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「いつか」は決してやってこない。50歳を迎える知人からの転職相談

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キャリアの大きな転機となる「転職」。では、これからの転職においてはどのような視点を持つべきなのか。数々の転職やキャリアに関する相談を受けてきた、フリーWebコンサルタントの方に「印象に残っている転職相談」について寄稿していただきました。

PROFILE

フリーWEBコンサルタント(40代後半・男性)
フリーWEBコンサルタント(40代後半・男性)
インテリジェンス i-common登録
大手人材会社からキャリアを始め、不動産系ポータルサイト運営会社のマーケティング部統括を務めた後、フリーのWEBコンサルタントとして独立

今回紹介する転職相談は、私の大学時代からの友人の話です。私も彼も、もうすぐ50歳を迎えようとしている年齢で、彼は現在までに4回の転職を経験しています。

  • 大学卒業~20代中盤:商社 営業職
  • 20代中盤~30代前半:不動産 営業職
  • 30代前半~30代中盤:証券 営業職
  • 30代中盤~40代前半:不動産 営業職
  • 40代前半~現在:人材 営業職

彼のキャリアは業種はさまざまですが、営業職という点は共通しています。そして、これまで明確な役職がついたことは一度もありません。「明確な」というのは、彼からもらう名刺に表記がされていなかったという意味です。

その彼から、2カ月ほど前に再度転職の相談を受けました。またか、というのが本音でしたが、大事な友人の話なので相談に乗ったところ、これまでの転職相談とは少し内容が違うことが分かりました。

ただ聞くだけの転職相談

過去の転職相談に関しては、一貫して不満が中心でした。まわりの営業メンバーと合わない、会社の営業方法がまずい、上司と向いている方向が違うなど、営業職の方であれば理解できる話かと思います。特に会社の期末が近づくと、その不満はピークを迎えていました。

2回目の転職までは、組織に不満があるのであれば自身が改善を図る行動をする、自身なりの戦略を上司に提案するなど、受け身にならず自発的にアクションをすることも大切だと助言をしていました。しかし、40歳を過ぎたころからは不満については「聞くのみ」でした。

社会人歴20年間、職種がずっと同じだった人間の価値観やスタンスを変えるのは容易ではないという判断からでした。今回も、実は同じような話で会社を辞めるためのきっかけ作りの飲み会だろうと足を運びました。

初めて感じるキャリアの不安

飲み会が始まってすぐに分かりました。「今日の飲み会は雰囲気が違う」ーー。

そう思ったのは彼の口数の少なさからでした。いつもであれば、乾杯後にマシンガンのように出てくる不満が一向に出てこず、私もフワフワとしてどうしたものかと思いました。いつもならお開きにするくらいの量を飲んだところで、彼が静かに「これからのキャリアをどうしよう」と話し始めたのです。

彼の口から「キャリア」というスケールの大きな言葉はこれまで出てきたことがなく、彼の悩みの深さが推測できました。50歳を前に、現在の不満よりもこれからのことを考えたときの不安が勝ったのだと、話を聞きながら感じました。

「いつか」はもう来ない

これまで4~5年おきに転職してきたので、彼としては労働人口の中で自身のポジションは感覚的にまだまだ若いほうだと錯覚していたことを、今回、転職支援会社に相談をした際に実感したと話してくれました。

キャリアを意識せず、現状を改善することだけを考え転職を続けてきたため、50歳を迎えるに当たり選択肢が極端になくなっていることに初めて気がつき、これまでにない不安を感じたということでした。

社会人としての20数年のキャリアで、残りの10数年に活かされるキャリアが構築されていなかったことを実感した彼は、焦りと不安が一気に吹き出てきたようで自分の現在地をよりリアルに把握していました。

いつかは上がると思っていた年収、いつかは確立できると思っていたポジション、いつかは誰かに自慢できるような仕事ができると思っていた、その「いつか」が訪れない可能性が高いことを彼はやっと理解できたのです。

求められるのは、覚悟を決めること

彼から私なりの助言を求められたのですが、選択肢は一択だと思い伝えました。

「転職せずに、今の会社で可能なかぎりのチャレンジをすること」

今できるすべてを捧げたほうがいいと伝えました。転職は繰り返してきましたが、20数年の営業としてのキャリア、経験はリスペクトできるものだと思います。その経験をキャリアの武器として、今の会社で最大限活用すること。そして、役職としてのポジションも当然ですが、会社における彼自身の居場所、個としてオンリーワンのポジションを作っていくことが必要だとアドバイスしました。

50歳を迎えようという年齢で働くスタンスを変えることは非常に困難かと思いますが、不安を払拭し、自分のこれからのキャリアに希望を見いだしたいのであれば覚悟が必要だと、私は誠心誠意、彼に伝えました。

将来を見据えた転職を

労働人口が減少し、転職の選択肢が増えている現代では、今回紹介した彼の予備軍も増えてくるのではないかと考えています。転職理由にはさまざまあるかと思いますが、目の前の転職が将来のキャリアに何をもたらしてくれるのかということは、20代、30代前半に転職する際にかならず考えておく必要があるでしょう。

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