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緊急時でもハイパフォーマンスを生み出すマネジメント術

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チームを預かる管理職の方々には、さまざまな壁が迫ってきます。時には、大きな壁の前にチームがバラバラになってしまうことも。では、チームが壁にぶつかり大変な緊急時に、どうすれば壁を打ち破ることができるのか。今回は、多くの困難に立ち向かい、事業を成功に導いてきた渋井清さんに「チームが壁にぶつかった緊急時のマネジメント術」について、寄稿いただきました。ヒントは「70点」という数字にあるそうです。

PROFILE

渋井清
渋井清
パーソルキャリア i-common登録
TBCグループ株式会社にてマーケティングの責任者を務め、長年にわたり、宣伝広告・ブランディングや商品開発を手掛け、数々のヒット商品(サービス)や話題の広告プロモーションも仕掛けてきた。現在は複数企業のマーケティング顧問・アドバイザーとして活動中。パーソルキャリア i-commonにも登録。BtoCの美容・健康を中心としたサービス商品全般の販促・広告・ブランディング・商品企画などを得意としている。東京都中小企業団体中央会 戦略策定専門家登録

緊張状態のときこそ「チーム」を意識しよう

チームが壁にぶつかったとき、リーダー自身がテンパってしまいますよね。それは仕方がありません。自分を客観的に見ることなんてなかなかできなくなります。必要なことは、スタッフ一人ひとりの心に彼らなりの自信をよみがえらせること。そのためにはまずはリーダーの軸がブレないことが大切です。もしリーダー自身が負のスパイラルにハマってしまったとき、次の1~5のことを適宜実践してみてください。リーダー、スタッフともに、自然と心に余裕が生まれ、高いパフォーマンスが期待できるかもしれません。

1. 緊急SWOT分析

最初にマーケティングフレームワークの王道「SWOT分析」を自分なりにアレンジして使いこなしてみましょう。

自社の・チームの・商品の・・・ S「強み(武器)」 W「弱み(弱点)」
状況+市場+競合環境における O「機会・後押し」 T「脅威・壁」

 

まずは、現在の課題である客観的に現状を確認したいテーマ(視点)を決めます。例えば、「自社全体について」、「組織チームについて」、「商品について」など最重要課題となる切り口の設定です。そのテーマに基づき、「強み(武器)」欄と「弱み(弱点)」欄を客観的に埋めていきます。次に、「状況」、「市場状況(消費者ニーズなど)」、「競合状況」など外部環境における「機会・後押し」欄と「脅威・壁」欄を埋めていきます。

このように「1. 緊急SWOT分析」は、4つの各項目を埋め「見える化」することで、漠然とした不安を低減し、客観的に状況を把握することでリーダーの頭の整理に役立ちます。

2. 緊急戦略づくり

強み(武器)(自社の・チームの・商品の・・・など) 弱み(弱点)(自社の・チームの・商品の・・・など)
機会〈後押し〉(状況+市場+競合環境など) A チャンスに乗り、強みを存分に活かして成果を出し、さらに点数を稼ぐ方法を考える C 弱みがあってもチャンスで何とかカバーできる方法を考える
脅威・壁(状況+市場+競合環境など) B 強みを使って、何とか壁を乗り越える方法を考える D 弱みがあることで乗り越えられない壁は、今は無難に回避する方法を考える

 

次に、1で作成した4つの要素を元に戦略A、B、C、Dをじっくり考えます。実際のアクションのポイントは、A→B→C→Dの順で、業務の優先順位を決めて行うことです。限られた期限内で結果を求められる場合には、Dを切り捨てる、または後回しにする勇気を持つこともときに必要です。その穴埋めとして、A→B→Cの順で中身をさらに充実させ、点数を稼ぐことを考えます。

このように、「2. 緊急戦略づくり」では、業務の優先順位を明らかにし、解決ストーリー案を複数持つことで不思議にも心にゆとりが芽生え、まずはリーダーが自信を取り戻すことにつながります。

3. チームの点検と再編成

次に、上記A~Dの業務に携わるスタッフのバランス点検をし、ときにはチームの再編成が必要となることもあります。ポイントは2つあります。

1)「特命・おたすけ部隊」の任命

この人(人たち)の任務は、緊急で弱みをカバー・フォローすることのみに特化集中し、かならず良い結果を出してもらうための部隊です。人は、特命にて任命されると、認められ・期待されているという自信で短期間に思う存分力を発揮できるものです。

2) 上記Dを一時的に切り捨てれば、そのパーツにかかるスタッフはほかのパーツに動かすことが可能になります。もちろん個人個人の適性を見ながら、より優先順位の高い業務に人的資源を集中させます。期限が迫っている場合にははずせない方法です。

4. 「70点でOK!」

特に時間最優先の場合にこのワードを私はよく使っていました。当時の部署の業務特性は、常に「時間」との戦いでしたので。緊急で方向転換を余儀なくされるときなど、「100点を目指さなくていいよ。まずは70点をめざそう。70点達成で上出来!」という宣言をします。

スタッフに「時間」×「結果・成果」のダブルプレッシャーをかけ過ぎると、モチベーションが著しく低下したり、焦りが生じるばかりで、成果が思わしくないことが往々にしてあります。もちろん100点を目指したいのは山々ですが、そんなときの魔法の言葉が、「70点及第点宣言」です。

この言葉は、私の経験上、スタッフのプレッシャーを軽減し、かつ実際のパフォーマンスは向上させる効果があり、70点以上の結果を導くことが多いように思えます。ただし、はじめからモチベーションが低い傾向にあるチームには不向きの言葉かもしれません。安易に低い方へ流れていく危険性もありますので、くれぐれも慎重に。

5. そして最後は運を天にまかせるつもりで心をおおらかに

無理をさせてしまった部下にも心からの労いを忘れずにしましょう。部下には十分休養を与え、その間にもリーダーは、残り30点分のリカバー方法や、現状70点の責任の所在についての社内根回しなど、今できることを先手先手で考えましょう。リーダーには十分休む時間はありません。

いかがでしょうか。ぶつかった壁の種類・大きさや課題、組織など前提条件により向き不向きもあるかと思いますが、そのときどきの状況に合わせて自由にアレンジし、社内の風向きも視野に入れつつ、実践してみることをお薦めします。

緊張感よりもゆとりを持つことの大事さ

例えば、広告上に掲載した集客専用の商品への反応が思わしくないなど壁にぶつかった場合、急遽原稿差し替えを行う際にはまさに時間との勝負になります。通常では考えれらないような短期間・短時間で商品決定→原稿制作を行う場合、「まずはこの原稿では70点の出来でOK。ただし、次回の制作では100点以上を目指そう」というやり取りも。このようなケースには、思った以上のパフォーマンスが得られ、スタッフの心のゆとり次第で結果が良くも悪くも変化することを痛感しました。

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