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転職相談から見える潜在的な満足を満たす労働とは

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キャリアの大きな転機となる「転職」。では、これからの転職においてはどのような視点を持つべきなのか。数々の転職やキャリアに関する相談を受けてきた、元消費財メーカーマーケティング部部長の40代の方に「印象に残っている転職相談」について寄稿していただきました。

PROFILE

元消費財メーカーマーケティング部部長(40代)
元消費財メーカーマーケティング部部長(40代)
パーソルキャリアi-common登録
某外資系ソフトウェア会社でEコマース事業立ち上げ。その後、消費財メーカーのデジタルマーケティング部部長を経て、現在はグロースハッカーとして活躍

最近、話を聞いた瞬間、驚いて返す言葉も見つからないという転職相談を受けました。

相談主は、クリエイティブなポジションで順調にキャリアを重ね、十分な成功を収めた方です。おそらくご自身で想定していたよりも早い段階で考えうる最高のポジションに到達したため、次のキャリアをどうするか悩まれていたのでしょう。

あるとき私に電話があり、「介護士として社会に関わりたい」と言い出したのです。一瞬返す言葉もなく、茫然とする私に背景を少しずつ話してくれました。

今の仕事を選んだ理由

彼は、もともと小さいころから昆虫が好きで、小学校から高校まで絵を描くのが得意だったそうです。それから美術大学と海外留学を志し、現在のクリエイティブな職業に携わってきました。若手のころはほとんど家に帰らず、とにかく必死に目の前の仕事に打ち込むことでスキルが上がり、評価も伴うようになったそうです。

しかし、自分がしたいことに立ち返れば、やはり社会に貢献するようなことができないものか、日々考えていたということでした。華々しい実績もあり、なぜ介護士という分野が大きく異なるところへキャリアチェンジをしなければならないか、私には理解できませんでした。

ここではあまり触れられませんが、介護士の仕事が重要なことは誰も否定できません。それに、圧倒的に人材が不足しているなど多くの問題を抱えていることも認識していましたし、この分野についてはもっとさまざまな議論が必要だと思います。その上で驚いたというのが正直な気持ちでした。

現在の職業でも社会に大きく貢献しているのです。にも関わらず、ゼロからのキャリア構築が必要な介護分野への転職ということで、私はとにかく驚いてしまったのです。

ありきたりな質問ですが、現在の職業で社会に貢献できればよいのではないかという単純すぎる疑問をぶつけました。しかし、どうせやるならもっと社会に貢献できることがしたいという彼の意思は変わりませんでした。後に分かることになるのですが、このときはまだ彼の本質的な転職の理由を私は理解できずにいたのです。

できる人ほど、原点回帰主義

「原点回帰」など使い古された言葉なのかもしれませんが、実際に行うのはとても困難だし勇気が必要です。

世の中には多くの成功された方がいます。一生かかっても使いきれない資産を保有されている方もいます。しかし、働かなくても十二分に生活できるという人にかぎって長く社会と関わっている方が多いように感じます。

金銭は労働の対価の一つであり、彼がしようとしていた選択は対価で見ると明らかに非効率な選択です。なぜなら、これまでと同じように仕事をしていれば同じだけの賃金が入ってくるのですから。

しかし、「やりがい」をベースに仕事をされる方ほどキャリア形成に成功されている方は圧倒的に多い。あくまで私の感覚値ではありますが、賛同する方も多いのではないでしょうか。

労働の本質を考える

原点を大事にするから成功に近づくのか、あるいは成功したから原点に返るのか、どちらなのでしょうか。私はこの領域に達していないので分かりませんが、どちらもあるというのが一番正しい答えなのではないかと思います。

不思議なことに転職の相談を受ける場合には、次の言葉を聞く機会が多いように感じます。それは、「パッションとモチベーション」です。

もちろんこれは人によって定義が異なります。そして、このように定義が不明確な感情に根差したものほど転職へとつながるようです。

ではこのような感情の原点にあるものを考えるとやはり幼少期の体験や価値観であって、そのことが自分たちの労働に対する考え方や意味に大きな影響を与えるものなのだなと思います。

先ほどのクリエイティブの方は昆虫という儚い命との接点が、最期のときを迎える介護の現場に対する興味を起こさせたということが最近分かりました。原点や本質といえば簡単ですが、しっかりと自分を見つめないとできない。一日数分でも考えてみようと思っています。

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