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大手企業経営者が振り返る、キャリアでもっとも成長した時期

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『“未来を変える” プロジェクト』では、記事の制作段階でさまざまな方と議論し、フィードバックをいただきながら制作しています。長いキャリア人生の中で、もっとも成長したときとはどんなときか。今回は、元大手飲料会社で営業職からキャリアをスタートさせ、最終職位が執行役員というハイキャリアを築かれた方に、「ビジネスパーソンとして成長するとき」について、寄稿していただきました。

PROFILE

元大手飲料メーカー役員(60代)
元大手飲料メーカー役員(60代)
パーソルキャリア i-common登録
大手飲料会社へ入社。営業、マーケティング、物流部門にてマネジメントを経験。執行役員として商品・宣伝・営業・物流の4部門を統括。現在は、i-commonに所属し、顧問として活動中

ビジネスパーソン=人間としての成長?

過去に何度か、この『“未来を変える” プロジェクト』でコラムを書いてきましたが、今回は、「ビジネスパーソンとしての成長」というタイトルの内容としては「?」となる方も多いかもしれませんが、私の実体験を紹介します。私は、ビジネスパーソンとしての成長は、プライベートでの人間としての成長があってこそだと思っています。

成長前の私

私は、入社から10年ほど営業部に在籍していました。今のようにマーケティング機能がしっかりしているわけでもなく、「プル型営業」という言葉が存在しない営業部でしたので体育会系の愚直な人間が多く所属していたように感じます。

私も学生時代は体育部に所属していたので、「仕事は見て覚えるもの」だと何の疑問も思っていませんでした。その考えをずっともっていたので、入社1、2年めでは後輩に声をかけることもなく、黙々と仕事で結果を出し続けました。

3年めで部下をもつことになりましたが、その頃の上司の人選が最適だったのでメンバーも体育会系、毎日が部活のような日々でした。プレイングマネジャーと言えば格好はいいのかもしれませんが、部下にまったく目を向けなかった力量のない上司になりつつありました。この時点では、出世や結果を出すことがビジネスパーソンとしてのすべてでした。

きっかけはビジネスパーソンとしての「成長のズレ」に気づいたこと

入社5年めにして同期よりも出世しプライベートでは結婚するなど、絵に描いたような順調な日々を送っていましたが、入社7年めに上司から呼ばれ、初めて厳しい指摘を受けることになりました。

その指摘というのは、「部下の離脱が多い」ことでした。

私の部下の離職や異動願いが他のチームよりも多かったのです。営業の数字さえ達成していれば問題ないというのが、当時の私の率直な意見でした。そこで、一番信頼していた後輩を呼び、チームの現状やモチベーションについてヒアリングしました。そこで出てきた内容は、

  • 入社3年め未満のメンバーのモチベーションが低い
  • 数字を上げることにプレッシャーを過度に感じている
  • 私のことをおそれている
  • どうやら私のことを陰で「王様」と呼んでいるらしい

など、普段の営業会議の倍のスピードで項目が出てきました。私が考えるビジネスパーソンとしての成長のズレで、危うく裸の王様になるところでした。正直、部下を「部下」として見たことがなかったので、そのときは部下とどうコミュニケーションを取ったらいいのか本当にわかりませんでした。

家庭人としての成長が思わぬ効果をもたらした

上司としての成長が滞る一方で、子宝に恵まれプライベートはさらに充実していきました。妻には悪いと思いながら子供が生まれるまでは、仕事9割、家庭1割という頭でいました。

息子の誕生後はというと、何割かは言えませんが家庭人としての意識が芽生えました。息子が幼稚園に入ると、会社と別の人間関係が形成されていきます。自分自身ではなく、息子の親という属性としての社会での活動が増えていきます。

これまでよりも場の空気や些細な気遣いなどをするようになっていきました。この家庭人で磨かれた人間としての成長が、仕事にも自然な形で現れるようになりました。

そして子どもが小学校に入学する頃から、私の評価が少しずつ変わっていることに気づきました。まわりと自然なコミュニケーションができるようになり、若い社員からも質問や相談を頻繁に受け、部下の離職が劇的に少なくなっていました。

「仕事」という枠組みの中で解決できなかった問題が、家庭人の自分が習得した周囲の雰囲気を察して、部下の細かい表情の変化を見逃さず、小さな声掛けができるようになったことで解決されていったのです。

今回お伝えしたかったのは、ビジネスにおいて意識的に成長することも大事ですが、プライベートでの人間としての成長が、ビジネスパーソンとしての成長につながるケースもあるということです。

裸の王様が父親になったタイミングが、私にとってビジネスパーソンとしての一番の成長期だったと思います。すべてを仕事にそそぐことも間違いではないかと思いますが、いち人間としての経験値も大事にしましょう。

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