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上司から見た「できる部下」は、何が違うのか

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『“未来を変える” プロジェクト』では、記事の制作段階でさまざまな方と議論し、フィードバックをいただきながら制作しています。今回はEコマース事業立ち上げや消費財メーカーのデジタルマーケティング部部長で部下育成を行ってきた今井さんに、数多くいるメンバーの中でも「できると思った部下」とその理由について、寄稿していただきました。

PROFILE

今井征吉
今井征吉
(インテリジェンス i-common登録)
某外資系ソフトウェア会社Eコマース事業立ち上げ。その後、消費財メーカーのデジタルマーケティング部部長を経て、現在はグロースハッカーとして活躍。また、i-commonに所属し顧問としても活動中。

メモを一切取らなかった、部下

私が「すごい」と思った部下は、米国の企業でマーケティングマネジャーをしていた頃に出会った20代半ばの女性の方でした。彼女は豊富な社会人経験があったわけではありません。採用時は、徐々に成長していってもらえたらいいと思っていました。しかし、「ある基本的な方法」で私を含む周囲からの評価を引き出し、上司である私をうまく動かしたという点でもっとも印象に残っています。

私は当時、直接OJTや研修などを行っていました。その中で印象的だったことが、彼女はまったくメモを取らなかったのです。内心では、あまり学ぶことに熱心ではなく、忘れたら都度聞くタイプなのだろうと思いました。しかも、会社の業績が急激に伸びているときで、私も十分に教える時間をとれず、「一人前になるまでに時間がかかるだろう」と覚悟したものです。

しかし、彼女は私の常識を超えた存在でした。

初日の研修を終えた次の日には、私の覚悟は無意味なものになりました。前日に教えた内容をすべて記憶し、的確に実行していたのです。彼女は入社から私が会社を離れるまで、同じ質問をしたことは一度もありませんでした。また、決裁しなければいけないような場合も会社目線や上司である私の目線を包含していました。そうすると、こちらも特にNGする理由がないのですんなりと受け入れることができました。この方が自分のキャリアの中で一番できると思った部下です。

この部下がすごいポイント1:評価の指標が明確

まずこの部下が優れていた点の1つめは、間接的ではありますが、上司目線で評価しやすいアクションがあったということです。必須の知識や社内のさまざまなルールに対する理解がどのくらいあるのかは、明確な判断材料がないことが大半。そうすると、評価があいまいとなって上司の好みに寄ってしまうことがあります。私も評価する際に感覚値がまったくないとは言えません。

しかし、彼女の「一度聞いたことを覚えて、適切に業務を行える」という事実は、明確な評価の基準になります。私だけでなく、取引先の外国人の方も同じように高く評価していました。また以前、私が発言したことを「この前ご教示いただいた件で自分なりに考えてみたのですが、〜~という理解で正しいでしょうか?」と、質問を返してきたことがありました。「自分が伝えたことをより深く理解しようとしている、興味を持っている」とポジティブなイメージをもちました。

この部下がすごいポイント2:アウトプットが可視化できている

もう一つ、この部下が優れていたのは、会社の目線と上司である私の目線を意識できている成果物を提供していた点です。あるとき、競合他社が始めたサービス概要の資料を作成して持ってきてくれたことがありました。競合分析を日常的にしていたのでしょう。普段から競合分析をできていることは上司目線、会社目線が仕事ができている判断材料になります。例えば、SWOT分析などの分析の深さはそのまま経営視点をどの程度有してくれているのかという評価の判断材料になります。提案や企画でも上司目線や会社の立ち位置などの具現化ができているのか、そうでないのかで重みが違ってきます。

部下の理解力や視野の広さ、スタンスなどを評価する素材は、実際のところあまり豊富ではありません。本当はしっかりと部下を見ることができれば良いのですが、多忙や物理的に部下の近くにいないケースもあります。可視化できるものを残せれば、上司に時間ができたときに確認することができますから助かります。評価する立場からしても客観的な評価根拠があったほうが安心ということもあります。

可視化は手段で、その積み重ねで信頼が生まれ、結果的にまかせる範囲が増えていきます。だれもが自分なりの強みやオリジナリティーを持っていますが、上司に気がついてもらえないことがあります。そもそも人を評価するのは難しいものです。

言い換えると、上司が評価をしやすい環境を作れることが「できる部下」の条件だと思います。「見える化」できていれば、上司はまかせられる内容や部下のやりたい方向性を見ることがあります。そして、上司はそのことに対して何らかの反応を示さなければならなくなります。結果的に上司は、部下から提出された企画やアイデアを承認できる方向に突き動かされることにつながるのではないでしょうか。

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