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女性の出産と仕事|「議論」を止めて「対話」で夫婦のキャリア観を擦り合わせるための11の質問

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2015年6月公開の記事「パートナーの壁」では、男性ビジネスパーソン同士での議論を通して、「自分の将来のキャリアプランなどを考える上で、恋人や妻といったパートナーが持つ影響は極めて大きい」というテーマを深掘りし、多くの反響をいただきました。

一方で、「これは男性目線の話」という意見が、編集チームの中で少なからずありました。

そこで今回は、プレジデント社の「PRESIDENT WOMAN Online」のご協力のもと、約40名の女性ビジネスパーソンで、自分の恋人や夫が自分自身のキャリアや働き方に与える影響である「パートナーの壁」について議論しました。

結論、その議論から導かれてきた話は、

  • 1つのチームだからこそパートナーである必然性がある
  • 子育て前後で大きく捉え方は変化する
  • 価値観を変えるのは難しいから、議論でなく対話を大切にしたい

といった、男性同士の議論とは大きく異なり、そして男性ビジネスパーソンにとって示唆に溢れる内容でした。

今回のアウトラインです。

INDEX読了時間:5

それでは、本文です。

価値観は同じである必要はない

まず、議論の中でイベントに参加した多くの女性ビジネスパーソンが共感していたことが「パートナーと同じ価値観である必要はない」「価値観を変えるというのは難しい」という点でした。

価値観は、まったく同じ必要はなく、「受け入れる」もしくは「諦める」ことで共有できる(30代 女性 マーケティング)
価値観は誰しも異なるし、環境にも左右されるので、違っていて当たり前であることを前提に、それでもすべての価値観に対してこだわりをもつのではなく、譲れる価値観、譲れない価値観と分けて、強いこだわりをもちすぎない柔軟さを持ちたい(30代 女性 経営者)

男性同士が議論した際には、このパートナーとの価値観がさまざまな要因(生い立ち、社会人になってからの経験、両親など)によって異なっており、そのギャップをどのように埋めるかという点の重要性が語られ、やはり「価値観」は議論の中心にありました。

一方で、男性同士の議論よりも女性同士の議論の方が、

  • パートナーとの価値観は違っていても構わないし、無理に価値観が同じ人を探してパートナーにすべきでもない
  • パートナーになった後は、価値観をお互いに変えるのではなく、お互いに理解することが重要

という点が強調されていました。

「パートナーの壁」は、実は自分の価値観に妥協できない人が当たる壁?

次に、多くの指摘があったのは、「パートナーの壁」を感じる人の多くは「相手に自分と同じ価値観を求める」ことのこだわりによって、自分自身が結果的に壁を作っているのではないか、という点でした。

「パートナーの壁」は実はない。というのが、今回イベントに参加してみての結論です。パートナー選びの壁はあるけど、パートナー(=夫)を持つ人たちの中ではあまり壁を意識していない、というのが印象的でした(30代 女性 外資系IT企業マネジャー)
「壁」は自分が作り出しているものかもしれません。お互いを理解し、違いを尊重することをお互いができていれば、話し合いで折り合いをつけたり、または放置したりするという選択肢をとれるのかも(30代 女性 金融)
壁は自分の思い込みなのかもしれないこと。自分で作っているかもしれない(30代 マネジャー)

男性同士の議論では、パートナーと自分との価値観のギャップがもたらすさまざまな壁が一番のテーマとなっていましたが、参加者のかなりの割合は「価値観が近い相手を選ぶべきかもしれない」というスタンスが多かったのとは、好対象な結果となっていました。

このあたりにも、男女による認識の違いがあるのかもしれません。

問われるのは子育てを中心とした「チーム」としての在り方

次の大きな論点として、パートナーと自分とが大切にしなければならないこととして挙げられたのが、

チームとしての自分とパートナーが、何を成し遂げていくのか?

