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部下の転職相談で気づいた自分のマネジメントの過ち

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キャリアの大きな転機となる「転職」。では、これからの転職においてはどのような視点を持つべきなのか。数々の転職やキャリアに関する相談を受けてきた、元大手通信キャリア 事業部統括の50代男性の方に「印象に残っている転職相談」について寄稿していただきました。

PROFILE

元大手通信キャリア 事業部統括 50代男性
元大手通信キャリア 事業部統括 50代男性
インテリジェンス i-common登録
化学メーカー、大手通信キャリアにて営業部統括を経験。現在は営業戦略や営業部強化などを中心にコンサルティング活動を行っている

転職やキャリアに関する悩みは、人それぞれだと思います。今回は、私の印象に残っている転職相談をご紹介します。

その相談とは、私が30代後半のころに受けた部下からの相談でした。彼は前向きな性格で、失敗しても後悔せず、かならずその失敗を次に生かすタイプで、同じ失敗を繰り返さない信頼できる部下でした。確実に次世代のマネジャーになる素養を持っていたので、会社としても何とか引き留めたかったのですが、彼の意志は強く、覆ることはありませんでした。

部下が去る親離れの感覚。そして・・・

可愛がっていた部下ということもあり、退職後もたまに飲みに行く機会がありました。新しい会社のこと、人間関係のことなどを話す彼を見て、昨日まで身内だった人間が急に他人になってしまったようなさみしい気持ちが込み上げてきました。一方で、頑張ってほしいという期待もしていました。

月に一度は飲みに行き、メールでコミュニケーションを取る日々が続いていましたが、転職して半年くらいが経ったころから急に連絡が来なくなりました。そのときは「仕事が忙しいのかな」と親離れの感覚でいました。

それから何となく私も彼への意識が薄れていた2年後に、1通のメールが届きます。会って話がしたいという誘いのメールでした。1年以上会っていなかったので、私はワクワクしその日は朝から気持ちが高ぶっていました。

しかし、彼に会ってそんな気持ちは一変。駅で待ち合わせし、「ご無沙汰しています」と声を発する彼は、私と一緒に働いていたときとは違い、何となく疲れているように見えました。そして、今日の話は何かネガティブな悩みの相談なのだと理解しました。

話を聞くと、転職してから半年後に再度転職したと言います。前向きな彼がなぜ半年で会社を辞めたのかと疑問に思いました。彼いわく、どんな環境下でも自分のこれまでの経験があれば乗り越えられると思って転職したが、職場の環境や仕事の進め方のギャップが大きく、最終的には上司との関係が何ともうまくいかず辞めてしまったということでした。

なぜ相談してくれなかったのかと問うと、自分の意思を尊重して辞めさせてくれたのにさすがに転職先でうまくいっていないとは言えなかったというのです。一緒に働いていたころに、「お前はいつも前向きだな」と彼に言っていたので、尚のこと相談しにくかったのではと感じました。

さらに今の会社でもうまくいっていないので、結論戻ることができないかという相談でした。人手不足もあり、日頃から彼が返ってきてくれたらと思うところはありましたが、どのように人事に話を持っていこうか悩みました。

会社にいたころの評価がポジティブだっただけに、転職後半年で辞め、その次も1年ほどで退職することが彼の評価を落としてしまうのではないかと思い、一度話を預かり、彼にとってベストな選択を考える時間を作りました。結果、隠すこともできないので人事に正直に伝え、彼の再入社が許可されました。

人材育成に対する過信が招いた結末

この転職相談を挙げた背景は、自分に「出戻り」の経験がなかったため印象に残っているのと、私の部下育成に問題があったということです。

会社内での部下育成はうまくできていたと思いますが、それは会社に留まる部下の育成のみだったのかもしれません。当然、社員の育成としては正しいのですが、ビジネスパーソンとして育成するという意識が欠落していました。

組織運営上はどうしても自分がマネジメントしやすいように育成しがちです。しかし、それでは自分の元でしか活躍できない人間しか育たないということを今回のケースで痛感しました。

そして、社員として育成するとともに、ビジネスパーソンとしても成長させていくことも重要だと、この相談を機に考えるようになりました。皆さんの上司は、皆さんをビジネスパーソンとして引き上げてくれているでしょうか。

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