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「リモートワーク×人事」ユーザベースに優秀な人材を惹きつける人事担当の奮闘
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今回取材にご協力いただいたのは、ビジネス情報プラットフォーム「SPEEDA」と経済情報に特化したソーシャルメディア「NewsPicks」で急成長中のユーザベース。香港・上海・シンガポールに拠点を構え、グローバル展開を加速しています。

ユーザベースは優秀な人材が集っていることでも知られていますが、そんな同社の人事部でマネージャーとして社員の採用と企業文化の浸透を担っているのが社内初のリモートワークを実現させた村樫祐美さん。2週間に1回は東京にある本社オフィスで、それ以外は名古屋にある自宅で働いています。

社員の採用や企業文化の浸透にユーザベースと村樫さんはリモートワークをについて、どのように取り組んでいるのか、お話を伺いました。

株式会社ユーザベース 人事マネージャー 村樫祐美

PROFILE

株式会社ユーザベース 人事マネージャー 村樫祐美
村樫祐美
株式会社ユーザベース 人事マネージャー
東京外国語大学にてポルトガル語を専攻し卒業。大手自動車メーカー系商社に入社し、財務部にて資金調達、外国為替業務、銀行折衡や子会社の財務分析などに従事する。2011年、新たなキャリアアップを目指し株式会社ユーサベースに入社。SPEEDA事業のカスタマーコンサルタント、コンテンツの契約交渉、プロダクト開発を担当。2014年の結婚を期に名古屋に移住せねばならず、人事として社内初のリモートワーク実施を決意。現在、在宅勤務と本社勤務を交互にしながら人事マネージャーとして活躍中。

異なる拠点の社員と企業文化を共有する「ニコニコメソッド」

村樫さんは主に採用と人事制度の設計、企業文化の浸透を担当しています。これらの業務をリモートで行うなかで、最初に出てきた課題が「意思伝達の難しさ」でした。常に自宅と本社をSkypeでつないでいるため、日常のコミュニケーションには困らなかったそうですが、リモートで参加する会議や会社にとって重要なことを決定する場面では、意見の伝わりにくさを感じたことも。

そのもどかしさから「意志の伝え方についてより考えるようになった」と言う村樫さん。オフィス勤務時には、普段会えない分、積極的に他チームの社員に話しかけるようになったそうです。「リモートワークになって、コミュニケーション能力が一段と鍛えられた」と言います。

ユーザベースでは、海外オフィスメンバーや、村樫さんのようにリモートで働く社員と本社で働く社員のミスコミュニケーションを防ぐため「一体感」作りに力を注いでいます。「新規アイディアミーティング」と「Year End Party」、年に2回は全社員が顔を合わせ、お互いをもっと知るための機会を設けています。「Year End Party」という年末イベントには、社員の家族も招待されるそうです。

最近、全社員が参加する「みんなの会」と呼んでいる全社会議に「ニコニコメソッドプレゼン」を導入。視聴者参加型のニコニコ動画のように、海外オフィスメンバーを含むリモート参加者がリアルタイムでコメントをつけられるようにし、場所に関係なくすべての社員が発言しやすいよう工夫しています。

リモート面接でも優秀な人材を見極める方法

リモートワークを始めた当初、Skypeで面接した相手を採用するか否かの判断が可能なのかという不安を感じていたという村樫さん。しかし実際には意外にも「大きな問題を感じることはない」といいます。その理由について「対面での面接にも当てはまることですが、採用活動全般において大事にするポイント、当社では企業のビジョンと社員に求めるバリュー(価値観)を明確にしているから」だと教えてくれました。

ユーザベースでは、採用時に会社のビジョンとそのひと自身の目指すものが合致しているか、そしてなおかつ価値観も合致しているかを、しっかり見極めるといいます。具体的には「世界一の経済メディアをつくる」という会社の「ビジョン」と、そのひとのビジョンが合致しているか。そして、会社の掲げる「7つのルール」というメンバー全員が大切にしているバリューに共感できるかどうかです。

<ユーザベースの7つのルール>

  1. 自由主義で行こう
  2. 創造性がなければ意味がない
  3. ユーザーの理想から始める
  4. スピードで驚かす
  5. 迷ったら挑戦する道を選ぶ
  6. 渦中の友を助ける
  7. 異能は才能

「企業と個人のビジョンやバリューがフィットしているか、しっかり確認することが重要です。フィットしていれば、その後のお互いの方向性のズレが最小限に抑えられ、チームワークや個人のパフォーマンスの向上を押し上げます」

つまり、採用時に企業が重視するポイントを明確にすることで同社で活躍できる人材をセグメントすること、企業のビジョンが明確で経営陣と人事部で採用基準が確実に共有することができていれば、面接がリモートであろうと対面であろうと大きな違いはないようです。

リモートワークの経験が、会社の魅力を再発見するきっかけに

リモートワークを始めて約半年が経った今、村樫さんは「改めて会社の魅力を実感し、採用イベントや文化醸成のための社内イベントで会社のビジョンや事業内容の語り口に力がよりこもってきた」と話します。

これまで以上に会社のことが好きになったと話す彼女ですが、結婚を期に名古屋に移住せざるを得ず、悩みながらも実現させたリモートワークに、もちろん初めは不安もありました。そんなとき、代表の新野良介さんからリモートで人事の仕事を担当することについてこんなことを言われたそうです。

「ユーザベースがこれからグローバル企業になるのに場所は関係ない。つまり、世界のどこにいても、誰にでも会社の魅力を伝えられるようにならないといけない。会社にとってもリモートワークの社員は村樫さんが初めてだけど、挑戦してみて、もし上手くいかなかったらまた一緒に考えよう」

村樫さんはこの言葉に感銘し「いろいろな不安の中、退職するという選択ではなく、リモートワークという新たな働き方を提案し、応援してくれた。新しいマーケットに挑戦し続ける会社にいる以上、私も結果を出さないといけない。あらゆる視点から物事を判断し、リモートワーカーの私にしか持てない視点や考えを社内に還元することで、会社の価値を高めていこう」と決めたそうです。

リモートワークの導入を会社と社員の絆の深化につなげたユーザベース。同社が優秀な人材を惹き付け、文化を浸透させることに成功している裏側には、社内初のリモートワーカーである村樫さんの日々の切磋琢磨もあったのですね。

「リモートワーク×人事」として会社のグローバル化を支えています。
「リモートワーク×人事」として会社のグローバル化を支えています。

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[取材・文] 早川すみれ、細谷元、岡徳之

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