30代のいまは気づかないけど、30代で絶対に仕事で意識すべきこと

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30代の頃、もっとこうしておけばよかった――。役職に就き、歳を重ねたとき、仮に30代の自分自身にアドバイスするとしたら、皆さんはどんなアドバイスをするでしょうか。

今回は、人事領域を中心にさまざまな業界で活躍してきた佐藤さんに「30代の今は気づかないが、30代で意識すべきこと」について、30代の自分自身に仮にアドバイスするという内容で寄稿していただきました。

PROFILE

佐藤慶太
佐藤慶太
パーソルキャリア i-common登録
人事部門のマネジメントとしてIT企業を始め、化学製品・自動車部品製造メーカー、アフターサービス、金融など複数の業界に携わる。主に人事分野におけるERP(主にOracle・Workday)の導入や業務分析、M&Aなどによる業務プロセス見直しや人事制度設計・運用、タレントマネジメントの実行、会社新規立ち上げによるインフラ整備のほか、シックス・シグマの手法による工場や各種業務の生産性改善などを主導。30歳で日本シリコングラフィクスの人事マネジャーに。その後、GE東芝シリコーンで人事マネジャーのほか、インガソールランドなどで人事部長を経験。豊富な人事総務マネージメント経験をもつ

30代では、貪欲に仕事に打ち込む

30代ですべきことは、多少の失敗をおそれず、新しいことにどんどんチャレンジすることに尽きます。まずは「NO」を言わないこと。無理を承知でも、お願いされた仕事を受ける。それが将来のキャリアにつながります。とにかく前向きに貪欲に仕事に向かうことが一番です。ただし、その際に注意すべき点が3つあります。

1つめは「リスクをよく見極めること」です。受ける仕事について、まず第三者からアドバイスをもらうこと。小さいことでも致命的なリスクを負うことがあるので、まわりの信用できる方を早く見つけて、よく相談する習慣を身につけておくべきです。

2つめは「その仕事が将来、自分にどんな影響を与えるのか、ある程度見極めておくこと」です。将来の影響を考えることで、仕事に優先順位をつけられるようになります。それによって十分なパフォーマンスを発揮できるようになりますし、自分の目指す方向と一致しているのならば、それがキャリアの近道になります。

3つめは「健康と家族の時間をきちんと抑えること」です。体を壊したり、家族との時間を犠牲にすると思いもよらないところで墓穴を掘ってしまい、後で取返しもつかないことになることがあります。健康と家族が生活の基本ですから、そこはしっかりと抑えておくことが大事です。

30代は仕事だけを抱え込むな。人生を楽しもう

アジア・パシフィック担当であった35歳の頃、私は9カ国の人事を担い、とにかく無茶苦茶忙しかった時期でした。出張も多く、年間延べ3~4カ月は海外でした。その結果、仕事をすべてこなすことが難しく、もて余してしまうことが多々ありました。また20代と同じようによく飲み、よく食べていたので体重も3桁を超えていましたし、家族との時間をほとんどとれずに関係がどんどん壊れていきました。

その頃、どのようにして仕事の優先順位を決めていくのかが最大の課題だった私は、同じ人事の仲間に悩みを相談することができないでいました。典型的な「仕事や悩みを抱えてしまう」タイプだったのです。

そこで帰る方向が一緒だった定年間近の大先輩には何でも相談し、アドバイスをもらうことにしました。その方は米国やヨーロッパでの勤務経験もあり、実にマイペースで多国籍の案件をうまくさばいていました。帰りに一杯ひっかけるノリではあったのですが、相談に乗っていただいた結果、仕事がうまくまわりはじめ、まわりからの信頼を得ることにつながったのです。

また当時、心身のリフレッシュをかねて、強引に草野球を近所で始めることにしました。そこでは地元の人たちとの交流を深めることもできましたし、心身ともにいいリフレッシュになりました。草野球はゴルフと違い道具の費用も格段に安く、プレー時間も半日あれば終わるので家にいる時間を確保することもできました。その結果、家族との時間もゆとりをもてるようになりました。

いま、30代を振り返ると、特に30代後半から責任の重さが増していき、ビジネスにおいて数々の困難が立ちはだかりました。だからこそ、自分自身をコントロールする術を30代のうちにどう身につけるるかが、40代に飛躍する大きなポイントになると思います。

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