他人に目標をたててもらうワークショップ(タニモク) 完全マニュアル

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公式の「他人に目標をたててもらうワークショップ(タニモク) 完全マニュアル」を公開しました。マニュアルやイベントの最新情報をこちらのホームページで公開しています。ぜひご覧ください。(更新日:2018.09.25)

>他人に目標をたててもらうワークショップ(タニモク) 完全マニュアル

2年前に公開した記事『「1年の振り返り」完全マニュアル』は、1万以上のいいね!、延べ閲覧数は約20万と大きな反響をいただきました。

また同時に、記事にある振り返りを実際に試した方々から、「振り返りをした後に、今度は斬新な方法で一年の計画を立てる良い方法を知りたい」という声を多数いただきました。

そこで『“未来を変える” プロジェクト』では、さまざまな角度から目標設定の方法について調査・検討・思案。最終的にたどり着いた結論が、「自分の状況を他人に説明し、他人に計画を立ててもらう」という方法でした。

この方法は実際に2017年1月に、さまざまなバックグラウンドを持つ40名のビジネスパーソン、学生、起業家を集めて実施したところ、

「予想を超えて面白い!」
「他人の目標を考えるのは、まるでRPGのように楽しめた!」
「枠組みそのものの現状打破パワーのすごさにインパクトを受けました」

など、その面白さと内容のインパクトについて、イベント終了後も興奮さめやらぬ様子で語られる状況となりました。

今回は、「他人に目標をたててもらうワークショップ(タニモク) 完全マニュアル」がなぜそこまでインパクトがあるのか、実際の参加者からのコメントを踏まえて深掘りします。そして、この「他人に目標をたててもらうワークショップ(タニモク)」の準備から集客、実施まで具体的な方法を解説。手順の解説では、ワークを助けるツールもダウンロードで提供します。

今回のアウトラインです。

INDEX読了時間:6

「他人に目標をたててもらう」ことの3つのメリット

参加者の多くは、実際にこの方法を試し、他人に目標を立ててもらうことで、今までの方法にはない以下の3つのメリットがあることに気づき、大きなインパクトを受けていました。

1:自分の発想になかった選択肢が可視化される

自分の発想になかった選択肢が可視化される

自分が今後行うべきことに対して、他の人は、自分が考えつきもしないような選択肢を、その人の経験と観点に沿って提示してくれます。今回の参加者からも、以下のような驚きのコメントが相次ぎました。

今まで、自分が教育をやってみる、校長をやってみるという選択肢なんて、まったく想像したことがなかったんです。ですが、将来の社会の変化に向けて、個々人に直接働きかけ、古い体制を打破するという点からすれば、現在行っているベンチャーキャピタルとしてのベンチャー支援と非常に近しいし、自分の方向とも実は非常に合致しているかもと衝撃を受けました(40代・男性・金融関連)

元々は小さかったうちの会社。今では上場から数年が経過し、社員数も1,000人を超えてきました。何か新しい刺激を求めて、新規事業でもどうかなあ・・・ なんてうっすら考えていました。それが今日のやりとりで、他の人に “休暇を取得して、アフリカで急速に発展しているFintech(金融✕テクノロジー)の会社にプライベートでインターンに行ってみたら、凄い刺激を受けますよ” と指摘されました。まったく想像もしていなかったですが、今はこれをやってみようととてもワクワクし始めています(40代・男性・人材業界)

2:うっすらと考えている話に強烈な後押しをしてもらう

他人に目標を立ててもらうにあたり、自分の現状についてつまびらかに説明をすることが、この方法の始まりです。自分が潜在的に感じていること、無意識に避けたり、考えないようにしていることについて他の人から率直に指摘を受けてドキッとしたり、後押しされたりする点に驚きの声が集まりました。

自分でも弱いなと思っていたところを見事に突かれて、ハッとしました(30代・女性・ネット系ベンチャーPR担当)

自分で勝手に決めた枠を取っ払って一歩踏み出そうと、新たな決意を胸にしました。本当に目からウロコでした(40代・男性・組織開発)

「他人に目標を考えてもらうというのは本当に良いのか?」と半信半疑でしたが、いざ実際にやってみると、隠しているところをズバッと提案に入れてもらえたのが面白かったです(30代・男性・語学サービス)

3:他人の計画を立てることが面白い

他の人の計画を立てるという経験は、日常ではほとんどあり得ないことです。今回の参加者からは、「まるで他の人の中に入って、その人の人生を楽しんでいるかのような感覚が楽しかった」「考えた内容を相手が喜んで受け入れてくれるのが嬉しかった」などの感想が多く寄せられました。

他の人の目標を考えるのは単純に楽しく、第三者としてみれば思考の枠もなく、大きなプランが思いつくものだなと思いました(30代・女性・広告代理店)

自分の意見や視点が、他の人にとって面白いと捉えてもらえたのが嬉しかったです(30代・男性・人材関連)

目標設定の構造的な特長

今回の方法は、お互いにオープンに、そして効果的な目標を作るために以下のような進行上の構造の特長を設けています。

◯ 利害関係のない人同士で行う:

この目標設定の営みは、お互いに仕事上での利害関係が存在しない者同士で行います。そのため、普段は職場の人に気を遣って話せない内容も気兼ねなく説明できます。同時に今後も直接絡んで仕事をするわけではないので、気楽にありのままの状況をシェアできるというのが、この方法の特長の1つです。

◯ 参加者同士は対等・全員に自分の目標を考えてもらう:

参加者は全員、自分の目標を順々に考えてもらうため、「人の目標だけを考えて、自分の目標については取り扱わない」ということが起きません。そのため、参加者同士は人の目標を立てるときも「今度は自分の番がまわってくる・・・」という意識が働き、一方的な押しつけをしたり、ぞんざいな態度を取ったりすることがなくなります。

