ログインして記事ブックマーク、コメント投稿などすべての機能を使う。

close

テーマ

元同僚からの転職相談「前いた会社に戻りたい」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
BOOK MARK

キャリアの大きな転機となる「転職」。では、これからの転職はどのような視点を持つべきなのか。数々の転職やキャリア相談を受けてきた、元女性用下着メーカーの企画・広報に長年携わり、その後アパレルメーカーで取締役を務めてきたKさん(50代男性)に「これからの転職に大事なこと」について、寄稿していただきました。

PROFILE

Kさん(50代)
Kさん(50代)
パーソルキャリア i-common登録
アパレル業界でブランド戦略立案、広報、宣伝販促戦略の企画立案に携わる。大手女性用下着メーカーでは、複数のヒット商品を企画。現在はアパレルメーカーを中心にリブランディング支援などを行う

転職のイメージ=前向きなものだった

年齢が上がるにつれ、転職の相談はユニークさを増していくと思います。

今回ご紹介する元同僚の転職相談を受けるまで、転職相談とは「ヘッドハントされた」とか「海外ではたらいてみたい」とか「起業して社長になる」など、もっと前に進むイメージだと思っていました。今回は、そんな私の転職のイメージを覆した転職相談をご紹介します。

わたしが考える「本当の転職の成功者」

相談を持ちかけてきた彼は、私がアパレルメーカーではたらいていたころの同僚になります。私はPR、彼は人事部にいたのですが、年齢も同じくらいということで、在籍中は月に数度は飲みに行く仲でした。

彼はほんとうに会社が好きなのだなと周囲にも分かる雰囲気を持っていて、人事制度改革に対する熱量は大変なものがありました。そして、毎回の酒の席では「上司がなかなか動かない」というのが彼の鉄板ネタでした。

30代半ばで彼は転職したのですが、その際の彼の転職相談はほんとうに一般的なもので、上司との相性や金銭面での理由から転職するのだと私の目には映っていました。

転職先は業界違いの中堅規模のメーカーの人事。40代半ばで部長職につき、はた目には安住の地にいるように見えていました。まわりの同年代で転職の成功者という言葉がしっくりくる数少ない人物が彼でした。

突然の転職相談「会社に戻れないか?」

会社が別々になってからはあまり飲みに行くこともなくなってはいたのですが、飲みの席ではかならず会社の状況について細かく聞かれていました。

「辞めた会社のことなど忘れろよ」と毎回笑って話をしていたのですが、私が転職の相談を彼にしようかなと迷っていたころ、彼から真剣な転職の相談をもらうことになります。

「会社にまた戻れないだろうか?」

耳を疑いました。彼は、在籍時から何も変わらない社風の環境に年収も下げる覚悟で戻れないかと聞いてきたのです。当然、彼のような優秀な人物は会社としても採用したいのですが、一度退職した人間を再度入社させる文化は、当時はほとんどありませんでした。

もちろん会社に掛け合うことは可能でした。ただ、彼の意図がまったく理解できませんでした。わざわざ後ろを振り返る必要はないというのが私の意見。しかし、彼はまったく譲る様子がなく、実は退職するときから「また会社に戻る」という想いを持っていたのだと言うのです。

冒頭でお話しした、人事制度の改革をかならず自分の手で推進するというのは彼の固い決意だったということでした。そのために、在職中では磨けないスキルと経験を持ち帰りたいというのが、彼の本当の転職理由でした。

彼は10数年間、人知れず誰よりも会社のことを考えてきたのだと理解し、鳥肌が立ちました。彼ほど、自身の成長と会社の成長をリンクさせて考えられる人間はそうはいないと思います。そこまで愛せる会社に出会えたことも彼にとっては幸運なことだったと思いますが、文字通り人生を賭けた転職だったのだなと感じました。

転職相談をもらった翌日に経営陣に掛け合い、何とか彼を引き戻すことができました。それから数年間、私が退職するまで彼の仕事を見ていたかぎりは、期待どおりの価値を発揮していました。

大切なことは「スキルをどこに還元するか」

転職において大切にすべきことは個々人違うとは思いますが、彼の場合、会社への思いを大切にしながら、スキルアップのために転職をしました。そして、磨いたコアスキルを会社に還元しています。

転職によってスキルや経験を積みたいという方も多くいます。しかし、大切なことは磨き上げたものをどこに還元すべきなのかを考えることです。彼のように、辞めた会社のためにというのは非常にレアケースだと思いますが。

【 本記事の読者にはこちらもお薦めです 】
不確実性と直観に学ぶ、これからの仕事選び
「キャリア」に変化が押し寄せている今、仕事を選ぶための「軸」をご紹介します。

企業からオファーが届く無料サービス。
非公開求人や面接確約オファーなどの
求人情報が届くこともあります。
キャリアの可能性を広げる
スカウトサービス
スカウトサービス
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
BOOK MARK

いいね!していただくと
最新記事をお届けします。

コメントを送る

関連する記事

テーマ一覧を見る

タグ

タグ一覧を見る