ログインして記事ブックマーク、コメント投稿などすべての機能を使う。

close

テーマ

「変化に対処するスキル」という現代における必須スキルとは

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
BOOK MARK

『“未来を変える” プロジェクト』では、記事の制作段階でさまざまな方と議論し、フィードバックをいただきながら制作しています。今回は月間150万PVを超える「仕事・マネジメント」をテーマにした人気ブログ「Books&Apps」を運営する安達裕哉さんに「変化に対処するスキル」をテーマに寄稿していただきました。

PROFILE

ティネクト株式会社 代表取締役 安達裕哉
安達裕哉
ティネクト株式会社 代表取締役
1975年、東京都生まれ。Deloitteにて12年間コンサルティングに従事。大企業、中小企業あわせて1000社以上に訪問し、8000人以上のビジネスパーソンとともに仕事をする。現在はコンサルティング活動を行う傍らで、仕事、マネジメントに関するメディア『Books&Apps』を運営し、月間PV数は150万を超える。

大手企業の多くの経営計画には、「革新」「イノベーション」「変化」という文字が並ぶ。「常に変わり続けなければならない」とのメッセージを、常に企業は発する。

もちろんこれは、中小企業も同じである。彼らの会社説明会のスライドには同じように、「変化を受け入れる」「変わり続ける」と言った言葉が踊る。

そしてこれは企業だけではない。研究所も学校も、宗教ですら「変革」を唱える時代になった。これは個人的には「変化至上主義」と呼んでも良いかもしれないと考えている。

そして、変化至上主義はわれわれに「常に変わり続けなければならない」と、圧力をかける。企業において「変われないなら、辞めてもらいたい」という肩たたきをする光景は、いまやめずらしいものではない。

ーーーーーーーーーー

元来、生物は怠け者だろう。余計なエネルギーを使わず、効率的に生きなければすぐに資源を使い果たしてしまうからだ。ところが、現代の企業はその状況に逆らい、「自ら変化を作り出す」ことに価値を置いている。

もちろん自然界の掟は適者生存である。環境に適応できなかった種族は滅びるのが必然だ。だが、現代ほど環境の変化が激しい時代は、有史以来なかったはずだ。

こうして、「生物としての人間」と「集団としての企業」の間に深刻な対立が生まれることになった。

人間は「変わる」のがそれほど得意ではない、という前提で考えると、現代が過酷な時代であるかがわかる。

農民の家に生まれれば一生農民として、王族に生まれれば一生王族として、職人の家に生まれれば一生職人として。

それぞれの生涯を全うできた時代は過去となり、変われなければどんどん経済的に下方に押しやられるという状況に皆、置かれている。「生涯変化、生涯学習」が、生活の水準を維持するだけでも必要な時代なのだ。

ーーーーーーーーーー

したがって、現代において最も身につけなければならない「スキル」の一つは、「変化に対処するスキル」である。変化を受け入れ、主導し、それをうまく楽しむ技術が一人ひとりに求められている。

では、「変化に対処するスキル」とは何だろうか。二人の人物の行動を比較してみよう。

ある大手製造業に勤める2名の技術者は、所属する部署が取り扱う製品の縮小を告げられた。一人をTさん、もう一人をOさんとしよう。

Tさんは「製品の縮小」の話を聞くと、現状把握のため情報収集を始めた。このような情報は社内の人よりもむしろ、マスコミやWebのほうが詳しいことも多い。

また、Tさんはしたたかに何人かの上役に目をつけ、今後どのような流れになりそうなのか、飲みの席で積極的に聞き出した。

さまざまな情報を当たると、どうやら事業環境の悪化というよりも、主力事業への集中を進めるために事業の売却も含めて検討しているらしい。

それを知りTさんは、「これはチャンス」と確信した。うちの会社の技術力はそれなりに知られている。売却となれば買い手が必ず現れるはずだ。だが、黙ってそのままここに在籍していたのでは、自分の身がどうなるかわからない。おそらく大きなリストラがあり、残った人は冷遇される可能性もある。

むしろここは積極的に転職を考えて、「会社の名前」がマスコミに取り上げられた直後くらいから動けるようにしておこう。「優秀な人は最初に動く」とよく言われる。転職先へのアピールにもなるし、転職の理由も話しやすい。

そして彼はうまく転職を成功させ、業界で最近急伸している優良企業への転職を無事に果たした。しかも、条件も希望通りである。

 

一方のOさんは「製品の縮小」の話を聴いても呑気に構えていた。「まあ、うちの会社は伝統的にリストラはしないし、業績も安定している。大した影響はないだろう」と、彼は思っていた。

上司などが飲み会などで少し話をしていることもあったが、聞けば、「いや、おれもよく知らないんだけど」という。同僚も「まあ、実際に縮小が始まれば、どう身を振ればいいかわかるかな、そのとき考えよう」と考えているようだった。

ところが最近になって、ポツポツと会社を辞める人が出てくる。聞けば、「部署ごと他社に身売りされるらしい」とのこと、事の真偽は分からないが、自分はどうなるのか、誰も教えてくれないのでとても不安だ。上司も相変わらず何も言ってくれない。

そしてOさんはある朝、目を疑った。自分の部門が他社に買収されたとの話。「誰も教えてくれなかった…」。Oさんは不安だったが、いまさらどうしようもない。来週はそのための説明会が開催されるとのこと。

噂では「今の会社に残って、待遇ダウンと転勤を受け入れるか、それとも外資系の買収相手の会社に転籍するか」を選ばされるらしい。

「転職しようか」とも考えるが、「まあ、転籍もありかな。転職みたいなものだろう」とたかをくくっていた彼はその1年後、大きなリストラの波に飲み込まれてしまうことをまだ知らない…。

 

TさんとOさんの話は一つの象徴的な話である。Tさんは変化をうまく利用できる人、Oさんは変化に翻弄されてしまう人だ。その差異の本質は、「変化に対処するスキル」の違いにある。

  1. 変化の発生を見極めるため、情報を自ら取りに行く。情報量の差は、力の差である。
  2. 変化が起きると、どのような結果が引き起こされるのかを想像する。仮説構築スキルは重要である。
  3. 仮説を立て、それをチャンスに転換できるかどうかを検証する。「変化を脅威ではなく、機会と捉える」ことが重要だ。
  4. 人より早く行動に移し、チャンスをものにする。最終的には行動力がものをいう。

もちろんこれは一つの例でしかない。しかし、「変化」のスピードが加速している現代においては、このスキルを身につけている者と、つけていない者の差は圧倒的になりつつある。

企業からオファーが届く無料サービス。
非公開求人や面接確約オファーなどの
求人情報が届くこともあります。
キャリアの可能性を広げる
スカウトサービス
スカウトサービス
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
BOOK MARK

いいね!していただくと
最新記事をお届けします。

コメントを送る

関連する記事

テーマ一覧を見る

タグ

タグ一覧を見る