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管理職の資質を問う「一つの質問」

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『“未来を変える” プロジェクト』では、記事の制作段階でさまざまな方と議論し、フィードバックをいただきながら制作しています。今回は、主に大手メーカーで実績を上げ、豊富な人事の役員経験をもつ柴田実さんに、エグゼクティブが「管理職面接でかならず質問すること」をテーマに、寄稿していただきました。そこには、管理職の資質を問うエッセンスが詰まっていました。

PROFILE

柴田実
柴田実
パーソルキャリア i-common登録
昭和53年東京大学法学部卒業。コマツ、東京エレクトロン、ユニデン、リゾート企業、ヴィクトリア、日本色材工業研究所など、機械メーカー、電気メーカー、化粧品メーカー、リゾート産業、小売業で人事部長、総務部長、事業開発部長、管理本部長、役員を歴任。その知識、経験を買われて厚生労働省の「女性の活躍推進協議会」の委員に就任。現在株式会社ヒューマンフォワード代表取締役として人事給与制度の立案実施、女性活躍推進計画立案実施、労働安全衛生体制整備等人事関連業務のコンサル、企業向け営業支援等の業務に従事。i-commonサービスも活用し企業の顧問としても活躍中

管理職とは何か?

話を始める前に、まず「管理職とは何か」ということからお話します。

会社が数人から十人程度の構成のベンチャーの域にあるならば、社長は全員に目が届きますので、直接社員を指揮、監督することが可能です。それが会社の規模も徐々に大きくなり、社員数も数十人、数百人になってきますと、社長が全員を指揮、監督することは不可能になります。

そこで社員の中から「管理職」と呼ばれる、社長に代わって社員を直接指揮、監督する役割を担う人が置かれます。管理職は、社長の意向に対して担当する組織の人員をまとめ、成果を出すべく期待される人というのが、私が考える管理職です。

では、管理職に必要な資質とは何でしょうか。

管理職の資質として必要なものは、担当する組織を指揮、監督していくリーダーシップです。これがなければ、組織をまとめることはできません。また、担当する組織をまとめ、組織に期待される結果を出していくためには、目標を達成するという強い意欲、姿勢とチャレンジ精神がなくてはなりません。

さらに、目標を達成するためには、常に自らの組織力を強化していかねばなりません。そこで必要なことは、部下の育成です。

以上挙げた、リーダーシップ、チャレンジ精神、部下の育成が、どの企業においても求められる管理職の資質です。これらの資質をもっているかどうかは、管理職の登用試験や管理職ポストの中途採用試験において、また社内の役員と部下の管理職の期ごとの育成面接においても、常に管理職は問われ続けていくわけです。

しかし、実際の管理職面接において「あなたにはリーダーシップがありますか?」「あなたはチャレンジ精神をもっていますか?」などと聞かれることはありません。私は、何回も転職をしましたが、そのように直接的に聞かれたことはただの一度もありません。

人事担当役員として、長年管理職の面接もしてきました。管理職ポストの中途採用面接は百人や二百人ではきかない数を担当してきましたが、私も直接そのような質問をした経験はありません。

管理職面接でかならずする質問とは?

私は面接で管理職の資質を確認する場合、かならず「あなたの管理職としての強みはなんですか?」と聞くことにしています。

採用面接の場面で、自分の弱点はなかなか言いにくいものです。これに対して自分の強みをアピールできるわけですから、この質問にはのびのびと答えられるはずです。そのうえで、答えの内容が重要になります。まず「管理職としての」と限定されていますので、管理職の役割をしっかり意識し認識しているかどうかが、答えに表れます。

次に、先に挙げた管理職の資質が、答えの強みに入っているかどうかが問われます。人間は正直なもので、のびのびと答えられるような場面ではつい本音が出るものです。たとえ、本当は不得意なことをあたかも強みであるかのように繕って言ったとしても、百戦錬磨のエグゼクティブの目をごまかすのは難しいでしょう。つい、言いよどんだりするものです。

私は強みを挙げてもらったら、かならず今までに経験した、強みを発揮した具体的な事例を挙げてもらうことにしています。強みを発揮した事例を聞けば、それが本人の言うほど強みになっているのかは、すぐに判断できてしまうものです。そして、「その程度ではとても強みとは言えないなあ」という場合が多いのです。

強みをよどみなく事例も含めて答えた人には、「それではあなたの管理職としての弱みはなんですか?」と聞くことにしています。これは強みを言った後なので、最初に「弱みはなんですか?」と聞いた場合よりも本音が出やすいようです。

面接は面接者と相対して行うので、気持ちや心の動揺が態度に出やすいものです。よほどの強者でないかぎり、心の動揺は顔の表情や視線に現れるものです。そんな微かな変化も経験を積んだ役員には見透かされてしまうものです。たとえ虚勢を張って面接に通ったとしても、その後にボロが出てしまうに違いありません。

結局は、真摯にありのままを管理職面接では告げること、また管理職面接に十分耐えられるだけ自分を磨き続けることが肝要なのです。

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