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30代後半の転職。転職によって気づいた自分の市場価値

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キャリアの大きな転機となる「転職」。特に30代後半の転職においてはどのような視点を持つべきなのか。元食品メーカー役員で、現在はこれまでの経験をもとに地方の中小企業などの経営支援を行っている60代男性の方に「自分の可能性を知ったキャリアの転機」について寄稿していただきました。

PROFILE

元食品メーカー役員(60代男性)
元食品メーカー役員(60代男性)
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食品業界で、営業職から企画部門を経験。30代後半から本質的な意味で意思を持って働き、役員に就任。役員退任後はこれまでの経験をもとに地方の中小企業などの経営支援を行っている

私の転職経験は一回なのですが、その一回の転職がなければ気がつけなかったことをご紹介します。

私は新卒で入社した食品メーカーから、30代後半で同業界の同じくらいの規模の会社へと転職しました。20年弱前のことですから今とは転職の市場感は異なりますが、転職の動機は今もさほど変わりがないのではないかと思います。

私の転職理由は、対外的には自分の可能性に賭けてみたいなどと言っていましたが、本心では上司とソリが合わず自分の可能性をせばめられていることに我慢できなくなったことでした。

自分は上司よりも優秀だと思う

私は、同業界の中では自分は仕事ができると思っていました。そのため、競合先へ転職すれば上司を見返すことができる、会社に自分のほうが正しかったと認めさせることができると信じていました。

ソリが合わない上司は私よりも年が7、8歳上で、上司と部下として10年弱働いていました。企画の部署だったこともあり、多くの時間を一緒に過ごしました。人間的には決して嫌いではなく、パーソナルな面では尊敬していました。

しかし、仕事の進め方やプロジェクトの方向性が合わないと感じることが多くありました。それでも関係性をうまく維持できていたのは、私が我慢していたから。私は自分の意見を主張したことは一度もありませんでした。

自分の実力が認められないことへのストレス

転職を機に、ポジションアップもねらったのですが、最終的には同等のポジションで転職しました。

人事からは主張しやすい環境だと聞きました。すぐに結果を出せる自信があったため、ポジションではなく自分が正当に評価してもらえる環境が大事だと考えていました。そんな意気込みもあり、初出勤の日はとても興奮したのを今でも鮮明に覚えています。

入社直後の上司は、私よりも2つ年上で最近そのポジションについたばかりという方でした。人事の話は嘘ではなく、プロジェクトを進行するにあたりかならず意見を求められました。そのたびに資料を作成し、熱量高く上司に提案を行いました。

しかし、上司は毎回、好評価をくれるのですが、不思議なことにプロジェクトに反映されない日々が続きました。資料準備に費やした時間と転職というチャレンジをしている分だけ、少しずつ不満を感じ始めました。

転職前は意見を聞かれない、転職後は意見は聞いてもらえるものの、結果として私の意見はプロジェクトに反映されない状況で、転職前と何も変わっていませんでした。このままでは、評価もモチベーションも上がらないと感じ、上司に正直な話を聞く決意をしました。

上司からは、「提案は悪くないが経験を感じない」という評価が返ってきました。

そこで初めて30代後半で同業界から転職してきた人間の提案としては質が低いという事実を知りました。井の中の蛙とはこのことを言うのだと実感したのです。

前職では企画という部署にいただけで、その仕事を本質的に実務として経験していたわけではなかったわけです。私の10年の実態は一人でできる気になって過ごしてきただけだったことを理解しました。

10年のキャリアといえばその職種のプロに近い経験を積める時間です。私はその長い時間を無駄に過ごしていたことに気がついたのです。そして私は、30代後半の転職を機に初めて自分のビジネスパーソンとしての立ち位置を知りました。

自分の経験を、自分で疑う

それからの3年間は、10年の時間を埋めること。そして、自分が理想とするポジションに立つために仕事に対するスタンスをすべて変えました。30代後半で2回目の社会人デビューをしたといっても過言ではなかったと思います。

今、この記事をご覧の方にお伝えしたいのは、頭に思い浮かべる自分のスキルは本当に経験によって実証されたものなのか、ということです。私のように経験したつもりでいたけど、実は何も学んでいなかったという状態に自分がいないか、常々見直すことが大切でしょう。

また、私と同じように何も持っていないことを転職で自覚した方もいるかもしれません。大丈夫です。今からリスタートをすれば、十分に間に合います。気づけたあなたは理想に近づく権利をまだ持っているのですから。

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