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現場マネジャーに贈る、成果を生む現場を作るマネジメント3つの秘訣

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変化の時代に強い現場を作るために重要なポイントは何か。そしてその理由とは。システム開発、営業現場、人材開発などさまざまな現場を経験し、いずれの場でも高い成果を挙げてきた廣井幹生さんに「自発的に動き、成果を出す現場を作る方法」について、寄稿していただきました。

PROFILE

廣井幹生
廣井幹生
パーソルキャリア i-common登録
慶應義塾大学経済学部卒業後、大手ビールメーカーにて九州で営業を4年、本社経営相談部、営業部などで量販企業との取り組み、ノウハウ開発、社員研修講師、特約店コンサルティング業務、システム開発業務、間接業務効率化を10年以上経験。その後、再び営業として九州や近畿地方で支社長などを経験し、営業戦略の構築やメンバーの育成を行い、売上日本一を経験

メンバーが自発的に動き、成果を生み出す強い現場を作るには3つのポイントを抑えることが大切です。

  1. 率先垂範を否定し、指示を出さずに考えさせる
  2. メンバーにNo.1スキルを身につけさせる
  3. 凡事徹底

1. 率先垂範を否定し、指示を出さずに考えさせる

一般的に求められるリーダー像は、率先垂範です。しかしながら、実際にはリーダーよりもメンバーのほうが現場に密着し、熟知していることが多いでしょう。

私もリーダーになったばかりのころ、メンバーに対して手取り足取り細かく指示を出していましたが、メンバーの自主性を阻害していることに気づき、メンバーからの「○○はどうしたらいいですか?」という質問に対して「君はどうしたい?」と投げ返すことで自主的に考えさせることを徹底しました。結果、内勤部門では生産性を向上させ、営業部門では4年連続で売上全国No.1の成績を挙げる組織となりました。

具体的な事例を挙げてみましょう。食品メーカーのセールスマンからの「スーパーマーケットの特売のエントリーをいつにしたらいいか?」との問いかけに、通常であれば「給料日明けの月末に特売をしてほしい」と返答するかもしれません。それが、「君はどうしたらいいと思う?」と問いかけると、給料日直前の「15日以降の土日にエントリーしたい」との返答。理由をたずねると、「得意先の顧客は年金受給者が多いので、年金受給日の直後が売上につながるはず」とリーダーでは指示ができない現場の活き活きとした情報に基づいた判断をしたのでした。当然、売上の最大化に大きく貢献できたことは言うまでもありません。

「率先垂範を否定し、指示を出さずに考えさせる」という考えにいたった理由は大きく2つに分けられます。

1つ目は、お客さまからの視点。顧客を第一に考えるのであれば、その次に考えるべき対象は現場の接点にいるメンバーであり、その下にサブリーダーがおり、その下にリーダーがいる。一番下が会社のトップである。組織図で言えば逆三角形、逆さまになったピラミッド構造だと考えるのがよいでしょう。

2つ目は、メンバーの自主性を発揮させるためです。指示をされ、いやいややらされる業務の生産性を100とすると、指示を受け、前向きに行う業務の生産性は140、指示を受けず、自分で考えて実行した場合の生産性はその1.4倍、つまり「196」の生産性を持っていると言われます。

読者の方にはぜひ、自分がメンバーだったころを思い出してほしいです。あれやれこれやれと言われてもつまらなかったはず。メンバーはロボットでも道具でもありません。人として。自分で考え、やる気を持って仕事をしたいはずだと信じることが大切です。よほど間違った判断でなければ、理由を聞いた上で実行させてみる。成功すればメンバーの成果、失敗したときの責任はリーダーが取るという覚悟があれば実現できるはずです。

そうするうち、メンバーは現状をきちんと把握、分析しなくてはリーダーの承認を得られないと考え、必死で考えるようになります。解決策へと先走らせないことが肝要です。

また同時に、完璧なリーダーではなく「隙のあるリーダー」を演じることで風通しの良い組織となるでしょう。メンバーが自分の考えを主張しやすい環境を作るには、管理ではなくリード、そしてリーダーに隙があることを見せることが大切です。

