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印象に残っている「同僚の奥さん」からの転職相談

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キャリアの大きな転機となる「転職」。では、これからの転職においてはどのような視点を持つべきなのか。数々の転職やキャリアに関する相談を受けてきた、元大手化粧品メーカー役員の方に「印象に残っている転職相談」について寄稿していただきました。

PROFILE

元大手化粧品メーカー役員(62歳)
元大手化粧品メーカー役員(62歳)
(インテリジェンス i-common登録)
大手化粧品メーカーで営業・マーケティング、購買部門を経験。現在は中小の化粧品OEMメーカーの経営支援を行っている

転職に関する突然の連絡

私の印象に残っている転職相談は、私が40歳を過ぎたころに受けた相談でした。転職しようとしている彼と私は、大手化粧品メーカーの同期入社で、それまで経理財務としてキャリアを積んでいました。

彼は社交的なタイプではないのですが、なぜかまったくタイプの違う私とは入社以来の飲み友達でした。お酒の席でもあまり自分の話をすることもなく、私の会社への愚痴やプライベートの話を笑いながら聞いてくれていました。

家族ぐるみの付き合いもあり、彼の奥さんとも面識がありました。その彼の奥さんから急に連絡がきました。相談があるので彼には内緒で私の自宅へ来てもいいかというものでした。

奥さんからの相談

私の妻に、彼に内緒で奥さんが相談に来ると伝えると、妻は「離婚の相談じゃないの?」「お金ならないわよ!」「ペットも預からない!」などと、そわそわし始めました。

離婚の話にしても彼が浮気などする性格でもないし、仕事でファイナンスをやっている彼が借金をするわけもなく、ペットも熱帯魚を飼っているのは知っていましたが、預けるほどのものではないなど、私も何の相談だろうとドキドキしていました。

家のチャイムが鳴りました。

彼の奥さんがリビングに入ってくると、開口一番に「彼を止めてください」と私に懇願したのです。「何を?」と聞き返すと、「彼が会社を辞めるのを止めてほしい」ということでした。

ホッとしたのと同時に、まさか彼が会社を辞めるなんて言い出すとは私には想像できなかったため、驚きの第二波が到達しました。奥さんは、私が彼の転職のことを知っているものだと思い相談に来たようなのですが、私もまったく相談を受けてはいませんでした。

状況を把握した奥さんは、彼には内密にということを前提に話をしてくれました。

彼は会社の先輩に誘われ、先輩が独立して作った会社に転職しようとしているとのこと。当然、その会社の先輩も私が知っている人物だったので、事態はすぐに把握できました。

先輩が作った会社は経営状態もよく、急成長している会社でした。ただその先輩は営業上がりのため財務面に長けてはおらず、信頼できる財務の人間を欲しがっているのだと推測できました。

その先輩がまわりを見渡したときに、彼でなくてはいけなかった点が2つあります。

1つは、財務面において彼が非常に優秀であること。そしてもう1つは、言い方が難しいのですが、いい意味で「財務としては」優秀であったことです。

「財務としては」というのは、私たちが当時籍を置いていた会社の出世コースは40歳までに少なくとも2部署を経験しておくのが通例でした。しかし、彼は入社以来ずっと経理財務の部署にいました。

当然、適正が評価されてということもあったのでしょうが、対外的なコミュニケーションをみると大手企業の管理職向きではなかったというのが正直なところです。しかし、職種のプロだなと社内から一目置かれていたのは間違いありません。

そのポジションを把握した上での、先輩からのオファーなのだと推測しました。

ビジネスパーソンとしての夫への理解

まずは彼に相談してからとも思いました。しかし、彼が奥さんに話したということは彼の中でチャレンジしたいという意思が固まっているということ。

私は、彼にもキャリアに対する欲があったのだと知って少しうれしくなり、「応援したい」という気持ちが沸き立ちました。そして、奥さんに私の意見を伝えました。

まず、転職先の会社の状況はすごく順調であるということを伝え、経済的な安心感を与えました。そして、その成長を促進するためには彼の力が必要だということを伝えました。彼が、ビジネスパーソンとしていかに優れているか理解してもらうために、社内の評価を聞いてもらい、最後に彼が「会社に残った場合」の話をしました。

奥さんはプライベートの彼は見えていても、ビジネスパーソンとしての彼を見たことはなかったはずです。私は妻に仕事の自慢話しかしない人間でしたが、一方の彼は家庭で仕事の話をしているところが想像できなかったので、ビジネスパーソンとしての彼を知ってもらいました。

彼のビジネスパーソンとしての力量とこのまま会社に残るという選択肢を取った場合を考えると、客観的に見てチャレンジしてもいいと私は冷静に判断し、彼を止めることはできないと奥さんに伝えました。

家族に、自分の意向をちゃんと見せることの大切さ

後日、彼からお礼の連絡をもらいました。奥さんから相談のことを聞いたようで、転職することで落ち着いたということでした。

当時よりも転職によってつかめるキャリアの選択肢は増えていると思います。既婚の方が転職する際には、家族の同意や応援が独身の方よりも必要となると思います。

家庭に仕事は持ち込みたくないという方もいらっしゃるでしょうが、男女問わずパートナーにビジネスパーソンとしての自分の理解をもらっていたほうが、よりよい転職ができると思います。

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