを発表しました。これまで人間のオペレーターが担っていた作業の一部をコンピュータ化することで業務の効率化を図るねらいがあるそうです。

イギリス・オックスフォード大学の研究によると、数十年後には今ある職業の約65%が人工知能に置き換えられるといいます。今後さらに、経済・社会のグローバル化にともなう外国人採用や、外資系企業によるM&Aなどが進めば、人材の競争はますます激しさを増し、個人の能力がシビアに問われることになるでしょう。ビジネスパーソンには幅広い知識が欠かせません。

習得すべき知識やスキルが増えるほど肝心になってくるのが、いかに効果的かつ効率的に学べるかということ。その方法を知れば、今後のスキルアップの礎を築くことができます。ここで1つの「学習法」をご紹介します。

子育てや教育現場でも有効 「個性」に適した学習アプローチ

ハーバード大学教育学大学院教授で、心理学の世界的権威であるハワード・ガードナー教授が、授業や研修での座学といった一般的なものにとらわれない、学習法を提唱しています。これが「個性」に適した学習アプローチです。

ハワード教授は、従来のIQテストに異議を唱え、人にはいくつもの多重な「知能MI(マルチプル・インテリジェンス)」があると主張しました。MI理論によると、人間は普段「8つの能力」を働かせて生活しているといいます。これらの中でも特に秀でている部分や得意分野があり、8つの能力を見極め、個性に適したアプローチで学習をすると、人は才能を大幅に伸ばすことができるといいます。

ハワード・ガードナー教授が提唱する8つの知能MI(マルチプル・インテリジェンス)

例えば、子どもの場合、個性や得意分野、興味に合わせて成長をサポートすると、楽しみながら自身の可能性を広げていくことができます。数を数えるのが好きな子には、料理などを通して量や数の理解を深めたり、友達への思いやりが強い子には、友達とのごっこ遊びなどを通して、人間関係形成能力を育むことができるのです。

人は好奇心を刺激されると生き生きと学び、心身で得た経験は深く刻まれます。こうして自ら学び得たという成功体験こそが継続性を育み、次のステップへ挑むモチベーションにもつながっていくのです。

能力を横断したアプローチ 「英語」の場合

例えば「英語」の学習に置き換えるとどうでしょう。

洋楽を聞いたことがきっかけで、英語に関心を持った音楽が好きな人。外国人の友達がいて、英会話が得意な社交的な人。こうした人たちは、自分の得意分野を活かした学習法を自然と行っています。一方、今まで頑張って英語を勉強したけれどうまくいかなかった人は、学習法が合っていなかったのかもしれません。こんな方法はいかがでしょうか。

「音感能力」に長けている人は、通訳トレーニングの「クイック・レスポンス」に挑戦してみましょう。単語帳を作り、日本語もしくは英語のどちらかを隠して、瞬時にその対訳を口頭で発する方法です。口頭で発することで、音感を使った習得が促進されます。

「身体・運動能力」が優れている人は、英文を3時間ひたすら音読してみましょう。英会話で使う口まわりの筋肉を鍛えることができます。

「言語能力」や「論理的・数学的能力」の高い人は、英語記事を読み、要約してみましょう。記事で使われているのとは異なる単語を使って、書き換えてみるのもオススメです。全体の内容を把握し、論理的に理解する力を刺激することができます。

「空間能力」「言語能力」の高い人には、英語のニュースを聞き、できるだけ元の文章と同じ通りに復唱する「リプロダクション」の手法がよいでしょう。英文がイメージとして頭の中に残り、それを自分でもアウトプットできるようになります。

これらの能力は、すでに自分でも得意と認識しているものと、そうではない潜在的に備わっているものとがあります。ですからまずは、すべての能力にアプローチする方法を考え、それぞれに全力で挑んでみることをオススメします。

ハワード・ガードナー教授は「秀でている能力を使って、他の能力を引き上げることができる」とも言っています。さまざまな学習法を試す過程で、新しい才能に気づくことができるかもしれません。そして、あらゆる能力をバランスよく使う学習アプローチを行うと、自分の可能性を大きく伸ばすことができるでしょう。

人の数ほど個性があり、学習法も人それぞれ。オンライン講義や音読アプリなど、多彩な学習アイテムが手軽に入手できる時代です。自分だけの学習のコツをつかむことができれば、今後のスキルアップに役立つはずです。

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変化の時代の必須スキル 〜「5分で分かる学習好きの作り方」
変化の激しい時代に「学習」の目的やプロセスはどのように設計すればよいのでしょうか。

[文] 早川すみれ

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