大企業でもベンチャーでも、部下を持ったら知っておきたいマネジメント5つの原則

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仕事人生において、一大転機となるのが、自分の部下・メンバーを持つ経験ではないでしょうか?

それまでは、自分自身が抱える仕事に取り組み、解決していけばよかったことが、部下を持つと「自分が行うのをこらえてでも、相手に任せねば」と思い始めたりします。自分がまったく理解できないところで、相手がさまざまなことに悩んだり、壁にぶつかったりして、落ち込むやる気をどのように引き出せばいいかに戸惑ったり、試行錯誤したり。

こうした「部下を持つ」ときに苦労するところ、知っておけば楽になる知恵が、大企業・ベンチャーに関わらず存在します。

本記事では、こうした「部下を持ったら知っておきたいいくつかのマネジメントの原則」について、“未来を変える”プロジェクトに関わる多くのマネージャーたちの知見を元にご紹介します。

今回のアウトラインです。

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それでは本文です。

原則1:部下のモチベーションは上司から寄せられている関心に比例する

よく「好きの反対は嫌いではなく、無関心」といいます。上司と部下の関係にこそ、これが当てはまることは、さまざまな研究からよく知られています。米国の研究では、ポジティブであろうがネガティブであろうが上司からのフィードバックがあれば、まったく無い時に比べて部下のモチベーションが格段に上がることが知られています。

まだ自分とあまり上手くいっていないな、と思う部下がいるときほど、その人のことをできるだけ観察し、ちょっとしたときに声を掛けてみましょう。その努力に比例して、相手のモチベーションは少しづつ上がっていくことでしょう。

原則2:部下の本音を聞くときは事前予告した上で10分以上遮らない

「あの部下は、本当はどんなことで困っているんだろう」

「どうしたら、彼の本音を引き出すことができるんだろう」

そんなことが気になって、部下をミーティングルームに呼び出しては話を聞こうとするも、気がついたらいつの間にか相手は黙ってしまい、自分ばかりが話をしてしまう。そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

こうしたときに効果的なのは、いきなり呼び出すのではなく、「来週水曜日の午後に30分程、仕事でいま抱えている悩みを教えて欲しい」と、予告をするアプローチです。部下はその時間までに色々と思案し、自分なりに言いたいことをまとめることができ、心を整えることができます。

その上で守りたいことが、ひとつあります。それは、とにかく10分は相手のことを遮らず、ひたすら聞き続けること。「10分なんて、いつも聞いてるよ」というあなた、実は統計によると、仕事上で10分を超えて相手の話を遮らずに聞き続けられる機会は皆無だとか。

相手の話の節々に「いやいや、そうじゃなくて…」とツッコミを入れたくなることもあるでしょう。でも、そんなときこそグッとこらえてみてください。相手の本音を聞くことができるかもしれません。

原則3:叱るとき・アドバイスをするときは1対1で

これは主に若い上司が行ってしまいがちのケースです。部下を叱ったり、アドバイスをするときは、必ず他に人がいない場所で、1対1で行います。こうすることによって、部下には「他の人の前で恥をかいた」といった余計なプレッシャーやわだかまりがなくなり、素直に叱責された内容やアドバイスを受け止めることができます。

また、こうしたフィードバックを行う多くの場合、上司であるあなた自身が感情的になったり、短期的な思い込みをしてしまっていることも少なくありません。だからこそ、あえて時間を置き、相手を1対1で呼び出してから冷静なフィードバック(叱責やアドバイス)を行います。そうすることで、より適切な指摘ができるようになります。

原則4:育成は「才能が最大限成長したときの可能性」をイメージする

部下が将来的にどのようになって欲しいか、どういう風に成長してほしいか、という点を支援するのは、上司にとって最も重要な仕事の1つ。これを行うときに、忘れずにおきたいことが「才能が最大限成長したときの可能性」をイメージするという原則です。

当人のことを見ずに、会社の3年目だったらこれくらいはできるようになってほしい、と短期的な課題ばかりにとらわれていると、部下の長期的な成長に役立つ有益なフィードバックが難しくなります。

そうではなく、まずは部下が日々見せる「最大の長所」や「いつでも取り組む特性」に着目してみてください。「もしもこの人の才能が極限まで伸びたら、どんなタイプの偉人になるだろう」という可能性をイメージしていくと、5年、10年後、その人が大いに成長した姿を考えることができます。

そこまで出来たら、あとは成長への支援が格段に簡単になります。将来的に人を大いに巻き込むようなリーダーになりそうな人材なら、人を巻き込む役割をどんどん与える。新しい発想を次々と生み出すアイデアメーカーになりそうなら、そうした提案をする機会を積極的に回していく。こうした日々のあなたの配慮が、その部下の将来を大きく伸ばしていくことでしょう。

原則5:「部下のやる気を高め、成長させる最高の手段とは?」の答を知る

リーダー・マネージャーがどうあるべきかの指針として名高い名著「最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと」(マーカス・バッキンガム著)で紹介されているのが、この質問です。世界的なマネージャー、有能な上司たちは、この質問に対してほぼ同じ回答をするということです。これは、本プロジェクトに関わる多くのマネージャーにも共通するものでした。

その答えとは…

「それは、その人によりますよね!」

というもの。人は十人十色とよくいったもので、大勢の人にほめられることが好きな人もいれば、こっそりと褒められることが嬉しい人もいる。自分が何かを一人で達成することが好きな人もいれば、チーム全体で何かを成し遂げることが好きな人もいる。

だから、折角その人の上司になったなら、その幸運をありがたく感じながら、とことん部下に関心を寄せ、どうやったら一番イキイキと働けるのか、どうやったら一番成長を手助けすることができるのか、日々試行錯誤し、がんばってみることこそが、上司の醍醐味であると「最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと」では、指摘されています。

ここにご紹介した5つのマネジメントの原則、あなたも明日から試してみてはいかがでしょうか?

[編集・構成]doda X編集部

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