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成功からの大失敗。事業撤退から学んだ転職の本質

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キャリアの大きな転機となる「転職」。では、これからの転職においてはどのような視点を持つべきなのか。56歳の元外食メーカー部長職の方に「事業撤退から学んだ転職の本質」について寄稿していただきました。

PROFILE

元外食メーカー部長職(56歳)
元外食メーカー部長職(56歳)
パーソルキャリア i-common登録
大手外食チェーンに入社後、店舗開発を行い、異業種へヘッドハントされるも、新規事業として外食産業の立ち上げを試みるが失敗。その後、再度飲食業界へ転職し、店舗開発、業態開発を専任し、部長職を経験後、フリーの飲食コンサルとして独立。中小の不採算店舗を抱える飲食店の支援を中心に活動している

ビジネスマンの成功を夢見た30代

「30歳を一つの区切りとして」という男性は多いかもしれません。

私も今から20数年前、その想いで転職を考え始めました。同期と比べて突出した成績や技量があるわけではありませんでしたが、「自分はできるほうだ」という根拠のない自信は人一倍持っていたような気がします。オフィス街で、手入れのされた靴にナショナルブランドのバックを持つ人とすれ違うたびに、「いつか自分も・・・」という想いを持っていました。

当時私は、外食産業のレストラン事業部で店舗開発をやっていました。新店舗の候補地を探し、オープンを迎えるまでが私の担当です。オープン後は別の運営担当者に委ねられるのでお客さまとは遠い位置にいると感じていました。しかし、課長という役職もあり、待遇自体に大きな不満もなく日々を過ごしながらビジネスマンとして成功する夢を見ていました。

責任者という響きに負けた自分

そんな中、思いもよらない話が舞い込んできます。「新規事業で飲食をやるので部署の責任者として来てほしい」ということでした。不動産がメインの企業だったので、飲食業界から責任者を招き入れ、あとは既存のメンバーを異動させて事業化していき、会社の第二の柱にしたいという想いを聞かされました。

当時は日本経済の景気も良く、飲食産業も潤っていました。ビジネスとして成功するという観点よりも、私は「責任者」という言葉に胸が躍りました。社内で飲食業に対して一番詳しいのは自分であり、事業が成功すれば自ずと地位も上がっていくはずという甘い考えがありました。

年収は下がってしまいましたが、将来を買ったつもりの転職でしたので、責任者というポジションさえあれば当時は大満足でした。結果は、運も味方して成功を収めてしまうことになります。

予想外の成功。そして慢心が生んだほころび

メインの事業は不動産の会社なので、出店に向けた動きは軽快でした。好立地な場所を確保でき、さらに好景気という追い風を受けて新規オープンというだけで客足も集まりました。

1店舗目を出してから1年間で5店舗を展開し、2年目には30店舗まで拡大。当初の予定通り、私の会社での地位も毎月上がっていきました。3年目のボーナスで考えたのは、ピカピカの靴ではなく、マンションの購入など少し大きな夢を見てしまうものでした。

しかし、ほころびがすぐに出始めました。

それまでレストランの業態で出店していたのですが、新業態として居酒屋も展開していくことに。レストラン事業の経験はあるのですが、居酒屋に関する経験はなく、手探りで進めていました。ここから少し、運気に陰りが見え始めます。

居酒屋の出店を始めたころに景気が悪くなってきてしまい、不採算店舗が出始めます。入社した当時から失敗についてはまったく考えておらず、今ではおそろしくて想像できないのですが、不採算店舗が出ることは想定していませんでした。

私は、飲食業の中で出店に関する知識はありましたが、不採算店舗の運営やその後に関する知識は一切ありませんでした。当然、社内にも私以上の知識を持つ者もいないため、すべての判断が私に委ねられました。

それから数年のうちに、飲食事業からの撤退が決まります。事業とともに私も必要のない人間となりました。

大事なことは、どのポジションでどの船に乗るのか

私は、自分が何者なのか、何ができるかを理解しないまま、甘い考えで転職してしまいました。その結果、自分が運転できる規模以上の船の舵を切らなければいけなくなりました。大学を卒業後、10年あまり身を置いただけなのにも関わらず、転職後の社内には経験者が誰もいないことで自分が飲食業のプロだと錯覚してしまいました。

責任者を務めるということは、責任を負うだけの技量がないといけないと失敗して初めて分かりました。今ならば、責任者としてではなく、「店舗開発に関して人員が必要ならば入社します」と言えると思います。

事業撤退してからの私は、高価なスーツや時計などを手放し、イチから飲食業に関わる経営のすべてを学びなおす覚悟で、再度飲食業界へ転職しました。その経験が糧となり、今は中小の飲食店のコンサルタントとして個人でやっています。

今の転職市場には中規模以上の船の船長クラスの求人が多数あるでしょう。自分が本当に船員ではなく船長として活躍ができるか、根拠のない自信を抜きに考えて行動してください。チャンスが多い分だけ、これまで以上にキャリアにおける失敗は大きなキズになるかもしれません。

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