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「夫婦未来会議」―パートナーの壁を乗り越える秘訣とは

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「自分自身のキャリアを真剣に考えている人はいるけど、パートナーのキャリアまで、真剣に考えている人って、じつは少ないよね−−」

キャリアコンサルタントからこぼれた言葉に私は、はっとさせられた。共働き世帯は年々増加する中で、パートナーも同様に将来のキャリアを考える機会が増えている。その一方で、男性は「家庭の稼ぎ頭」という意識から、どうしても自身のキャリアだけにのめりこみがちになってはいないだろうか。お互いのキャリア展望を共有し、理解しあえているだろうか。

“未来を変える”プロジェクトでは、「パートナーの壁」と題して、変化を起こすときのパートナーの影響について、多くのビジネスパーソンと対話を続けてきました。そのなかでわかってきたことは、自発的にキャリアに変化を起こすとき、パートナーの影響が大きく、相互理解が重要であること。そして、これまで以上にパートナーとの価値観の擦り合わせが大切になるということでした。 ※参考記事:「本気で考えるパートナーの壁:時代の変化に「乗れる」予見性を育もう」。

そこで本件は「パートナーとの価値観の擦り合わせ」に焦点をあて、パートナーの壁を乗り越えるヒントを探っていきます。

パートナーとのシナジーを生み出す「夫婦未来会議」

事例として取り上げるのは、「夫婦未来会議」です。未来を変えるプロジェクトのイベントに集まった50人の中で話題になったご夫婦の家族会議で、運営するのは加藤健さん。奥さまも独自の活動をされており、夫婦で運営するブログ「@cafe」で、広く情報を発信しています。加藤さんのプロフィールは後述のとおりです。

PROFILE

加藤健
株式会社ループス・コミュニケーションズ 所属
ソーシャルメディアのビジネス活用コンサルティングを手がける 株式会社ループス・コミュニケーションズ 所属。社会起業家と革新的な事業に対して資金提供と経営支援を行う ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京(SVP東京)パートナー。日本最大規模の読書コミュニティ 読書朝食会”Reading-Lab”(通称リーラボ) 発起人

加藤さんご夫婦が運営する「夫婦未来会議」とはいったいどのようなものなのか、お話を伺いました。

「夫婦未来会議は、お互いの「ありたい姿」を共有し、確認しあう場です。主なテーマは、キャリア、学習、健康、お金、本、家族(両親)のことなど。時間は、月に1回2時間程度。夫婦のお気に入りの場所で、夫婦の未来についてじっくり話をします。ゴールは、当月のアクションを決めることで、充実した時間にするため、事前にアジェンダを用意する徹底ぶりです(笑)」(加藤さん)

「当日の議事録は必ずEvernote(エバーノート)に記録。あとで振り返りができるようにします。決めた「やることリスト」は、スマホアプリに登録。タスクが完了してチェックすると、相手にリアルタイムに通知される仕組みです。例えば、これから取り組みたいアクションに関する知見を持った方から助言がほしい、という場合、「●●●さんに会う」アクションが「やりたいリスト」に加わります。期日までに、会って課題が解決できていれば、完了に。逆に完了していなければ、「あのリストは、順調?」なんて聞いたり。そんなコミュニケーションが日常的にされています」(加藤さん)

加藤さん活用のアプリ Todoist: To-do list and task manager. https://ja.todoist.com/‎

 

 

TODOで管理されて窮屈なのでは?との質問に「とくべつ窮屈ではないです」と、加藤さん。

「もちろん、やり過ぎは禁物ですよ。苦笑 未来夫婦会議を続けてきて大きかったのは、二人で人生設計をするようになったこと。それと自分で決めたことを言葉にして宣言するので、これまで以上に本気で取り組むようになったことです。お互いの仕事の強みを理解し、伸ばしていきたい能力を伸ばしていく。各々の経験で補てんできることは支え合う。逆にやりたくないことは、やらない。このように夫婦の中で役割と線引きが明確になりました」(加藤さん)と、夫婦未来会議の効果を話します。

パートナーのキャリアを考えることで、見えてくる未来がある

夫婦未来会議から見えてきたこと、それは「パートナーとの価値観の擦り合わせ」において、仕事のことだけでなく、お互いの知識や経験、時間、家族ネットワークなど、夫婦がもつ資源を棚卸して、夫婦間の役割とルールを柔軟に決めていることです。加藤さんに伺うと、勤務地が変わるとそれに併せて住む場所も移すというように、家族環境を変化に合わせて柔軟に変えているというお話しでした。

パートナー同士で腹を割って考えを共有し、持てる資源を整理することで、ポジティブな影響を引き出し合える一般的にパートナー関係において片方のキャリアを優先すれば、片方のキャリアは妥協せざるをえなくなるという綱引きのような世界に思えます。しかし、それは夫婦間がもつ可能性を暗に閉ざしているのかもしれません。

今回の議論を通して、“未来を変える”プロジェクトのイベント参加者からは次のようなコメントが続きました。

パートナーを“嫁”と考えるのではなく、同じ目標に向かうパートナーとしてビジョンを共有し、対話を重ねていくのが、“壁”と感じないポイントだと思いました(30代 男性)

お互いがキャリア志向の場合、子どもができると犠牲にしなければならない部分がたくさん出てくる。しかし、そんなシビアな環境でもパートナーとの関係が良好な方は折半する線引きが明確だし、何より奥さまへの配慮が深い(30代 男性)

パートナーに依存せず、いなくても生きていける。でも、それでもいっしょにいたい。二人の方がいい。そんな存在でありたいと改めて思いました(30代 男性)

自身のキャリア開発に、何が正解で何が間違いということはありません。しかし、一人よりも二人で考えるからこそ、見えていなかったことが見えてくる。課題もパートナーといっしょに解決できる。そんな意識をもつことが、「パートナーの壁」という垣根を超えて、パートナーとともに変化を楽しみ、はたらくを楽しむ第一歩になるのではないでしょうか。

【 編集部のお薦め記事 】
本気で考えるパートナーの壁:時代の変化に「乗れる」予見性を育もう
家庭やパートナーとの関係について考える際の新しい視点「予見性」をご紹介します。

[取材・文] 三石原士

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