◯ 自分の過去や状況を丁寧に共有する:

他の人に自分の目標を考えてもらうために、最初に自分の状況を説明し、そのまま追加の質問を受けることになります。この流れを通して、自分以外の参加者が自分自身のことを深く理解してくれるため、それを踏まえた納得感の高い目標を提示してもらうことができます。

他人による目標設定の具体的な手順

ここでは、具体的にどのような手順で「他人による目標設定」を行えばよいか、詳細をご紹介していきます。

手順1:参加者の募集

この営みを開催しようと思い立ったら、自分以外に3名、適した人を招待し、開催の時間を確保することから着手します。ここで重視すべきは、下記の要件を満たした人を集めることにあります。

【集めるメンバーが満たすべき条件】

  • 自分も含め、直接の利害関係が無いメンバー同士であること
  • 全員が、自分自身を含め、今回の目標設定を行いたいと思っていること
  • お互いに異なるバックグラウンド・観点を持っていること
目標設定の場

実際の参加者の集め方として、今回のイベントに参加した数名は、Facebookで下記のような投稿をして参加者を募っていました。

Facebookでの参加者募集のための投稿

手順2:時間と場所の確保

開催するメンバーが決まったら、その時間を確保します。開催時間は、1人あたり1時間、4人で4時間は確保したいところです。これに加え、一人ひとりのワークの間に10分程度の休憩を加えた場合、合計で5時間連続したスケジュールを押さえることが望ましいです。

場所は、雰囲気のある喫茶店など4人で座れるテーブルを確保するのがお勧めです。会議室よりもリラックスし、自由な思考や会話を楽しむことができます。

手順3:事前宿題として自分の状況をまとめた図を1枚描く

事前準備として、自分の状況を説明するための図を、簡単にA4の紙1枚に10分程度で描きます。凝りすぎると大変になり、煩雑にもなるため、短い時間で描き上げるのがコツです。

自分の状況を説明するための図

手順4:当日の始め方

全員が揃ったら、当日の時間配分を決め、「他の人に目標設定をしてほしくなった順番」で一人ひとり振り返りを開始します。このとき、じゃんけん、あるいは「右回りで」などと順番を決めてしまうと、お互いに強制的に実施する雰囲気が強まり、目標設定を行うための雰囲気を損ねてしまうおそれがあります。そのため、あくまで自主的に行いたい順で目標検討を行っていきます。

手順5:当日の目標設定

タニモクを始める前にワークを助ける2つツールをダウンロードしましょう。

・タニモク:目標設定を有効にする4つのTIPS
・タニモク:一人あたりの時間の進め方

目標設定を有効にする4つのTIPSは、印刷をしてワークの際は常にこの4つを意識して進めてください。一人あたりの時間の進め方は目安として時間を記入し、タイムマネジメントを行うといいでしょう。以上の準備が整ったら、以下の手順で一人ひとり目標設定を行っていきます。

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ステップ1:自分の状況を簡単に説明する(目安10分)
事前宿題で描いた図を使いながら、自分の状況を下記のような観点について口頭で10分ほど時間を決めて説明します。時間をかければかけるだけ説明できてしまうので、「10分ほど」と設定し、その中で説明を完了します。

  • 簡単な自己紹介
  • これまでの経歴
  • 最近取り組んでいる仕事
  • 最近のプライベート
  • その他、自分が注力していること

[実施上のコツ]
この時間は、短く簡潔に行うのがポイントです。この後に続く質疑応答によって、本人以外の独自観点での切り口が出てきます。

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ステップ2:質疑応答をする(目安10分)
上記の内容を聞いた他の人は、描かれた図を眺めながら自分が興味の湧いた点について自由に質問をしていきます。この質疑応答にも10分程度の時間を割きます。

[実施上のコツ]
このやりとりの中で「今年はどうしたいのか?」という質問は禁止とします。本人が目指している方向性が明確になってしまうと、他の人がその内容に引っ張られてしまうためです。

ステップ3:他の人が本人の「1年の目標」を考える(目安10分)
ここまで、本人の情報を聞いた他の人は、その本人の目標を自由に考え、A4の紙1枚に表現します。表現の方法は、あくまで自分自身の目標を立てるときと同じ要領で、「一言」でも「箇条書き」でも「図にする」という方法でも構いません。当人になりきり、目標を作ることがポイントです。

[実施上のコツ]
ここで特に重要なのは、外部の第三者として目標を立てるのではなく、あくまで他の人は当人になりきり、「もしも自分があなただったらこうしますよ」と思い切り主観で目標を提示する点にあります。そのほうがエッジが立ち、インパクトのある目標が出やすいことが今回の実施で分かりました。

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ステップ4:本人に対してプレゼンテーションする(目安30分)
本人に対して他の人たちは、自身が考えた目標の内容をプレゼンしていきます。その書き出しを、「私が◯◯さんだったら、1年の目標はこのように立てます・・・」として説明を行います。そして、その内容に対して本人は自由に質問を行い、「なぜそのような目標にしたのか」といった背景を深掘りしていきます。

[実施上のコツ]
このプレゼンテーションと背景を深掘りするやりとりが、今回のコア部分でありクライマックスです。この時間をしっかりと確保するために他の部分の時間を調整するように心がけるとバランスが良くなります。

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この方法で1人についての目標設定が終わったら、次の2人目の目標設定を同様の手順で行っていきます。以上で、4人分の目標設定を行い、「目標設定会」は終了となります。

いかがでしたか? 新しい年度を迎えるこの時期に、仲間内、あるいは知り合いに声をかけ、今までとは違った目標を設定し、そこに向かって試行錯誤してみてはどうでしょうか。

[編集・構成]doda X編集部

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