2. メンバーにNo.1スキルを身につけさせる

メンバーに「富士山の次に高い山を知っているか?」と聞いてみると、当てずっぽうで「南アルプス」などと適当なことを言うメンバーもいるかもしれませんが、中には「知らない」と答える人もいるでしょう。つまり、何を言いたいかというと、No.1でなくては誰も記憶にとどめてくれないということです。

私は、メンバーに対して「どのような分野でも、業務に直接関係なくてもいいのでチームでNo.1と誇れるスキルを身につけてほしい」と言い、毎年目標として明文化させ、スキルアップを図ってきました。

メンバーからは「商品をチームで一番知っている人になる」「エクセルのスキルを一番知っている人になる」といった業務に直接関係のある目標、新入社員からは「電話に誰よりも早く出る」といったやや微笑ましい目標、中には「書道が一番上手くなる」といった業務とかけ離れた目標も出ました。

そして、これらの目標をチーム内で共有しました。結果、商品知識が不足しているメンバーは商品知識のあるメンバーに相談しに行くように、パソコンの操作で困ったメンバーはエクセルを学んだメンバーに相談しに行くようになりました。特筆すべきは、書道を学んだメンバーが「香典袋を書いてほしい」「熨斗の表書きをしてほしい」と頼られる機会がチームで最も増えていたことです。

他のメンバーから頼られることが楽しかったようで、頼られたメンバーはやりがいを感じるようになり、身近にスキルを身につけているメンバーがいることでチーム力向上につながりました。メンバーはスキルを身につけるため社外で自己啓発を行ったようで、それによって社外ネットワークを構築し、幅広い人脈を持つようになったことも副産物でした。

3. 凡事徹底

「業績を上げる」「利益を上げる」「生産性を高める」というのはビジネスパーソンとして当たり前のこと。しかし、この当たり前のことがなかなかできないとき、その当たり前のこと自体を疑って他のやり方で成果を上げるようリーダーに求める会社は少なくありません。

しかし、単なる思いつきで当たり前のことと異なることを行っても成果は出ません。逆に、当たり前のことを指示を待たずに非凡なレベルまで継続することが一番難しいのです。そうした凡事徹底をメンバーに浸透させチームの風土とすることがリーダーの役割だと思います。ふとまわりを見渡してみても、「安全運転」「適性飲酒」といった当たり前のことが実現できずに会社の信頼を一夜にして失くしてしまった事例には事欠きません。

私のチームでは、「やれでやるよりやるでやる」を合言葉にメンバーの自主性を引き出していきました。リーダーへの「報連相」さえ行っていれば、当たり前のことを自分で徹底的に追い求めることを最優先させました。

すると、メンバーから「何をやったらいいですか?」という問いかけは一切なくなり、「私が◯◯しましょうか?」という問いかけに変わっていきました。結果、1とも重複しますが指示待ち人間が減っていきました。

20代前半の育成の時期を経て、20代後半から30代は会社から最も期待される時期でもあり、リーダーとしてますます成長できる時期です。この時期に自発的な成長をするかしないかによって差が生まれる時期とも言えます。

組織の中でリーダーとして活躍をするには、従来とは異なるスキルが必要です。メンバーを道具ではなく人として活躍させるスキルを身につけ、会社の目標を達成できるチームビルディングができるリーダーとなって活躍することを、読者のみなさんには期待します。

最後に。私は入社して6年目にはメンバーを持ち、システム開発、営業現場、コンサルティング、人材育成などさまざまな部署でリーダーとしての業務を重ねてきましたが、上記3点はいずれの部署においても有効な、チーム力向上のためのリーダーのスキルであったと思います。

メンバーには、解決策を先に考えずに現状を活き活きと分析し、そこで発見した事実に基づいた解決策を立案できる人作りがあってこそ、強いチームになります。

そして、人から頼られるようなメンバー育成を心掛けましょう。英語・数学・国語・理科・社会すべてが60点のメンバーが4人いるよりも、他の教科はまったくダメでも英語だけは100点、数学だけは100点、国語だけは100点、理科だけは100点、社会だけは100点のメンバーが4人いるほうがチーム力は高まります。

メンバーが指示を待たずに、自己研鑽を重ね、当たり前のことを当たり前ではないレベルで実行し、成果を挙げ、やりがいを持ち、生き生きと仕事に励んでいる・・・そんな組織作りで会社に貢献することがリーダーの使命と考えます。

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