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部下がリモートワークをしている管理職は、何に気をつけなければならないか

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『“未来を変える” プロジェクト』では、記事の制作段階でさまざまな方と議論し、フィードバックをいただきながら制作しています。今回は月間150万PVを超える「仕事・マネジメント」をテーマにした人気ブログ「Books&Apps」を運営する安達裕哉さんに、「リモートワークのマネジメント」について寄稿していただきました。

PROFILE

ティネクト株式会社 代表取締役 安達裕哉
安達裕哉
ティネクト株式会社 代表取締役
1975年、東京都生まれ。Deloitteにて12年間コンサルティングに従事。大企業、中小企業あわせて1000社以上に訪問し、8000人以上のビジネスパーソンとともに仕事をする。現在はコンサルティング活動を行う傍らで、仕事、マネジメントに関するメディア『Books&Apps』を運営し、月間PV数は150万を超える。

リモートワーカーが増えている。それも、かなりの勢いだ。アメリカではすでに3割以上の人が、いわゆる「オフィスワーカー」ではないはたらき方をしており、増加の一途をたどっている。

米国におけるフリーランサーや「従来とは違う」働き方をする人の数は5300万人に急増し、全労働者の34%を占めるまでになりました。2020年には40%に達する見通しです。

米国で5300万人が実践する「新しい働き方」に関する7つの考察|ライフハッカー [日本版]

また、ついにトヨタ自動車が総合職に在宅勤務を認め、週1日、2時間だけ出社すれば良いというはたらき方を認めたそうだ。

トヨタ、総合職に在宅勤務 8月めど2万5000人対象|日経電子版

身近にも例がある。外資系食品会社のルートセールスをしていた知人がいるが、彼はかなり前からリモートワークをしていた。 会社からの指示はメールで、会議はテレビ会議、評価は純粋に目標値に対する達成率で評価される。 

また、営業ノウハウの共有は、社内の共有データベースにおいてなされ、その記事は閲覧数や「役に立った」というコメント数などにより、どれくらい社内に貢献したか評価される。 こちらも目標値が設定されるため、役に立たない情報を書き込んでも評価されず、いかに役立つ、わかりやすい情報をデータベースに投稿できるかが、評価を左右する。

以上のようないくつかの評価項目を基に、毎年目標設定ミーティングが行われ、それに応じて年俸が決まるという仕組みだった。

「このはたらき方であれば、リモートワークのほうがむしろ顔を突き合わせてはたらくよりもはるかに生産性が高い」と、彼は言っていた。  

目の前にいない人物に、どのように生産性高く仕事をしてもらうかーー。多様なはたらき方を認めることで、有能な人をひきつけなければならない、企業にとってこれからの大きな課題の一つだ。

だが、リモートワークをいきなり導入しようとしても、ほとんどの会社はうまくいかないだろう。なぜなら、リモートワークはこれまで以上に高いマネジメントの技術を必要とするため、力量のある管理職と、リモートワークに適したシステムをもつ会社しかおそらく機能しないからだ。

では、具体的にリモートワークの導入には、何が必要なのか。見るところ、リモートワークをうまく活用できている会社は次のような施策を徹底している。

  1. 目標による目標管理

リモートワーカーの本質は「時間や場所による管理ができない」ということにある。したがって、管理の手段はかならず「目標による自己管理」となる。リモートワークは、この一点が認識できるかどうか、実施できるかどうかがキーである。

したがって、リモートワークは以下の条件がクリアできる企業のみが導入して成功できる。 

(1)自己管理が可能な社員の存在

「自己管理できる人」とは何か。ここにおける自己管理とは「生活が規則正しい」とか「規律がある」とか、そう言った話ではない。

本来、目標管理とは会社が社員を管理する道具ではなく、「ここまで貢献する」と本人が決め、本人が達成のために努力することを指す。したがって、自己管理できる人とは「自らの仕事の成果をきちんと定義でき、達成までの道筋を設計し、達成の約束をできる人」のことだ。

「成果を明確に記述できない仕事(注:数値化ではない)は、そもそもやる必要がないし、社員は自分の仕事の成果を意識して仕事すべき」とどれだけの人が理解できているかで、リモートワークの成否が決まる。

(2)「給与」に対する経営者と社員の意識変革

経営者、社員の中には「給料で社員の時間を買っている(買われている)」と思っている方がいる。それはそれでいいのだが、それは主に20世紀のブルーカラーとホワイトカラーという事務員を雇うときの考え方である。21世紀の新しいはたらき方であるリモートワークはまったく考え方が異なる。

リモートワークは「社員の時間を買っている」のではない。「社員が出した成果に対する対価を給与として支払っている」のだ。したがって、極端な話、その社員が生産性を上げて「1日1分しかはたらかない」ようになっても、経営者は文句が言えないし、逆に「何時間働いても成果が出ない」のであれば、給与は下がる。

「給与」は拘束時間による対価ではなく、成果による対価となることを経営者と労働者の双方が引き受けるかどうかが重要だ。 

  1. ノウハウの集約

 上に掲げた外資系企業のように、リモートワークを採用している会社は他の社員と顔をほとんど合わせなくても仕事ができてしまう。だが、それであるがゆえに、ノウハウを集約していなければ外注の寄せ集めと同じである。

したがって、会社として機能するためには「ノウハウの集積」が必要だ。もちろんノウハウの拠出は個人に負担を与えるため、評価に組み入れたり、金銭的対価を与えるなどノウハウの会社への提供にインセンティブを与えることが必要である。 

また、会社側も現場からの情報に頼るのではなく、積極的に本部で分析したデータを開示するなどして「データベース」を常にアップデートしなければならない。リモートワークの成否の鍵の一つは、このデータベースの充実度にある。

  1. 高い頻度のパフォーマンス評価

「自己管理」には、かならず「他者によるパフォーマンス評価」を噛ませる必要がある。なぜなら「自己管理」は容易に「自己満足」に陥る可能性があるからだ。

したがって、リモートワークは「良かれと思ってやっていたのに、会社も顧客も求めていなかった」という仕事が数多く発生する可能性がある。

そのため、社員は常に「会社は、現在のあなたのパフォーマンスに満足/不満」というフィードバックを受けなければならない。同じ場所にいない分、評価は細かく伝えないと、会社と社員の溝は大きくなる。

  1. ツール

チャットツール、会議ツール、タスク管理ツール、 この手の情報はいくらでもあるので、ここでは詳しく紹介しない。

以上のように、リモートワークはすべての会社と人にお薦めできるはたらき方ではない。残念ながら、世の中には自己管理ができない人もいるし、「成果ではなく時間ではたらきたい」という方も数多くいるからだ。 

ただし、これからの時代は逆に「監視されていないと仕事ができない」という人は、定型業務、ルーチンワークをやることになり、結局、アルバイトでもできる仕事になってしまうかもしれない。そうなってから自己管理を身につけようとしても遅いだろう。

すでに変化は起きている。新しいはたらき方に適応できるかどうかは、自分たち次第である。

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