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「他社のほうが自分の能力を発揮できる」と言った20代の転職相談から考えること

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キャリアの大きな転機となる「転職」。では、これからの転職においてはどのような視点を持つべきなのか。数々の転職やキャリアに関する相談を受けてきた、元大手飲料メーカー役員の方に「印象に残っている転職相談」について寄稿していただきました。

PROFILE

元大手飲料メーカー役員(60代)
元大手飲料メーカー役員(60代)
インテリジェンス i-common登録
大手飲料会社へ入社。営業、マーケティング、物流部門にてマネジメントを経験。執行役員として商品・宣伝・営業・物流の4部門を統括。現在はi-commonに所属し、顧問として活動中

ビジネスパーソンとしての35年ほどのキャリアの中で、さまざまな転職相談を受けてきました。今回は、過去と直近に受けた相談内容の違いから感じることをご紹介します。

今から20年ほど前、私が30代のころは大手企業に就職して一社で管理職を目指すのが正しいキャリアの築き方だという風潮がありました。人気のビジネス書も『社内で出世するには』という内容のものが多かった気がします。まずは、そのころに受けていた相談をご紹介します。

20年前のキャリア視点:管理職に対する憧れ

そのころ社員から受けていた転職相談は、上司に嫌われているような気がする、どうしたら気に入られるのだろうかというものから始まり、結局、上司との関係がうまく築けないという類のもの。「若いうちに転職しようと思う」というのが私に寄せられる相談のほとんどでした。

当時のキャリア形成の考え方がよく表れているものだなと感じます。職種の専門性や幅としての万能性よりも、その会社で働くことに対する理解力や人間力が重要視されていました。多少語弊はあるのかもしれませんが、現在から過去を見た私の感覚値としてはそうでした。

労働市場において実力のある者が社内に存在するケースが多く、そうであれば社内で立ちまわりのうまい人間が重宝されるのは理解できます。管理職になることがキャリアの成功例でした。そのため、上司との関係性=自身のキャリアを読む指標となっていました。キャリアが読めなくなるから転職しよう、というのが20年ほど前の転職相談でした。

現代のキャリア視点:個力を磨く、個力を評価する

20年前と最近の相談を比較すると、まったく内容が異なります。上司に関する相談など社員から聞くことはまずなくなりました。その代わり、多くの相談は自分の可能性を個力と表現し、それを発揮できる場所をより外へ求めるようになってきています。

最近、私が若手のビジネスパーソンから受けた相談の中で驚いたのは、「自分の持っているスキルや特性は、自社で活用するよりも別のA社で活用したほうがいい気がするのですがどう思いますか?」というものでした。

相談主はなんと25歳。社会に出てまだ2年そこそこの若者でした。20年前では、スキルという言葉は技術者の実力を測る言葉でしかなかったと思います。新卒で入社してからたった数年で、キャリアの中で個力を意識する時代になってきたのだと感じました。

その背景にあるのは、労働人口が減少する中で労働力を個力でカバーすることにフォーカスしすぎているからではないかと思います。スキルという言葉を使う20〜30代の相談者に対して、われわれ50代後半以上で一つの会社でキャリアを形成してきた人間がするべきアドバイスは何なのか、私自身も最近悩んでいます。

これからのキャリアの視点:個力を発揮させる土壌が会社にあるか

私が最近思い直したことは、「個力に対する過度な注目には気をつけるべき」ということです。個力があり、専門性を持った「尖り人材」は世の中によく見られるようになりました。年齢関係なく、実力が評価されるのは社会にとってはいいことです。

一方で、その尖り人材を管理する有能な管理者が圧倒的に不足しているような気がしています。個力をまとめる実力を持った人材が、近年の風潮では育ちにくいと感じます。20年前は管理職というポジションへの憧れが強く、それがすべてというような時代でした。それから、あまりにも急速に個力が評価される時代へと移り変わってきているのではないでしょうか。

「A社にはいい人材がそろっている、だから私はA社で管理職として面白い仕事がしたい」――そんな趣旨の転職相談が私のところへ来ないのは、私個人の問題ではないような気がしています。

皆さんもやはり個力が大切なのでしょうか。その個力を探している会社は多くあるでしょう。では、その会社に個力を活かせる土壌はしっかりとあるのでしょうか。いい上司はいるのでしょうか。

もしいなければ、あなたがなるという選択肢はないのでしょうか。管理職というポジションの個力には、魅力は感じませんか?

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