という点でした。主語を自分と相手ではなく、あくまで集合体、チームとしての二人と捉えたときに、どのように行動していくのかが、女性を中心とした議論では最も重要なポイントとして挙げられていました。

家族はチームだから、自分を軸にしてものを考えないのでしょう(30代 女性)
パートナーは対立するものではなく、チームとして捉えるべき。よって、違う考えや立場をとるパートナーはポートフィリオとしてみると安定することもある(40代 女性 流通)

そして、そのチーム運営の中で、「子供をどのタイミングで産み、どのように分担して育てていくのか」というのが多くの人にとって、最大のテーマとなります。

同時に、女性は子供を産むタイミングで、自分自身の仕事の選択を変更したり、中断したりしなければならず、その影響は子供が自立するまでの期間、ずっと続いていきます。

この「女性の仕事」は、結果的に女性だけのテーマではなく、チームとしての自分とパートナー全体のテーマになります。

私個人では子どもがいる人が仕事ととどう両立しているのか聞きたかったので、具体的な意見も聞けて勇気がもらえました(30代 女性 マネージャー)
自分のちょっとした心がけでパートナーの壁と思っていたものは消えるが、仕事、子ども、親については心がけだけでは超えられないない(30代 女性 IT系ベンチャー)

言い換えれば、「出産」「その後の女性の仕事」という点に直面して初めて、チームとしての自分とパートナーが、家族の運営と目指す方向性を迫られるという指摘が大半を占めました。

男性だけの議論では、そこまで「出産」が大きなターニングポイントとしてクローズアップされなかったこととは対照的です。

会話が大切なのは、価値観を変えるためでなく価値観を解り合うため

では、どのようにチームとして、この「出産」「その後の仕事」といった大きなテーマに向き合うべきか? 参加した女性からは、とにかく「議論」ではなく「対話」を通した価値観の理解が重要であるとの指摘が相次ぎました。

パートナーとの対話の重要性(週に1度のミーティングを設けているなど)や、対話方法(聴く、アプリ、タイミングなど)について、世代や職種によって色々あるなとただただ感心しました(30代 女性 カウンセラー)
今回の学びとして、「壁」を乗り越えるためには、議論するのではなく、相手を尊重する対話が必要だと感じました。価値観の違いは、もともとが他人なので起きても仕方がない。自分も相手も許容できるキャパシティを広げ合う必要があります(20代 女性 IT系企業)
価値観は違うのが当たり前なので、いかに歩み寄り、押し付けず、求めず、我慢かあきらめもありながら、お互いコミュニケーションしていくか。その姿勢が、会話の深さを作り出すと感じました(20代 女性 NPO)

男性同士での議論では、どちらかといえば「何をこれからやっていくのか?」「どのように、現在直面しているスレ違いや問題を解決していくのか?」といった、今後に対する将来の方策などを考える「議論」にフォーカスが当たっていました。

女性同士の議論では、こうした「議論」よりも、お互いが過去から現在までに作り出し、自分自身が持っている価値観について「対話」することを求める声が多数を占めました。

まさに、下記の2つの定義を、今一度見返したいところです。

(議論とは)自分の考えを述べたり他人の考えを批評したりして、論じ合うこと。

(対話とは)あまり親しくない人同士の価値や情報の交換。あるいは親しい人同士でも、価値観が異なるときに起こるその摺り合わせなど。

※「対話」の定義については、劇作家である平田オリザ氏が、小学館の『大辞泉』と『ケンブリッジ英英辞典』のそれぞれの解釈を参考に定義したものです(講談社から発行されている雑誌、『–読書人の雑誌–本』。平成24年1月1日発行の第37巻第1号より)。

将来を議論をする前に、お互いの価値観を対話しよう

「議論」せず、価値観を理解しあうための具体的な11の質問

それでは、どのようにすればとかく「議論」になってしまいがちなパートナーとの会話を、「対話」にできるのでしょうか?

1つの方法は、下記の11の質問を印刷し、自分とパートナーで、交互に質問しあってみるというアプローチです。

価値観を理解しあうための具体的な11の質問

これらの質問は、パートナー同士が特に過去の生い立ちによって価値観が異なる部分、今後の生活でギャップが生まれやすい部分について、多くの事例をベースとしてつくられています。

すべての質問は、議論によって優劣をつける内容ではなく、お互いに自分の価値観とその背景となる経験を語り合い、「対話」をし易いものとなっています。

お互いに30分、合計で1時間ほどゆっくりと時間がとれるときに、コーヒーなどを飲みながら語り合ってみてはいかがでしょうか?

その「対話」による摺り合わせが、チームとしての二人の今後を語る上で、大きな変化をもたらすかもしれません。

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[編集・構成] “未来を変える”プロジェクト 編集部

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